夏日の湿地で〜ヒメヒカゲ調査日〜 09.5/30

この日は、ヒメヒカゲのマーキング調査日。
個体数の把握とともに、密採集の防止という重要な意味のある大イベントです。
というわけで、意気込んで現地に向かいましたが、この日は
予想しないほどの真夏日。ジリジリ肌が焦げ、汗まみれになりつつ、
必死になって網を振り回し、微力ながらお手伝いしてきました。
実はこの前日、なぜか職場の上司と新入社員との呑み会に参加し、
けっこうな深酒をした上に、帰れなくなった新入社員をウチに連れて帰ったりした
もので、二日酔い+睡眠不足という状況でもありましたが、
前後のおまけも含めて、かなり楽しめた一日になったのでした。

<1>播磨地方某所

  
というわけで、早朝まだかなり早い時間でやってきたのはなぜか山奥の某所。
とある筋から、極秘情報をいただけたのでワクワクしながら来た次第ですが、
到着すると大満開のエゴノキ(左)にビックリ。こいつはお見事じゃん。
沢沿いには、オオバアサガラ(右)が咲き始めていました。

  
さて、沢沿いに上っていくと、まだ花の残ったムロウテンナンショウ(左)を発見。
あちこちにダイモンジソウ(右)もあったり、面白い出会いは続きます。

  
小さな実をつけたカツラ(左)やら、花芽をつけ始めたキジョラン(右)やらも
ありましたが、お約束どおり沢を遡上する途中で道に迷ってえらいことに(^^;

  
汗みどろになりながらようやく正しいルートを発見して登っていくと、
まだ辛うじて花の残るニシノヤマクワガタ(左)やら、ミズタビラコ(右)やらを発見。
そして、さらに汗まみれになりながら岩場を登り始めた時です。


いきなり目の前になんか怪しい植物を発見。え〜〜っと…
あ!これだ!これなんだ!
長年憧れ続けてきた、セッピコテンナンショウとの感涙の出会いでした。
長らく幻と言われ続け、一時は絶滅したとさえ言われたド貴重種。
ようやくお目通りがかなって、汗だくのまま涙ぐんだり。

  
さすがに時期が遅く、花(左)はしおれていましたが、紫色がかった花色、
そして、中央に筋の入った特徴的な模様の葉(右)。本当に感激至極です。
ちなみに、天文学的貴重種ということで、小さく可憐なイメージがありましたが、
実際はかなりがっしりした大型のテンナンショウ類でした。
来年は、花期もバッチリなころに、間違いなく再度ご挨拶に来ますんで、ヨロシクね♪

  
一息ついてあたりを見渡すと、メチャ小さなタゴガエル(左)を発見。
岩場にはコバノタツナミ(右)も見つかったりしましたが、ここらで完全にタイムアップ。
大慌てで一路調査場所へ急ぐことにしたのでした。

  
さて、やってきたのはいつもの湿地。網を借り、レクチャーを受けながら足元を見ると、
えらく真っ黒なベニシジミ(左)がいました。ちょっと色黒過ぎないかい?
湿地では、ナキイナゴ(右)がやたら多く、シュルシュルと鳴きまくっていました。

  
さて、調査開始前に手近なトコロにいたヒメヒカゲ(左)をバシバシ撮影。
撮ってると、ふいに開羽してくれた♂(右)もいました。ちょいボロだったけど。
そう、今から徹底的にマーキングしますから、その前に少し撮らないとネ(笑

  
湿地のアチコチに、花芽をゴッソリつけたシャシャンボ(左)があるのが印象的でした。
ショウジョウトンボ(右)も草間をフラフラと飛んだりして季節の進行を実感。
さて、ここからマーキング調査開始となるわけですが、
ウスイロの時もそうなんですが、採集経験のほとんどない私は、相変わらず
網を振っては空振りし、捕まえた個体をマーキングしようとしては逃げられの繰り返し(笑

  
汗まみれで走り回っていると、ふいにド新鮮なウラナミジャノメ(左)が登場。
しばし追いかけると、ぱっかりと開翅(右)も見せてくれましたが、角度が悪いぞ〜。

  
さて、第一部が終了し、しばしの休憩に。うろうろすると、湿地の中には
ヤマサギソウ(左)やらネジバナ(右)やらといった花が見つかります。

  
コモウセンゴケ類(左)は、色鮮やかな花をつけていたので、ドアップで1枚。
ちょっと面白かったのは斜面にあったオオタニシの殻(右)。とても自力で歩いて
これるような場所じゃないですが、どんな経緯でここに辿り着いたんだろう…

  
ノグサ(左)はあちこちに小群落が見つかりました。けっこうあるモンなんだ。
咲き残りのヒメハギ(右)なんかも見つかりました。

  
湿地の中には、この日も小さなカマキリ類幼虫(左)を発見。
地色がやたらと薄いし、これも多分ウスバカマキリなんだと思いますが…
ハルゼミ(右)はこの日はやたらと鳴いていて、比較的低い枝にとまっている個体も
数個体見れました。アップ撮影とまでは行かなかったのが残念!

ちなみに、このあと唖然とする出来事もありました。
湿地の入り口で調査メンバーが網やら調査道具やらを広げて昼飯を食ってたんですが
そのド真中を堂々と通って湿地方面に歩いていった方がいたんです。
ハイキングか登山かなのかな?と特段不思議にも思わなかったんですが、
しばらくしてからふと見ると、湿地の真ン中でやおらお散歩ネットを取り出して一振り。
ウッソ〜!と思いつつ、慌てて駆け寄って声をかけると
「あ、やっぱここはダメでしたか」と言って、そそくさと帰っていかれたのですが、
この場所は採集禁止の看板も出ている場所。ってか、調査メンバーを見た時点で
なんか気付く気もするし、お散歩ネットってあたりが微妙に確信犯的デスヨネ。
え〜、改めて採集自粛にご理解とご協力をよろしくお願いいたします!

  
というわけで、いろいろと物思いにふけりつつ、第2部開始。
満開のナツハゼ(左)があるのに気付いて驚いたりしつつ、相当にキツい日差しの中
汗だくで調査終了。ちなみに、こんな感じ(右)でマーキングしております。
調査結果についてはアレコレ書けないのですが、今回実感したのは、この蝶は
ものすごく捕まえやすいんですね。マーキング調査中に何度も再捕獲できちゃう個体が
かなりいました。つまり、それだけ乱獲に弱いということでもありますね(^^;

  
新鮮なウラナミジャノメが何度も登場して、ぱっかり開翅してくれたのは嬉しい限り☆
といったあたりで、マーキング調査は無事に終了。
その後は、他地域での生息状況を調査するために移動することに。

  
さて、歩きはじめると、早くも咲いているササユリ(左)を発見。
笹野は裏にずらっと並べられたドロバチ類の巣(右)もありました。お見事。

  
小さな湿地では、ノグサ(左)や、コモウセンゴケ類(右)もポツポツと見れましたが、
ヒメヒカゲの見られた場所はごく限られており、やはり生息場所の好みがうるさい蝶だと
実感します。こんな蝶の産地が点在する播磨地方はスゴい場所なんですよね。

  
フワッとフタスジサナエ(左)が飛んだり、ウラギンシジミ(右)が舞い降りたり、
ささやかな出会いはけっこう続いて、少しハードでしたが楽しい時間でした。
そして調査終了後、S氏に面白いポイントへご案内いただくことに。

  
すでに時間帯も遅く期待薄な雰囲気でしたが、ウロウロしていると、S氏が
産卵中のサトキマダラヒカゲ(左)を発見。えらくじっ〜としているので、なんでだろう?
と近づいたら飛ばれてしまいましたが、その後にはなんと11卵の卵塊(右)が
残っていました。こんな風にまとめて産むモンなんですね〜

  
実はこの場所は、ウラゴマダラシジミ(左)の多い場所だったのですが、さすがに
この時点で日も暮れなずむ頃だったので、この1枚が撮れただけ。
でもいぼたも多くて面白い環境でした。来年はいい時期に再訪しよっと!
そう思いながら帰ろうとすると、道端に小さなブドウスズメの幼虫(右)も見つかったり、
最後までいろいろと楽しめた一日だったのでした☆

というわけで、汗だくハードでしたが、楽しき一日でした。
久しぶりのマーキング調査は大変でしたが、これで個体数等の把握ができ、
また今回遭遇したような密採集者の防止になるなら嬉しい限りです。
ちなみにこれで、我が人生の中でネットインした蝶としては、
90%がウスイロヒョウモンモドキ、10%がヒメヒカゲになったかな(笑)?
いやはや、我ながら貴重な経験をさせていただいているものですネ。
そして、毎度ながらしみじみ思うのが我が播磨地方の底力。
この超貴重な蝶が舞う湿地があり、そこには当然のようにたくさんの
楽しい出会いが満載なんですから、やっぱイイトコに住んだもんだ。
朝一の憧れのセッピコテンナンショウも嬉しかったしね♪
これからもあちこち力一杯走り回りたいと思います☆
最後に、今回もシツコイですがお願いを。
この貴重な蝶が飛び回る湿地はやはり数を減らしており、ごく少数が
見られるだけの孤立した生息地も多くなっています。
そして、その中には明らかに採集圧で姿を消した場所もあるのは事実。
今回お会いした御仁もそうですが、この蝶の魅力にとりつかれて
なんとかして採ろうとする方の気持ちもわからんでもないですが、このままでは
この可憐な蝶に会えなくなる、そんな分岐点に来ていると思います。
是非とも、ヒメヒカゲの採集自粛にご協力下さい。
蝶屋の皆さんの温かいご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。


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