予想外の島旅B〜出逢いに泣く〜 09.10/18

<3>南大東島各地

  
さて、ほとんど絶望的な気分になりつつ、ほかに行く場所もないな、
ということで何度も挑戦した神社を再訪。
うろうろすると、木漏れ日の中でアオビタイトンボ(左)が飛び交ったり、
ムスジイトトンボ(右)が登場したりします。
んで、気合を入れなおして林の中を歩いてみるも、ボロボロスカスカの林の中、
どうも期待が持てないと気持ちが折れかけた時です。


フワッとなんかが飛んで、近くの枝の裏側に止まりました。
瞬間、後ろから見ているO氏の息を呑む音がはっきりとわかり、
「当たりだ!未熟だけどコフキオオメだよ!」
おおっ、なに!? 最後の最後にマジですか!?

  
と思うと、ツイと飛んだ彼はそのまま木立の中のいい場所に
ふわっと止まってくれたんです。おおっ、翅端の黒色、間違いない!
よくよくみると、薄く白粉も吹き始めています。
コフキオオメトンボ未熟♂ですね!いやはやマジで感涙!

  
というわけで、O氏ともども角度を変えつつ、無茶苦茶な枚数撮りました(笑
いやはや、本当に最後にご登場とは嬉しい限りで。
本来は暗い林にいるんだけど、そんな場所がなくなったから、ここらの林の中の
影っぽい場所を渡り歩きながらやりすごしてるのかな?
いずれにせよ、見れたんです!大願成就ってやつです!

  
喜び勇んで、さらなる成果をもとめてうろつくと、一度だけ怪しい影がツイと
飛ぶという事態が起きたものの、そのまま見失ってしまって残念。
びっくりしたのは、落ちていたココヤシの実(左)が芽吹いていたんです。
そうか、このくらいの南国ならば芽吹いちゃうのか。
あと、これも一応図鑑によれば特産種、ダイトウシロダモ(右)にも遭遇。
いや、葉っぱだけだとなにがなんだかわかりゃしませんが。

  
うろうろしていると、異様な物体があるのに気付きました!
おおおっ!!なんじゃなんじゃ??
と見てみると、これはセイヨウミツバチなんですね。
いわゆる分蜂というやつでしょうか、巣からでた群が石碑にたかっていたようです。
台風で巣を作っていた大木がぶっ倒れたとか、そういう展開かな?

  
さらにうろうろすると、アオビタイトンボ♀(左)もご登場。
ウスイロコノマチョウ(右)もフワフワと姿を現したりします。

  
リュウキュウベニイトトンボ(左)も登場しました。
その後もしばらく探索するも、あまりにももの蚊の猛攻に耐えかねて場所を
変えることにすると、途中で飛び去るヨシゴイ(右)を発見。
ってか、この島ではものすごい数のヨシゴイを見ましたが、すべてこちらより
早く気付いちゃうのでこの1枚が撮れただけだったんです。
渡りの季節ということでしょうが、面白いものですね。

  
さて、それではもう1つの目標物のほうだ、ということでまたぞろうろつくと、
先ほどよりもさらに赤味の強いウミアカトンボを発見。
これまた敏感すぎるものの、なんとかアップでも撮影成功♪

  
海辺をあるくと、こんな風景(左)が繰り広げられています。
これ、よくよくみるとすべてギンネムなんですね。丸坊主ですごいなぁ。
畑を見ていると、ツメナガセキレイ(右)も登場しました。

  
うろうろしていると、ふいにコモンヒメハネビロトンボを発見!
一度網に入れてリリースすると、なんか近くの枝にいい感じに止まってくれて、
バシバシとアップが撮れてしまいました。こりゃ嬉しい☆

  
海辺ギリギリのあたりに狙いをつけてあるくも、ウミアカトンボは
未熟(左)が一匹見れただけ。なぜか、コモンヒメハネビロトンボ(右)は
もう1匹未熟個体が見れたので、この島には定着なのかな?
その後も粘るも成果なし。諦めて大きく移動するか、という話をしながら車を出した時、
ふと車窓から見える個体が妙に赤っぽく見えました。
「それ結構赤っぽくネ?」などといいつつ、一応念のために、と降りてみると…

  
うおぉぉぉっっ!!
それは夢にまで見た真っ赤な成熟♂じゃないですか!
それも意外なほど堂々としてくれたもので、吹き荒れる強風に難儀しつつ、
O氏と二人で本当に影が薄くなりそうなほどバシバシ撮影!

  
よくよく見ると、翅もチョイとボロで、これは成熟というより老熟という雰囲気。
バシバシと撮ってると、ふいに飛び立ったまま二度と戻りませんでしたが、
タイムリミットまで1時間くらいしかないという最後の最後で、
出てくれたという事実に二人してマジで感涙!

  
その後、3日間何度も歩き回ったあたりを歩いてみると、
こちらは全然近づけなかったけど、ここでも真っ赤な♂(左)が登場。
う〜ん、時間か天気か、なんか条件があるのか?
しかし、この島でウミアカトンボは確実に百個体はみていますが、
赤いのがコイツらだけというのはあまりに率低過ぎです。どういうことなんでしょ。
二人して悩んでいると、今度はハネビロトンボ(右)がご登場。

  
残り時間がマジでギリギリな中、もう一度赤♂を!と叫びつつ
歩き回りますが、やはり見つかるのは未熟個体(左)ばかりなんです。トホホ。
同じ未熟でもこちらは妙にきれいな、タイリクショウジョウトンボ(右)もでましたが。

  
マジでタイムアップですね、諦めましょうか、といったところで
ふわりと何の前触れもなく草むらに出てきたのは、なんとベッコウチョウトンボ。
それもこの島ならではの真っ黒な個体じゃないですか!
喜び勇んでバシバシと撮影して、これをハッピーエンディングと位置付け、
涙々のこの度の締めくくりとしたのでした☆

というわけで、一応ハッピーエンドでした♪
まさかのコフキオオメトンボ羽化に続いて、もはや諦めていた
林の中でのコフキオオメとの出会い、
それからタイムリミット間近の真っ赤なウミアカトンボと、
本当にリミットギリギリの真っ黒なベッコウチョウトンボ!
ちょいとばかり出来過ぎなストーリーですが、本当に感涙モノでした(T_T)。
でも、本当はこんなの楽勝、な予定だったものたちが、まとめて登場してくれただけで
プラスマイナスゼロな気もしますが、まぁそれはおいといて…
本当はウミアカトンボは宿行くまでに見れちゃって、コフキオオメは初日の夕方で
成熟♂が捕獲できて、最終日はヒマでしょうがない、という皮算用だったのですが、
まぁ、そこを必死で走り回ることになったおかげで、
コフキオオメやウミアカトンボのヤゴのいる場所がわかったんだから、まぁいいかな☆
なお、O氏が帰宅後調べてくれたところによると、台風18号が南大東島を直撃した際、
瞬間最大風速は60m/s近く、降水量の合計は225mmに達したそうです。
……これじゃ、トンボが出ただけ奇跡かもしれませんね(^^;
いつかまた、季節を変えて再挑戦、なのかな?
ちなみにこの夜、私は一人密かに、さらなるオマケ旅に向かったていました(笑
バカバカしいほどに無謀な余禄旅、さて成果はいかなるか?


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