まっくらな森で〜嵐の中の修行〜  20.7/11

この日は、久々の完全修行状態な1日でした。
そういえばこの時期に挑戦したことなかったな、ってエリアに初挑戦
ということでワクワクしながらのトライだったのですが
この日はまた全国的に大荒天。このエリアは予報的にはマシだったはずが
蓋を開けてみると雨雲レーダー真っ赤な爆心地になって
大豪雨と大濃霧につつまれた山の中は完全に日没後の暗さ(+_+)
悔しいので頑張って歩き回っては見ましたが、全身ずぶ濡れになるわ、
花を見つけても真っ暗で撮影になりゃしないわ、
挙句の果てに誰も他に歩いてる人なんていないので道に迷って
完全遭難状態一歩手前まで行くわ、とすばらしきストーリーに。
修行僧よりも体力使ったぞ、って言いたくなりそうな1日となったのでした(^^;

<1>山梨県某所
 

  
というわけで、まさかのド濃霧にげんなりしつつ、薄暗いというかはっきり暗い森の中を
歩いていくと、いきなりアリドオシランがお出迎え。こりゃ嬉しいですやん。

  
んで、さらに歩いていくと、なんか怪しげなランらしき痕跡(左)が。
地面に落ちた花と葉(右)も発見。わかりにくいけど、これってあいつかなぁ…

  
と思っていると、いきなりご登場。小群落になっていたのは、憧れのハコネランじゃないですか!
これが一番の期待だったので狂喜乱舞しましたが、思ってたより何倍も小さいのね。

  
あたりを探すと、ばらけて咲いている株もいくつか発見。
少し時期的には遅めで、実になりつつある花が多い感じですかね?

  
憧れの花でしたので、なんとかして可愛らしく撮るべく四苦八苦しますが、
雨で濡れ細ってるし、暗い中でゆらゆら揺れる小さい花はなんとも撮りにくくて…

  
頑張って花のアップを撮ってみようと四苦八苦しますが、ほとんど
暗闇状態の中、大雨も降っててもうどうにもこうにも。まぁ、雰囲気だけは伝わるかな?

  
さらに歩いていくと、あちこちにツルシロカネソウ(左)が登場。当然ながら開いてないけど。
ギンリョウソウ(右)もエエ雰囲気の大群落があったりしました。なんか全体にヒョロ細いね。

  
チョイと意外だったのは、こんな大雨の中でしたが、いくつかツルシロカネソウが
咲いていたこと。この類は日が差さないと開かないと思ってたよ。

  
なか可愛いキノコ類(左)があったり、これまた特徴ありげなテンナンショウ類(右)も
あったりしましたが、その後は全然花も見つからず、ひたすら山道を登ることに…

  
くたびれ切った頃、ふいに足元に怪しいものを発見。
お、お久しぶりのヒメムヨウランですが、花は終わって散りかけですやん。

  
そこで見つけたのがこちらのラン。キソチドリとかにしては大柄だなぁと思ってましたが、
よく見ると距がえらく長いし、オオヤマサギソウあたりなのかしら。
エリア的に憧れのオオバナオオヤマサギソウってこともあり得るかなぁと夢想中…

  
近くに同じような花の株がもう1つ(左)ありました。なにもんだろ?
悩みながら歩いていくと、ジンヨウイチヤクソウ(右)にも遭遇。

  
さらに登っていくと、大群生のミヤマハナゴケもご登場。お見事やな。
いわゆるトナカイモスみたいな雰囲気で、日本で見ると違和感ありますよね。

  
ちょいと驚いたあたりでは、花芽をつけたミヤマフタバランもご登場。
これは完全に予想外だったので嬉しかったんですが、欲を言えば1花でも咲いててくれたらナァ・・・

  
さらに進んでいくと、ジンヨウイチヤクソウ(左)がまとまって咲いている場所も
ありましたが、しばらく歩くと大豪雨が来襲。景色が白くなる(右)感じで、こりゃツラいなぁ…

  
あちこちぐしょ濡れになりながら歩いていくと、花芽をつけたエゾスズラン(左)を発見。
ムラサキモメンヅルかなって感じの葉(右)なんかも見つかります。

  
さらに歩いていくと、イワツメクサ(左)やらフジハタザオ(右)やらもありましたが
まぁなんせひたすら型の豪雨でツラい。なんなんじゃこの修行状態は(笑

  
イワオウギ(左)は少しだけ咲いていました。
すっかり花は終わっていましたが、ハコネハナヒリノキ(右)も見つかります。

  
小さな草むらに、ふと気になる感じの花も発見。いつも見るウマノミツバとは雰囲気が違うので
ヤマナシウマノミツバかと思ったんだけど、どうも特徴がいろいろ違いそう。
これもウマノミツバの範疇なんですかね。難しいもんだ。

  
などと悩みつつ歩いていくと、ふいにビックサプライズが。
1本だけ鎮座していたのは、なんとキイロスッポンタケじゃないですか!
こいつに巡り合う日が来るとは思わなんだ。予想以上におもろい雰囲気やんか。

  
さらに驚いたのは、けっこうあちこちに立派な実をつけたヤマシャクヤクがあったこと。
それぐらいの時期に来ても、それはそれで面白い出逢いの濃そうな場所ですな。

  
その後さらに歩いていくと、バイケイソウがけっこうあちこちに咲いているエリアも
ありましたが、この後、林の中で完全に道に迷ってえらい目に…
薄暗い林の中を途方に暮れながら数時間歩き続けるって、かなりの苦行ですなぁ(^_^;

  
なぜかずぶ濡れの樹肌を闊歩しているヤママユ(左)がいたのと、
クッソ暗い中でニホンジカ(右)に遭遇したのと、ってのが少し面白かったくらいで
その後はヘロヘロになりながら、なんとか登山道に辿り着いて車まで生還し、
少し時間は早いけどそこで完全ギブアップ。そのまま数時間沈むように爆睡したのでした(笑

というわけで、なんとも疲れた1日となりました。
とりあえず、天気予報のセーフエリアに突撃したはずが終日大豪雨の嵐ってツライ(^^;
おかげで山の中ではほとんど誰にも逢わなくて、面白い情報も拾えず。
さらに言えば、そのおかげで最後は完全にプチ遭難まで経験しちゃったのは
なかなかに恐怖でした。このエリアってすんごい深い森ですんで
土砂降りの雨の森で、方角すらわからない状況には、ホンキで命の危機を感じました(笑
あとで地形図等々見てみると、てんで想定外の方向に歩いてたようで
とりあえず生還できたという事実だけで神様に感謝すべきなのかもですなぁ…
それでも、お初のハコネランに、キイロスッポンタケ、それから
アリドオシランやら、花芽だったけどタカネバランやら、
といった感じで挑戦時間と比べると薄い感もなくはないわけだけど、
ステキな出会いがあったのも間違いないところ。
色々調べるとこのエリアはちょいと季節をずらすとさらに濃い出会いがありそうだし
おそらく着生ランとかもすごく濃密なエリアなはずなので
今後も懲りずに何度か通うことになりそうです。次回は迷わないことを祈りつつ(笑


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