ラストチャンスに〜棚卸日の幸運〜 11.3/31
  
<2>香川県某所 続き

  
さてさて、ヘラシギ君が飛び去った方向に移動して再発見すべく頑張りますが、
見つかるのはド至近距離でのんびりしているハマシギばかり。

  
時々バサッと飛ぶのであわててFZ100を連写しますが、タイミングが旨く合わずに、
飛びモノはこんなのが撮れた程度。ズームしきれずにケラレもでちゃってるし(^^;

  
そうこうするうちに、何を思ったのかめちゃ至近距離にもハマシギが闊歩し始めた
ので、FZ100+テレコンでバシバシ撮影。これがデジスコじゃないんだからスゴイ。

  
その後もしばらく粘りましたが、ダイゼン(左)がいたり、ゴミをもって悠々と飛ぶ
トビ(右)がいたりした程度。散々うろつくと、一度だけヘラシギを再発見したのですが、
カメラ向ける前にビュンと飛んでそれっきり。この頃にはものすごく潮が引いて
広大な干潟が延々と広がり、とてもとても探しきれない雰囲気満タン。こりゃダメだぁ…

  
というわけでギブアップして、近くの水田地帯をうろつくと、コガモの群れ(左)の
鎮座している近くで、噂のコミミズク(右)とあっけなく遭遇。
それがなんとほぼ全身丸見えなんですよ。おいおい、真昼間だぞ、いいのかその位置。

  
しばらくデジスコを向けていると、彼は何度かクルリと首を回してこちらを
睨んでくれたり、なかなか芸達者なところを見せていただきました。
ここで深く満足したので、思い切って大移動して、目的そのAを目指すことに。

  
グンと移動する道中で立ち寄った水田地帯では、なんと予想外にも
夏羽の鮮やかなノビタキがご登場。いっきに分厚い雲が出て薄暗くなっていましたが
大興奮しながらバシバシと撮影しちゃいました。もう来てるんですねぇ。

  
ふいに遠方に降り立ったオオタカ(左)なんぞに驚いていると、
期待していた通り夏羽にすっかり変わったシベリアジュリン(右)も発見。
暗い&素早いでこの1カットだけしか撮れなかったんですが…
でも一応撮れたので、とりあえず満足してさらに大移動を継続したのでした。

<2>中国地方某所 (問合せ厳禁!)

  
んで、日も暮れなずむ頃に到着したのはとある山麓。到着すると
道端にオオタチツボスミレ(左)やら、ナガバノタチツボスミレ(右)やらが見つかります。

  
歩くと、いい感じに咲き誇るイヌシデ(左)があったり、ヒサカキの花(右)があったり
ささやかな春の気配を感じつつ歩くと、狙いのため池に到着。う〜ん、ここなのかぁ。

  
ふと見ると、池の中には中途半端な色合いのホシハジロ(左)がいてビックリしたり。
さて、気合を入れてタモ網をつっこむとすぐに大量に撮れたのはテナガエビ(右)。

  
ギンブナ(左)がいたり、ツチガエルらしきおたまじゃくし(右)がいたり、
あとはドジョウやらメダカやらってあたりが捕れましたが、なんかこの池は予想以上に
泥深くて予想とは若干違う雰囲気。こんなトコにヤツがいるのかなぁ?

  
コサナエ(左)やら、ルリボシヤンマ(右)やら、久しぶりのヤゴ類も捕れましたが
どうにも期待薄な雰囲気満点。それじゃぁ、ということで少し離れた別の池にも
挑んでみようと場所を変更。期待もせずにタモ網をがさがさと突っ込んだ
3すくいめ。大量に入った落ち葉を捨てていると、なにかがコロリと転がりました。


う、うわぁああぁあぁ!!!
鎮座していたのは、憧れのマルコガタノゲンゴロウなんです!
期待なんてまるでしてなかったのに、捕れたちまった!
しばし頭が真っ白なパニック状態になって、薄暗い中何度も叫んでみたり。
どのくらい期待してなかったかって、池まで容れ物持って行ってませんでしたから、
大慌てで車まで突っ走って帰って、必至で空き容器を探したくらい(笑

このマルコガタノゲンゴロウ、正真正銘ラストチャンスだったんです。
なぜかというと、4/1から「種の保存法による国内希少野生動植物種」に指定されるから。
つまり、合法的に捕獲するにはホントのホントにラストチャンスだったんですよ〜☆
(この法律に対する意見は最後に長文を掲載させていただきます)

  
とりあえず、大興奮しながらFZ100+クローズアップレンズ2枚重ねで
バシバシと撮影しまくり。連写が早い&AF連写があるので撮りやすいですねぇ。

  
とりあえずひたすら連写してあっという間に2GBのメモリ一杯に撮影してようやく一息。
その後、当然のごとく2匹目をGETすべく真っ暗になるまでひたすら粘ったのですが
当然のことながらこれ以上の幸運が続くはずもなく、くたびれもうけの幕引きとなりました(笑

〜おまけ〜

  
というわけで、自宅で飼育中のかわいらしいマルコガタノゲンゴロウを数ショット。
しばらく大切に飼育した後は、現地にリリースするつもりですのでご承知おきを☆

  
ついでですので、宣言どおり組み立てたカルムチーの頭骨(左)と、分かる人には
分かるネタ、トンソクの骨(右)を掲載。Eさん、少しは頑張ってますよ〜♪

というわけで、ラストチャンスが花咲いた幸運すぎる1日でした。
長年の憧れだったヘラシギも、なんとか少ないチャンスを活かして撮ることができて、
なおかつあとで聞くと4/2が終認だったようで、ぎりぎりセーフ。
(デジスコのバッテリー的にもぎりぎりセーフでしたし!)
オマケの鳥も期待以上の鳥達を撮ることができましたし、
なんといっても、「合法的採集」としてはおそらく国内最後じゃなかろうか
というマルコガタノゲンゴロウが本当に嬉しい限りです☆
このイキオイで、今年度もどかんと豪快にいきたいものですなぁ(^o^)!

なお、最後にこの場で「国内希少野生動植物種」に対する私見を。
私は基本的に採集はしませんし、特に蝶やトンボなどのいくつかの種に対しては
モラルのない採集者による採集圧は大問題であり、それを法律で禁じるのは
心底大賛成ですし、もっと対象種を広げてもいいと思っています。
ただ、分布がはっきりしていて、なおかつ目視で確認ができる蝶やトンボは
ともかく、水生昆虫に対して「採集禁止」の網をかけるのであれば
せめて「意図的でない採集or分布確認のための採集はリリースすれば違反ではない
という程度の特例をいれてもらえないものでしょうか。
今回指定された種のうち、ゲンゴロウ類3種
(マルコガタノゲンゴロウ・シャープゲンゴロウモドキ・フチトリゲンゴロウ)
については、分布がまだはっきりしていないところがたくさんあります。
実際、今回採ったポイントもいまだ公式な記録としてはあがってないそうです。
最大の問題点としては、今後、新産地が見つからなくなる、
仮に見つけても報告した時点で犯罪者だからだれも報告しない、

(この法律では捕獲の意図にかかわらず網に入れた時点で違反です)
ということで人知れず開発で消える産地がでてくる可能性が高いこと。
「天然記念物の指定」で過去に大問題視されたことをなぜ繰り返すのやら(^^;
そして、私のような趣味の人は、非意図的に犯罪を犯してしまう可能性が
出てくること(最近は怖くて岡山で魚採りができないのと同じ理由)も大問題!

そもそも、マルコやシャーゲンは飼育下での繁殖方法が確立されていて
あちこちで安価で入手できますから、わざわざ野外で捕ってやるというマニアは
そんなに多くないと思うのですが、今回の指定で譲渡も禁止になる
(指定前からの累代飼育品も譲渡禁止の扱いになるそうです)ので、
表立って入手できなくなれば、かえって密漁が増えると思うんですけどねぇ…
まぁ、リリースOKとか、譲渡なんかを認めれば、密猟の抜け道に使われる可能性も
あるかもしれませんが、もう少し柔軟な方策をお願いしたいものです。


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