再・BoninなGWA〜母島への到着〜 11.4/30
 
<3>小笠原・父島 続き  

  
さて、時折飛び交うオナガミズナギドリ(左)などをバシバシ撮っていると、
突然船の近くにザトウクジラ(右)が登場してビックリ仰天。
ちょっと潮をふいてくれた程度で、あわてたらこんな写真しか撮れませんでしたが…

  
やがて、船の周辺をまたカツオドリが悠然と飛び交い始めます。
嬉しくなってバシバシとシャッターを押しますが、さすがに行きのおがさわら丸で
大量に撮ったあとなので、イマイチ気合がはいらなかったりとか。

  
などと思っていると、いきなりすぐ近くの海面からなにかが飛び出して、壮大な
水しぶきをあげながら消えました。ザトウクジラです。
予想もしない出会いにビックリ仰天、甲板居残り組み全員大興奮状態に!

  
こいつはえらく愛想がいいようで、10回以上ニュイと顔を出してくれたのですが、
ぐんぐん遠ざかるのと慌ててたのでこんなんが取れた程度。
実は親子らしくて小さいのも横で顔出してたんですが、そちらはわかるような写真は
撮れずじまい、という体たらくでした。でも、幸先の良い出会いには間違いありません。

  
もう一度ラッキーが沸き起こらないか、と海面を凝視しますが、さすがに
そんな幸運は二度は来訪せず、やがてグングンと母島の影(左)が見えてきます。
最後まで船にくっついてきていたけど、クジラ騒ぎの後はだれにも見向きもされなくなった
可哀想なカツオドリ(右)を数枚撮って、大急ぎで下船の準備をすることに。

<4>小笠原・母島  

  
というわけで、懐かしい沖港の風景(左)を眺めているうちにあっけなく到着。
今回も、すっごく複雑な気持ちになりつつ、まずは観光協会で手続きしてから今回
お世話になる「ビラこぶの木」さんに着き、荷物を部屋に放り込んですぐに
「とりあえず山行きたいんで、お願いしてた原付はどこでしょうか?」と聞くと、
「あ〜、原付ね。カブ乗れるかい?乗れるならここのカブ貸したげるよ。タダだよ」
との豪気なお答え。カブなんてほとんど乗ったことがなくておっかなびっくりでしたが、
ありがたくお借りして、シマオオタニワタリ(右)とか見ながらなつかしの場所へ。

  
前回も見つけたけど名前のわからないおもしろそうな樹(左)も再遭遇。なんだっけ?
ぱらぱらと花芽をつけたヒメマサキ(右)も見つかったりします。

  
おおっと思ったのは、林床にあったムニンシュスラン(左)。ちょうど花が終わりたて
って感じですね。う〜ん、満開状態も見たいものです。
ムニンヒメツバキ(右)もあいかわらず面白い形の花芽をつけていました。

  
やがて到着したのは、懐かしの保護区(左)。ああ、来ちまったなぁ。
しょうがないので、周辺のシマギョクシンカ(右)なんぞの花を一応見て回ったり。

  
さて、肝心のコブガシ類を見てみると、これがみごとに全て実になってるんです。
今冬は小笠原も寒かったらしいので、季節が遅いかと思ってましたが、
花芽とかまったくないようだったらちょっと厳しいかもなぁと、初手からヘコんだり。

  
そのかわりちょっとビックリしたのは、花芽をたっぷりつけていた
オオバシマムラサキ。前回は植栽されたての状態だったのに、さすがは熱帯、
2年でこんなに成長するんだなぁと感心しつつ、ここに飛来すんじゃねぇかなぁ、と
相も変わらず夢多き妄想を走らしてみたりとか。
でも、すでに日も傾き始め、とてもとても蝶の舞う雰囲気はありませぬ。

  
場所を変えようとすると、かわいい花芽をつけてるデリス(左)を発見。
前回は花盛りでしたが、今回は全く花を見ませんでしたから、やっぱり季節は遅く
なってる気がしますねぇ。まぁ、コブガシの樹をのぞいてってのが腹立ちますが(笑
近くでは、オガサワラビロウ(右)もへんてこな花をつけてました。

  
上空を悠然と飛ぶオガサワラノスリ(左)を見つつ、一度集落方面に戻って、なにげなく
小さな川の中をのぞくと、めっちゃ目の前にチュウシャクシギ(右)がいてビックリ。

  
これ、デジスコじゃなくて、テレコンすら着いてません。それくらいの至近距離。
嬉しくなって周辺を探しましたが、前回見逃したメリケンキアシシギは今年は飛来して
いないようで空振りでした。後で聞くと、数日前はミゾゴイも居たらしんですけどね〜。

  
さて、海岸近くでオオバハマアサガオ(左)なんぞ見ていると、上空を
ハヤブサ(右)がビュンビュン飛んだり。すでに日没後でこんなのしか撮れなかったけど。

  
あたりには咲き残りのオオハマボッス(左)もありましたし、まだ葉だけでしたが
貴重品のオオハマギキョウ(右)にも遭遇。   

  
んで、宿に戻って食堂に行くと、水槽の中にオガサワラヨシノボリ(左)が泳いでいて
嬉しくなったり。その後いただいた晩飯(右)は、カメ料理もあってメチャクチャ美味でした。
いままで素泊まり旅館専門でしたが、今回はメシ付きにして大正解☆
その後は、同宿の人たちと賑やかに世間話をし、途中で乱入してきたおばさんから
なぜか天下国家論と島の裏話をてんこもり聞かせていただいて
なんとも楽しい時間をすごすことが出来たのでした♪

ちなみに今回お世話になった「ビラこぶの木」さんは、飯はマジうまいし、部屋はきれいだし、
おばさんは世話好きのイイ人だし、ご主人は植物屋の世界では知らぬ人のない星善男さん
その人で小笠原の自然にはメチャクチャ詳しいし、ホンキでオススメですぞ(>_<)!

  
結構時間が遅くなったけど、とりあえず上陸祝いのビールを買うついでに灯火巡りを
しましたが、これがまたどうしようもなく成果無しで、オスキバネヨトウ(左)が1匹と、
カマドコオロギ(右)数匹。宿はサイコーだけど、成果は不安だなぁ、と
少々思い悩みながらの夜となったのでした。

というわけで、とりあえずは初手から楽しめた1日でした。
やっぱりチョコチョコ走り回る程度も、道端にあるのがごろごろと固有種だったり
なかなか見れない帰化種だったりするのは小笠原ならではですね。
そして、よくよく考えると、学生時代からカウントすると6回目の母島。
父島が年々と観光地化してスレていくのに対して、
集落の雰囲気も大きく変わっていないのがなんか嬉しい感じですね。
んで、今回の大目的のほうについては、その難易度は前回で学習済みなわけでして
初手から甘い期待なんてしちゃいないわけですが、それでも
季節がハンパにずれているのは大きな不安要素。これがラッキー側に転がれば
いいんですが、すくなくともコブガシ類はすっかり実だったしなぁ…
とにかく来ちまったモンはしょーがない、明日からは毎日、日の出とともに特攻だ!
人気のない海岸でビール呑みつつ、雲間にのぞく星にそう叫ぶ夜更けなのでした。


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