或る国の主張

君達はこの前、他の国に攻め込んだ。
その事実は国際平和にとって重大な問題だ。
だから今度は我々が君たちの国へ攻め込んでやる。

君達は大量破壊兵器を持っているという噂だ。
それらの兵器は国際平和にとって深刻な脅威だ。
だから我々の持っている大量破壊兵器でぶっ壊してやる。

君達の国の国民は自由を奪われている。
君達の圧政の為に数多くの犠牲が出ている。
だから我々はその人々を解放するために彼らの上に爆弾を落とす。
多くの犠牲が出るだろうがそれはやむを得ない。

君達が支援したかもしれないというテロは
我々に拭い切れない不安を与えた。
だから今度は我々が君達に拭い切れない不安を与えよう。

君達はもしかしたら我々を憎んでいるかもしれない。
君達の武器はもしかしたら我々に向けられるかもしれない。
我々にはなんとなくそんな気がするんだ。
だからこれは正当防衛だ。

君達の周りで起きている苦しみについては、
我々は文化も宗教も違うのだからよくわからない。
でも我々を襲った苦しみは、
君達には文化も宗教も違ってもわかってくれ。

国連の査察には失望した。
彼らは我々に「イエス」と言わなかった。
我々の決定と違うのならば、そんな腰抜けには用がない。
だから我々は自ら「イエス」と言っただけだ。

国際法とか強調とか、そんな悠長な事は言ってられない。
そんなことよりもっと大きな脅威だと、我々が決めたじゃないか。

事実は簡単だ。
我々が正義なのだから、
我々でないのなら正義ではない。

正義は我々が掌握している。
だから必ず我々が勝利する。
なにも心配する必要などない。
我々は「アメリカ」なのだから。




『タダシイ・センソウ』

『砂漠の空へ』

『全ての戦争支持者に』