貴重種の谷へ〜保護地見学〜 09.6/14

<2>阪神間某所 続き

  
さてその後、苗園をご案内いただいたのですが、そこは開発地から保護されてきた
貴重な植物のオンパレードで、おもわずこちらは目を白黒。
まずは、アリマグミ(左)と、かわいらしい実をつけたオオウラジロノキ(右)。

  
カキノハグサ(左)もありましたが、花は終わってたのがちょい残念。
キヨスミウツボの寄主であるウラジロマタタビ(右)は立派な実をつけていました。

  
地味ながらメチャクチャ貴重な植物も保全されていました。
というわけで、ヒメミコシガヤ(左)や、アワボスゲ(右)もみれて大感激。
しかし、これらを初め、多様な植物を管理していくための工夫はすざまじくて、
聞くたびに溜息。10年以上取り組みつづけてようやく実をつけるようになったとか
移植できるようになった、とかいう話をお伺いしていると、
そのたゆまぬ努力に本当に頭が下がります。

  
キヨスミウツボも様々に工夫した条件で育てられていました。
すっかり実になりつつある株(左)もありましたし、先ほどの谷にはなかった
二倍体(右)もあったり、見ていくほどに本当に楽しい空間です。

  
いまや自生地が喪失したという、ヤマホオズキも保護されていまして、
これも憧れの花だったので再び感涙。ちょうど花盛りでしたし。

  
んで、それらの植物を植え戻しているという公園にご案内いただくと、
十数年目にしてようやく移植に成功したというキヨスミウツボ(左)がありました。
その苦労話をお聞きして、ほとほと感嘆。
ヤマホオズキ(右)も植え戻されていましたが、これはまだ花をつけるには早い雰囲気。

  
ここにはイナモリソウもたくさんありました。ちょうど花が終わったところ
というのが残念でしたが、こちらも縁がなくてまだ逢えていない花なので嬉しい限り。

  
トウゴクシソバタツナミ(左)もありました。ここらの株は葉の模様が薄いんだそうで。
いい雰囲気の実をつけたアリマグミ(右)も登場。お味は………まぁ、珍味ってトコか(笑

  
谷にはシュンジュギク(左)もありました。こちらもお恥かしながら兵庫には産しないと
思っていたのでほとほと驚いたりとか。うれしいことに1株だけ咲いている株(右)もありました。

  
近くにはなんだかえらく扁平なマイマイ類(左)も発見。こいつはなにもの?
沢沿いには、マタタビの花(右)が散らばっていて面白い雰囲気でした。

  
咲き始めのクマノミズキ(左)を見たりしていると、こちらも増殖されている
オケラ(右)がいい雰囲気の花芽をつけているのを発見。
この調子だと、この保護区はますます面白い場所になっていきそうですね。
その後もいろいろと興味深い話をたくさん聞かせていただいて、
感激のあまりボ〜ッとした状態で苗園を後にしたのでした。
Nさん、イキナリの押しかけ野郎なのに、懇切丁寧にご対応いただきまして
本当に本当にありがとうございましたm(_ _)m

  
さて、その後はしばらく六甲山の山麓をウロウロ。
すると、立派なケケンポナシに遭遇しました。花はまだ咲き初め風だけど。

  
葉がえらく食べ荒らされているサネカズラ(左)も発見。これは、とドキドキ
しましたが、残念ながらキベリハムシはついていませんでした。
そのかわり、葉裏にそれらしき脱皮殻(右)を発見。やっぱここにいたんですね。

  
実にイイ雰囲気のクスサン幼虫(左)にも逢えました。白髪太郎ですね。
そして、うれしいことにこれも密かにお初のアリマウマノスズクサ(右)も発見☆

  
薄暗い場所で撮影には苦労しましたが、細い葉といい、独特の模様の花といい、
なんとも面白い花ですよね。いやはや、これまたなんとも嬉しい出逢いです。

  
さて、最後にやって来たのは前回同様にとある河川。オジロサナエの羽化殻(左)
なんぞ見つつ歩くと、ヤマサナエ(右)が登場。しかも、このあと、撮れなかったけど
ホンサナエにキイロサナエまで出現したんです。いや、やっぱ面白い場所ですぞ。
#オナガサナエの書き間違いでした。サイズから何から違うっちゅうねん(^^;

  
この日もアオサナエ(左)はやたらめったら多数いました。
んで、川面を飛びまくるヤマトンボ類がいたので、慎重に網を振りますが、
入ったのはコヤマトンボ(右)。むむ、残念。
その後しばらく粘るもチャンスなく、時間切れで引き上げたのですが、現地で
お会いしたトンボ屋さんによれば、この日は6時過ぎからキイロヤマトンボがブンブンと
飛びまくるパラダイスになったそうです。ちくしょい、近いうちに再挑戦するぞ!

というわけで、本当に楽しい一日でした。
あらためまして、Nさん本当に本当にありがとうございましたm(_ _)m
憧れの花に一気に出会えるというのは本当に楽しい時間でした。
開発で潰されてしまう貴重な空間というのはたくさんあって、
そこから移転された貴重種が飼育されるなんてのはよくある話でも、
長年継続した後、植え戻すまで行っている場所は実際はかなり少ないもの。
この場所の地道な努力による成功例が、今後の全国的なモデルに
なっていくことを願ってやみません。
そして、このあたりの地区の底力というのも強く感じた一日でした。
六甲山周辺というのはついつい足の伸びにくい場所なんですが、今後は
機会を見つけてはあれこれ探求してみたいと思っています。
次はどんなビックリが待っていてくれるのか、今から楽しみですね☆


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