砂漠の空へ

流れ星が流れて 遠い砂漠の中へ消える
崩れた建物に 砂風が舞う
貧しいけれど この町を 愛してきた

家族に恵まれ 友人にも助けられ
暖かな輪の中で じっと生きてきた
ひそやかだけど 確かに 幸せだった

このまま 静かな生命を すごしていきたい
だけど この国 この場所 この時代に生まれたから
それは 見果てぬ夢ですか

だれかが 遠い海の向こうで この国の罪を決める
私たちは 一生懸命 生きてきただけなのに
だれかが 遠い空の向こうで 静かに号令を下す
やがてまた この町に 戦闘機が飛び交う
この町は だれのために 壊されるのですか

この前の戦でも たくさんの涙が流れた
砂埃の中に 絶望が舞い降りた
悲しいけど 歴史は 繰り返しますか

このまま 静かな時間を すごしていきたい
だけど この国 この場所 この時代に生まれたから
それは 不遜なぜいたくですか

だれかが 遠い海の向こうで 私たちの希望を閉じる
私たちは これ以上 なにも望みはしないのに
だれかが 遠い空の向こうで 静かに号令を下す
やがてまた この町に 鮮やかな花火が上がる
未来は なにがゆえに 奪われるのですか

もし神様が許すならば 私は私のために死にたい
そしてもし許されるなら 私のために生きていたい




『タダシイ・センソウ』

『或る国の主張』

『全ての戦争支持者に』