播磨の湿原で〜半日トライアル〜 09.5/26

この日は、勤務時間の調整でなぜか半日あいたので、久々に
この時期ならではの播磨の湿原に挑戦。
そう、すでにお知らせでも書いたようにヒメヒカゲの調査が始まっていますので
そちらのお手伝いということです。先週サボっちゃったし(^^;
ちょっとした面白い情報もいただいていたので、朝一からいそいそと
でかけるも、期待していたシーンには会えずに涙をぬぐったり、
それでも諦めずにうろうろするといろんな成果が続いたり、
播磨の湿地の底力に感嘆させられた一日でもありました。

<1>播磨地方某所

  
というわけで、いそいそと早朝からやってきたのには理由があります。
実はS氏がみつけていたヒメヒカゲの蛹が羽化しそうだという話があったんですよ〜♪
でも、ちょっと到着が遅くなったと思ってると、失意顔のS氏に遭遇。
曰く、「ヒメヒカゲは早起きでした」。
というわけで、すっかり羽の伸びた状態(左)をバシバシと撮影。
ま、これはこれで嬉しいですけどね〜。
さて、草地の中を歩くと、他の個体(右)も何匹か飛び出しました。

  
歩き始めると、ソクシンラン(左)も発見。花のアップ(右)を見ると、
やはり面白いかっこうしてますよね。こちらも湿地ならではの花です。

  
個人的にこの場所で一番すきなのは、ハシナガヤマサギソウ(左)。
この日は、ビロードサシガメ(右)がやたら多く、いろんな場所で見れました。

  
ちょっと気になったのは、湿地のど真ん中にいたこのカマキリ類幼虫。
鎌のとこに黒斑があるので、ウスバカマキリの幼虫だろうと思って大興奮したんですが、
ウスバだったら頭頂に黒点が1つあるそうで、そうすると違う?
でも他の種類は鎌に黒斑なんてないしな〜。
もしもウスバカマキリだったら、ヒメヒカゲ並みの貴重種なので秋に期待したいとこです。

  
クツワムシ?の幼虫(左)もいました。ツツジの花をかじってたのかな?
ヤマトシリアゲ(右)も多い時期のようで、あちこちで姿を見ました。

  
湿地の中で目立つのは、立派な姿のイシモチソウ(左)と、コモウセンゴケ類(右)。
コモウセンゴケ類は花を付けた株もありましたが、個人的には花が咲く前の
花穂をようやく持ち上げた、これくらいの姿が一番好きですね〜。

  
ネジキ(左)も大満開に咲いている株がありました。
シャシャンボ(右)も花芽を伸ばし始めていて、こちらも咲いたら面白そう。

  
先ほどの場所まで戻ると、羽化した個体は初フライトを終えていて、
蛹殻(左)だけが残っていました。どこいったんだろ?と見渡してみると、
すぐちかくでのんびりと日光浴中(右)。頑張ってたくさん卵産んでよ〜!

  
さらにウロウロ歩くと、シソバタツナミ(左)やら、ウツボグサ(右)やら
可愛らしい花が次々と登場します。やっぱりこの時期は出会いが濃いな。

  
飛び交うのは全てヒメウラナミジャノメ(左)で、ウラナミにはまだ早いようでした。
早くもチャバネセセリ(右)が登場しているのにはちょっとビックリ。

  
ツクバネウツギ(左)やら、ガンピ(右)やらといった樹の花もかなり大満開でした。
特にガンピのほうはあちこちに花盛りの株があって見惚れてしまうほど。

  
久しぶりの金ぴかメッキのアブ、ルリハナアブ(左)にも会えました。
ハラビロトンボ(右)はすでに老熟した感じの♂も発見。

  
湿地の中には、イトイヌノハナヒゲ(左)もヒョロヒョロと花咲いていました。
#こいつが憧れのノグサだとご指摘をいただきました。案外身近にあるもので…
えらく立派なイタチハギ(右)もあったり、やっぱりあれこれ面白いトコです。

  
やがて、ちょうどそういう時間になったらしく、あちこちでヒメヒカゲが開翅モード。
♂(左)、♀(右)ともにじっくり撮るました。ちなみに、開翅を裏から撮る
なんてのも面白いもんだと今回発見。今度何かで応用してみたいな。

  
引き上げようとすると、道端にセッカが登場。
これがまたえらいこと近距離でじっとしてくれるんです。それも何度も。
きっと近くに巣があるんだろうなぁ、と思いつつバシバシと激写。

  
すると、草むらの中にオレンジ色の輝きを発見。
大慌てで近づいてみると、ド新鮮なウラギンスジヒョウモンでした。
すぐ逃げるので撮るのは苦労しましたが、そうですか、もうそんな時期ですか。

  
遠かったのですが、ハッカチョウ(左)まで登場しました。このあと、枯草を
くわえて飛び立ったので、どこかちかくに巣があるみたいですね。
んで、お次にきた場所では、これも湿地に多いヘラバヒメジョオン(右)なんか見つけたり。

  
初手からえらくご立派なルリタテハの幼虫(左)がいたり、
まだ小さなコガネグモ(右)がいたりします。

  
別の場所では、ひとまわり小さなルリタテハ幼虫(左)も発見。
ふと思いついて林の中に入り込むと、一面のヒメカンアオイ(右)という場所もありました。

  
葉っぱをひっくり返すと、予想通りギフチョウの卵殻(左)を発見。
近くには、まだ小さな幼虫(右)もいました。3齢くらいかいな?

  
んで、かなり大きくなっている幼虫も何匹も発見。
すくすくと育ってくれることを祈りつつ、時間切れになったので大慌てで引き返すことに。

  
道中では、キキョウソウ(左)が群生している場所がありました。
大満開のイボタノキ(右)もあったので思わず停めてバシバシと撮影してみたり。

  
見ていると、クマバチ(左)やら、エグリトラカミキリ(右)やらは出現したんですが、
期待していたウラゴマダラシジミは出現せずに残念。
というあたりでほんっとうにタイムアップで、大慌てでトばして戻ったのでした。

というわけで、半日トライアルでしたが楽しい一日でした。
やはり播磨辺りの環境のいい湿地は出会いが濃厚です。面白いもんだ。
同じような場所でも、いつも新しい出会いがあるのがスゴイですよね。
なお、しばらくはヒメヒカゲ調査も続きますから、こんな感じの
湿地巡りな回が増えると思います。
さて、最後に恒例ながらお願いを一つ。
ヒメヒカゲは全国的に急激に数を減らしている蝶の1つです。
播磨地方以外ではほとんどの場所でポツポツとピンポイントな生息地が残るばかり。
そして、ここでも開発による生息地の消滅や過度の採集により減少傾向です。
いつまでもこの可憐な蝶が、身近な湿地を飛ぶことができるように、
ヒメヒカゲの採集自粛にご協力下さい。

蝶屋の皆さんの温かいご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。


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