関東懐古旅@〜冬嵐な1日〜 09.12/11

この日は、なぜかいきなり関東に来ておりました。
友人からお誘いいただいた、とある面白そうな授業への乱入と、
これまた懐かしき友人との久しぶりの出会い等々の予定がたったので
それではお約束ながらついでにアレコレ見て回ろうというコンタンです。
今回は、嬉しいことに地元姫路から横浜までの格安夜行バスを発見したので
旅費もお手軽にのんびり旅、という予定でした。
しかし、意気込んで到着すると、そこは冬の嵐。
もンのすごい氷雨が、横殴りに降りまくる、本当にトンでもない天候でして、
悔しがってあれこれ挑戦してみはしたものの、
当然ながら涙々に濡れる展開の一日となったのでした。

<1>神奈川県各所

  
というわけで、まず早朝にバスを降りて移動すると、懐かしき駅前にて、
懐かしいムクドリのねぐら(左)に遭遇して、ちょい感涙。
その後、江ノ島まで移動すると、紅葉しつつ花をつけているハマヒサカキ(右)
なんかが見つかりますが、横殴りの氷雨がスゴすぎて、
はっきりいって歩いてられない状態。期待していた海鳥なんて探しようがありません。

  
それでも悔し紛れにウロウロしますが、しばらく歩いていると、体が冷え切って
動けなくなりそうなくらいなんです。いや全く誇張抜きで。
それでも、イソギク(左)や、ツワブキ(右)といった冬の花は見ることが出来ました。

  
かなりビックリしたのは、こんな極寒の中でも活動していたヒメクロホウジャク(左)。
キミが寒さに強いのは知っていたけど、ここまでスペシャルだとは…
その後もしばらく粘るも全く成果なく、街灯にとまっているセグロカモメ(右)なんぞ
1枚撮って、そそくさと引き上げることに。ってか、街灯が消えないほどの暗さだし。

  
続けてやってきたのは、これまた懐かしきとある公園。
早くも花芽をぶら下げたキブシ(左)に感嘆しつつ歩くと、咲き残りのカントウヨメナ(右)が
あって嬉しくなりますが、なんせ寒い。全身濡れ鼠だし。

  
んで、この公園に来たのは、ムラサキツバメの大きな越冬集団があるという話を
聞きつけたので、久しぶりに見たくなったから。
しかし、教わったクワの木に到着すると、葉裏で耐え忍んでいるウラギンシジミ(左)は
いれども、ムラサキツバメの姿はないんです。ありゃりゃ。
さすがにこの雨風じゃ散ってしまったかなぁ、とも思って引き上げようとした時、
ふと足元(右)を見ると、近くの葉上に怪しい茶色の塊があることに気付きます。

  
ありゃ!ムラサキツバメの集団じゃない!
なんと、越冬集団は、ねぐらにしていた葉ごと落下していたのでした。
よく考えれば、この気温で飛べるはずはないんですよね。
とりあえずバシバシと撮影した後で、踏まれることのない場所にそっと
移動しておきましたが、いやはやしかしご災難なことで…

  
というわけで、大願成就になるのかどうか悩みつつ、さらに少し歩くと、
見事に色づいたイイギリの実(左)や、イロハモミジの紅葉(右)などが目につきます。

  
花芽を伸ばし始めたハンノキ(左)も、雨露に覆われていました。
水辺では、なにげに久しぶりのメリケンガヤツリ(右)にも遭遇。

  
林の中ではオナガ(左)が飛交っていましたが、あまりにも暗いのでブレブレが
撮れただけ。泣きべそかきつつ池に行くと、ホシハジロ(右)が何匹もいました。

  
のんびり羽づくろいしているオナガガモ(左)なんぞ見ていると、悠々とオオバン(右)も
通過。昔はこの池で見ることなんかなかったのに、やっぱり増えてるんですねぇ。

  
などと思いつつ、カモの群れの中を見ていくと、中途半端な羽衣の
キンクロハジロを発見。最初見たときは、少々悩んでしまいました。

  
そして、さらに悩んだのはこちら。スズガモの♀なんですね。
かなり内陸部の、林の中の池なので、まさかスズガモがいるとは思わず、
こちらも散々悩んでしまいました。当地ではけっこう珍品なのかも。

  
のんびりと佇むダイサギ(左)なんぞ見つつ、さらにうろうろすると、
いい感じに色づいたコムラサキの実(右)なんかも発見。

  
ちょいと驚いたのは、池のヒドリガモの群れの中にアメリカヒドリ♂が
1匹だけ混じっていたんです。こんな場所にも来るんですね〜。
まだ嵐のような雨の中、デジスコは出せずに少し遠目のカットになりましたが…

  
そうこうするうちにタイムアップ。というか体力的にも限界到達。
そそくさと引き上げようとすると、すっかり色づいたオニドコロ(左)や、勢いよく
花をつけているビワ(右)などを見つけたりもしましたが、
駅に到着した頃にはアチコチまとめてずぶ濡れで感覚がなくなりかけるほど。
暖房の効いた電車の中が、天国のようでした(笑

というわけで、懐かしい場所で楽しい出会いもありましたが、
なんともいえないほど見事に冬嵐の日でした。
まぁ、このタイミングが故にムラサキツバメの救世主になれたのが嬉しかった程度かな?
まぁ、どうしようもなさ過ぎる天気の割には遊べたからヨシとしましょう。
ちなみに、この翌日は友人の紹介で、安田守氏の講義に参加してきました。
氏ならではの細やかな観察を通した、虫の面白い一面を紹介するというような内容で、
非常に面白く、ミドコロ満載の講義にほとほと感嘆し、中身の濃い時間を過ごせましたが、
それ以上に驚いたのは、一般の学生たちと自分ら「虫屋」との温度差でしょうか。
そうか、普通の人は虫はあまり好きじゃないし、こちらからしたら当然と思っていることも
驚くべき隠された真実だったりするんだなぁ、ということをつくづく実感させられました。
わかりやすい例だと、講義中「森の中で小さなコクワガタを捕まえてきた子が、今から昆虫ゼリー
たくさんやって大きくするんだ!、って言っていたんだけどね…」という前振りに対して、
私と友人が大笑いしながら振り返ると、残りの学生が「何が面白いんだ」とキョトンとしている
という一幕なんぞはちょいとビックリでした。そうかそうか、普通の反応はそうなんだな。
その後、友人の師匠であるM先生と一杯呑むという光栄に浴し、そこでジャングルの中での
奇想天外なサバイバル話をおなかいっぱい聞かせていただき、心底感心すると同時に、
やはりワタシおよび周辺の方々というのは世間様とはきっぱりと乖離してしまって
いるものなのね、と久々につよ〜く認識させられつつ、
ビールと奇談に酔っぱらって、少々フラフラ幸せな〆括りとなったのでした♪
いやいや、Eさん、本当にありがとうございましたm(_ _)m!


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