想定外のゼロ敗〜豪雨の爪跡に〜 09.7/25

この日は、毎年恒例のキリシマ詣で。
いつも通りのメンバーの他、今回は広島からもお客さんを迎えてというシチュエーション。
天気予報はイマイチなことを言っていたので、そこだけが不安要素でしたが、
まぁ晴れ男&晴れ女も多いし、なんとかなんべぇ、と安易に考えて
いたら、予想通りすっかりすっきりと晴れ上がったんです。
ところが…
予想も付かない展開のあげく、珍しく別の場所に転戦までしたのに、
結果は、まさかまさかのゼロ敗に。
詳しい顛末は本文を読んでいただくとして、はるばるいらっしゃった
方々には非常に申し訳なくなる展開の日だったのでした(^^;

<1>鈴鹿地方某所

  
さて、まず早朝からやって来たのは、例年訪れるヒルの多い方のポイント。
しかし、現地に行ってみると砂防ダムの工事があったようで、様子が一変して成果無し。
それでは、といつものポイントで舞っていると、センノカミキリ(左)が登場
したりしましたが、そのうち、メチャクチャ青空が広がって(右)きたんです。やったゼ!

  
待ち時間でバシバシと叩いてみますが、下りてくるのはキンモンガ(左)ばかり。
なぜか、湿地もないのに、真っ赤に色づいたヒメアカネ(右)が登場したりもしました。
そうこうするうちに、長靴の中になんか違和感。
石でも入ったか?と脱いでみた私はフリーズしました!


転がり出たのは、おなか一杯血を吸って丸々と太ったヤマビルじゃないですか!
スギ丸さんがとっさに防虫スプレーを吹きかけると、
その場で血を吐き出してえらくグロい姿に…(食事中の人いたらゴメンなさい)。
そうか、朝っぱら寄った場所でとりつかれていたんだ、と
感心しながら見ていたら、そのタイミングで首筋からもポロリと一匹(ToT)。
いやはや、こいつはものすごいショックでした。
しかも、その後数日痒みが続きましたし、着ていたシャツは首周りが血まみれでゴミ箱行き…

  
そうするうちに、フワフワとウラクロシジミが登場!
相当にボロボロでしたが、思いがけない登場に、みなさん大喜びしつつ撮影。
私はキリシマ用に用意していたデジスコで望遠接写洒落込みました。
しかし、この頃から、いつもの樹冠部に光が差し始めて、いかにもな雰囲気になった
のですが、なぜかキリシマが全然飛ばないんです。ありゃりゃ?
最初は「今年は飛び始めが遅いネェ」などと、余裕かましていたのですが、
時間がドンドン過ぎても、様子が変わらないのでだんだん不安になったり…

  
それでは、ということで近くのポイントに転戦……というところで
トんでもないことに気付きました。この場所は沢沿いの生息地なんですが、
沢の中はものすごい倒木やら瓦礫やらで埋め尽くされて、風景が一変。
地形がすっかり変わっているほどのものすごさにビックリ仰天。
そして、同時に、キリシマが飛ばない理由がおぼろげにわかってきます。
ニュースにもなった去年の集中豪雨、あれで大ダメージを受けたんだ。こりゃマズい…

しょうがないので最初のポイントに戻ってひたすらまっていると、1匹だけ、
遠くを舞って、すぐに消えました。生き残っていることに安心はしたけど、
このままじゃしょうがないということで、別の林道に行ってみることに。

  
気合を入れて林道を歩いていきますが、ここでもキリシマ君は姿を表さず。
道上の枝に、なぜかモリアオガエルの卵(左)があったり、道端でのんびりしている
マムシ(右)に驚かされたりという楽しい展開はありましたが。

  
リョウブ(左)が大満開に咲いていたりもしましたが、蝶影は皆無。
かわいらしいオオルリ(右)も何度も出現しましたが、けっこう素早くてこれ1枚撮れただけ。

  
汗まみれになりながら、林道を奥に詰めていくと、いきなりニホンジカの子どもが
目の前に登場したりしました。きゃ〜、メチャクチャかわいい♪
しかも、まだ若僧だからかこちらを恐れることなく、むしろ興味津々という感じで
眺めていてくれたおかげで、バシバシと撮影に成功。でも、いいのか、それで。

  
さらに歩いていくと、道端にはノカンゾウ(左)があったり、オトギリソウ(右)が
あったりしますが、カシ林も多いし、きっちり晴れたし、抜群すぎる条件なのに、
やはりここでもキリシマ君は全く姿を表さないんです。とほほ。

  
ようやく出た!と思ったら、ムラサキシジミ(左)だったりとか。
林道沿いにオニヤンマ(右)ばかりやたらと飛んでんだけどねぇ、などと言いつつ
戻ってくると、道中でようやくキリシマ君がご登場。でも高くを一瞬舞っただけ。とほほ。

  
その後も、ヤマアカガエル(左)がいたり、ニホントカゲのかわいい子ども(右)が
いたりはしますが、結局そのまま何ら成果なく車まで戻ってくることに。

  
すると、車まで戻ったところで、嬉しい出会いがありました。
密かに前から憧れていたヒサゴスズメです。かわいい模様だネェ。
長時間歩き続けた後の、素敵なプレゼントでした。
ちなみに、私は蛾の中ではスズメガが一番好きだなぁと思っているので、
ひそかに近場で見られる種類のコンプリ狙おうと思ってます♪

んで、その後、朝っぱらのポイントに戻るも途中で釜底の抜けたような大豪雨。
現地に着くとなんとか雨も上がったので、しばらく粘ると、
諦めきった頃にフワフワと1♂登場。でも、それっきりなんです。
しょうがないので、諦めて解散することに。こんなハズじゃなかったのになぁ…

  
まっすぐ帰る着にならなかった私は、そのまま海岸まで移動してうろうろ。
すると、ハマボウフウの咲き残り(左)にくわえて、ものすごく立派な実(右)を
たくさん発見。これはこれは、なんともすごい造形じゃ。

  
お約束のビロードテンツキ(左)もあちこちに大株がありましたし、繊細でかわいい
ハタガヤ(右)もいい感じの群落があちこちにありました。ちなみに、
ハタガヤのほうは前々から気になりながら名前がわからなかったんですが、
先日図鑑を眺めててようやく名前が分かった次第。こういうのって嬉しいですね。

  
さて、そこらの倒木をひっくり返してみると、スナゴミムシダマシ類(左)と、
ニジゴミムシダマシ(右)が出てきたのでドアップ撮影に挑戦。

  
ちょいと薄暗い状況だったので、オオモンツチバチ(左)はお休み中でした。
砂浜のど真ん中なのに、アオモンイトトンボ(右)も発見。どこから来たんだい?

  
さらにうろうろすると、ヤマトマダラバッタ(左)もご登場。不思議だったのは、
かなり小さな弱齢幼虫(右)もけっこう見れたんです。この時期のズレは何故?

  
んで、ようやく目的のカワラハンミョウ(左)も発見してバシバシ撮影。でも1匹撮った
あたりでまた雨がパラついて来たのでギブアップして引き上げることに。
ふと海の方(右)を見ると、はるか沖合いで大豪雨が降っているのが見えて、
なんともはや今年の天気はなぁ、などとブツクサ言いながらの帰路となりました。

というわけで、全く予想外な展開となった一日でした。
いやはや、例年は「舞えども降らず」という状況なんですが、今年はほとんど
舞いもしなかったのだから、本当に想定外です。トホホ。
しかし、ニュースにもなっていた集中豪雨、失礼ながら自分には縁遠い話と
思ってすっかり忘れていましたが、こんな傷跡があったなんて……
おそらくあの場所だけではなく、各地で相当な被害があったことと思いますし、
関係ないや、とノホホンとしていた自分の甘い気持ち、といいますか
そういうものに気付かされた気持ちがしました。
いつか、キリシマも再び舞い飛ぶように復活してくれることを祈るばかりです。
さて、実は今回の週末は2日連続でキリシマ狙いと決めてきていましたが、
この様子では明日再挑戦したところで成果があるとは思えませぬ。
んで、どうしようかなぁ、といろいろ悩みながら各地の天気予報を見ていた
私は、ふとしたことに気付いてしまいまして、さすがにバカかなぁと
夜半まで悩みまくったあげくに、決意して一気に長距離移動☆
これまたトンでもない方向転換を図ってまいりました。
なにをしでかしたのか、は、翌日のページのお楽しみで(笑


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