<2>広島県北部某所 続き |
さて、思いついてさらにグンと移動してみると、面白そうな看板を発見。
歩いてみると、アマナ(左)が咲くような林縁に、いきなり出現したのは一面に咲き誇る
ミチノクフクジュソウ(右)なんです。うわぁ、スケールでかい!
この場所の噂は前々から聞いていたんですが、仮にもフクジュソウ類ですから
もうとっくに時期ハズレだと思っていました。案外遅くまで咲いているもんなんですねぇ。
というわけで、しばらくウハウハ言いながらバシバシと撮影しまくったのでした。
よく見ると、その中にはこっそりヤマエンゴサク(右)も混じっていたりして。
さらに少し移動してやってきたのはギフチョウの産地。
歩き始めると、初手から道端にオオシモフリスズメ(左)を発見!
車に引っ掛けられたのか、羽がボロボロになった個体でしたが、最近縁があるな。
んで、歩いていくと道端に、センボンヤリ(右)なんかも次々登場。
超大満開に咲いている、ナガバノモミジイチゴ(左)なんかも見事でした。
しかし、この頃から急に雲が広がってきて、不穏な天気。
そして、ミヤコアオイ(右)はあれどもギフチョウは姿を表しません。むむむ。
すごいなぁと思ったのは、岩の上に散らばったタムシバの花びら(左)。
まだまだいい感じに咲いている花(右)もありましたが、壮絶な光景だなぁ。
なんだか面白そうな花をつけた樹(左)もありました。なにもの?
そうこうするうちに、ようやくギフチョウ(右)が登場しましたが、なんかボロッボロ。
しかもこの1枚撮っただけで飛んで消えやがるし…
そうブツブツ言っていると、空の方からドンガラガッシャンと派手な音。え?ヤバイ?
そう思って慌てて車に引き上げると、バサッと雨が降り始めたんです。
この日の予報は「雲も出ますが崩れることはないでしょう」だったハズなのに〜!
しばらく待てど雨のやむ雰囲気はないので、思い切ってさらにグンと
場所を変更してみることにしたのでした。
んで、やって来たのは昨年も来た石灰岩地帯。ここはなぜかまだ雨降ってませんでした。
んで、歩きはじめると初手から目に入ったのは、大満開のチョウジザクラ。
え、こいつがこんなに咲いているってことは、今年は季節が早いかと思ったけど
そうでもないってことなのかな?それとも山沿いだけ季節が送れて格差が出来てるのか?
悩みながら歩くと、お次に次々と出現したのは、ヤマトレンギョウ(左)。
こちらもまだ花付きがいい株が多数で、それも近くに咲いているもんだから
花のアップ(右)も楽々撮れちゃいました。
しかし、例年だとこの手の花を見るには、帝釈峡で雄橋あたりまで延々と
歩いて、崖の上の花をムリヤリ撮ってたんだから、それに比べると、歩いて数分で
こんなドアップが撮れるこの場所は条件よすぎです。来てみてよかった〜♪
そんなこと言ってると、大満開のイワシデにも会えました。
赤く色づいていてこれまた見事な感じ。稀産種なんですが、ここでは優占種でした。
さらに、まだつぼみでしたが、チョウジガマズミもいくらでも見つかりました。
いつも思うけど、この花は、花そのものよりつぼみの方がかわいいですよね〜。
立派な実をつけているチョウセンヒメツゲ(左)もありました。本当に面白い場所だ。
ちょっとピンぼけになりましたが、シュンラン(右)も早くも咲いていました。
さらに驚いたのは、そのあたりにあるスミレ類の大部分が
こちらのイブキスミレだったんですよね。あきらかに優占種でした。
タチツボスミレの方が遠慮がちでしたから…こんなこともあるんだね。
よくみると、頑張って吸蜜?中のクロオオアリ(左)がいました。こんな光景はじめて見たぞ。
近くには、ヒナスミレ(右)なんかもありました。もうちょっと粘れば、もっと珍品のスミレも
探せたかなぁと、あとで少しだけ後悔してみたりとか。
さらに歩いていくと、ビックリは続きます。かなりの花をつけたケスハマソウが
あちこちにあったんです。いやはや見事。本当に眼福ですなぁ。
カタクリ(左)もありましたし、シロバナハナネコノメ(右)もあちこちに群生してたり、
もう夕暮れ時なのに、ギュッと濃密な時間に本当に嬉しくなります。
トリガタハンショウヅル(左)もありましたが、こちらはまだつぼみでした。
そして、そのあたりにはタイシャククロウメモドキ(右)もけっこうあるんです。
もうかなり葉が展開してんだなぁ、と思いながらしばらくぼんやり観察。
すると、なんか怪しい食跡があったので、にわかにじっくり見てみると、
なんかシャクガ系の幼虫(左)でした。人騒がせな。
でも、よく見ると近くに、スジボソヤマキチョウの卵(右)を発見。ほほぅ。
そうなると、こいつの弱齢幼虫もいるかもしれんなぁ。
そう思いながら、何箇所かの枝先をチョコチョコと覗き込んでみると……
ん?
あ!なんかいる!シジミチョウ系の幼虫だ!
予想外の展開に心臓バクバク。手がブルブル震えて写真撮れないくらい(笑
ドアップ撮影してみると……う〜ん、まだ弱齢すぎてよくわかりませんが、
どうやらベニモンカラスシジミの幼虫であっていそうな雰囲気。
でもこのあたりだと場所的にミヤマカラスシジミも有り得るんで断言はできませんが、
きっとそうだと思う!そうだといいな〜!
そう願いつつ、連れ帰りましたので、結果はまたアップしていきたいと思います☆
んで、そうこうするうちに日も沈んだので、この日も春蛾探求を続けることに。
しかし、クロフオオエダシャク(左)が出現したくらいで、やっぱりこの日も成果なし。
冬毛が綺麗なテンの轢死体(右)をみたあたりで、この日の挑戦も終了としたのでした。
というわけで、当初の予定からは大きくズレましたが、
かなりのところ楽しめた一日でした。
最初の目的の「鯢探求」は、大本命のブチサンショウウオこそ出たものの
成果僅少で寂しかったのですが、オマケは豊富すぎ。
特に最後のベニモンっぽい幼虫は、さほど期待してなかっただけに
本気で小躍りし、雄叫びを上げ、走り回っちゃいましたよ(笑
もしミヤマカラスだとしても嬉しいのは変わりないし、本当にラッキ〜!
さらに石灰岩性の春植物の豊産もビックリでした。
あのあたりを見ようと思ったら、今までは半日コースでしたが、
今回は全部まとめて半時間で見れましたからスゴい。
季節を変えてまた来て見なきゃですね。
その時には、もうちょっと研究を重ねて、「鯢探求」の方ももう少し
成果を上げるべく頑張らねばなりませぬ。
通の方によると、探求にはバールを持ち歩いて、大石をひっくり返して
歩くのがよいんだそうですが……どこかで買おうかな。
でも気をつけなきゃ、「凶器保持の不審人物」としてしょっ引かれちゃいますね(笑