海雀に逢いに〜鳥屋的強攻旅〜 09.3/29
この日は、前々から楽しみにしていたトライアル。
九州南部まで日帰り特攻して某鳥に挑戦しよう企画です!
今回は愛車入院中に付き、U氏の車に乗せていただくことになったので
ラクチン旅という申し訳ない程の条件つき。
さらに前夜に車に乗り込むと、車中にはスゴ腕級の鳥屋さんばかりがゾロリと
勢揃いされていて、スタート前からワクワクしてみたり(笑
気合充分に特攻すると、予想外の寒波に泣かされましたが、天候も何とかもってくれて、
目的の鳥も続々登場。凄腕鳥屋さん達のスゴすぎる会話も堪能できる、
非常に楽しいトライアルとなったのでした♪
<1>宮崎県某所 |
というわけで、夜中突っ走っていただいて到着したのはとある山裾。
まだ薄暗い中歩き初めると、すでに大満開のヤマザクラ(左)やら、みっしり花芽をつけた
タブノキ(右)なんかが目につきますが、寒い!予想以上にひたすら寒い!
早くもかなり花盛りな雰囲気のウマノアシガタ(左)もあちこちにありました。
大満開のハマダイコン(右)もあって、気温を除けば春だなという雰囲気。
今を盛りとばかりに咲き誇っているタツナミソウもありました。
これまた見事な群落で、ドン曇で薄暗いのがちょいともったいないくらいです。
うろうろすると、海辺に近い場所だったからか、ハクサンボクがありました。
手近な株(左)はまだ咲き始め、満開の株(右)は高い位地と撮りにくい条件でしたが
なにげに撮るのはかなり久しぶりなのでちょっと嬉しかったり。
結構驚いたのは、アチコチに大群落があったヤブチョロギ(左)。
九州じゃ段々普通種になりつつあるような気がしますが、気のせいかしらん?
あと、面白かったのは、道端にあったノイチゴ類(右)。花が下向きって
あまり見ないなと思ってなにげなく数枚だけ撮りましたが、
後で調べると、これはハチジョウイチゴなんですね。もっときちんと撮ればよかった…
早くもノアザミ(左)も咲いていました。ちょっとゴツイ雰囲気の株だなぁ。
んで、近くにハマオモトがあったんで葉の間をまさぐるってみると、
アカマダラヨトウの幼虫と蛹の亡骸(右)が見つかりました。なんまいだぶ。
花芽を伸ばしたフウトウカズラ(左)もいくつも発見。草むらの中には
立派なムサシアブミ(右)もいくつもみつかりました。
しかし、噂の某珍鳥は出現せず。手強いという噂だったけど、本当だなぁ…
なぐさめるように手近に何度も出現してくれたのはかわいらしいホオジロ。
あとはアカハラとかシロハラが出たくらいで、狙いの鳥は最後まで出現せずでした。
ま、これはある程度予想していたこと、ということで次の本命へ移動することに。
道中、車のすぐ側に出現したのは、明らかに足の黄色っぽいセグロカモメ類。
背中も濃いし、これはホイグリンカモメでしょう。
でも、足が薄いし、taimyrensisになるのかな?などと議論してみたり。
んで、お次にやって来たのはとある漁港。
ウロウロすると、キジバト(左)がコチラを睨んでいたり、木陰でチョロチョロと
シロハラ(右)が隠れていたりします。
よく見ると、そこここにウマゴヤシ(左)があったのも面白い発見。
そうするうちに何度も頭上をセグロカモメ(左)が舞って、ちょっとワクワクがつのります。
海中を覗き込むと、なんかおもしろげなイソギンチャク類(左)が着生していました。
ミズクラゲ(右)もフワフワしていたりして、いい雰囲気。
やがて、手配していただいていた漁船が到着。イソイソと皆で乗り込みます。
えんやこらとばかり港の外に繰り出すと、いました!
憧れのカンムリウミスズメです!
それもうれしいことに結構な個体数がいるんです。
喜び勇んでデジカメを向けますが、ちょっと波が荒かったので、船は揺れるし、
本人達も波間に浮き沈みするし、撮影は本当に四苦八苦。
さらに、船も相手もグングン動いているわけで…(^^;
ほとんどが2羽のカップル(?)だったのですが、時折4羽くらいの小群にも
逢うことが出来て、嬉しさのあまりツイストを踊りそうになりました♪
その後も出会いは何度も続くので、もうひたすらバシバシと数百枚以上撮りまくり
ましたが、なんせ揺れるもので全体の半分は被写体がフレームアウトしている状態で、
残りの半分はどピンぼけ。辛うじて撮れたショットは極僅か(>_<)
それでも、今回は幸運にも非常に出会いが多かったので、
歩留まりは悪いものの、いくつかは満足できるショットも撮れたのが嬉しい限り。
もちろんバッチリ、ではなく、私の腕から見れば合格点というレベルですが(笑
時折、うれしいことに船の真横といいたい距離まで来る個体もいるのですが、
船は進んでいるし、本人達も泳いでるしで出会いは一瞬。
このときほど自分のオンボロデジカメの性能を呪ったことはありませぬ。
ピントスピードが遅い、迷う、裏ピンするの3台欠点のある我が愛機なのですが、
こんな一瞬のすれ違いは飛翔写真見たいなモンですから、土台撮れるはずがなし。
後で見ると、辛うじて近かったのはこの2枚だけでした。
この日は何度も羽ばたきも披露してくれ、その度に凄腕鳥屋さん達のカメラがキラめき
バシバシバシッとシャッター音が鳴り響きます。
ワタシも頑張って挑戦しましたが、連射スピードも遅いし、撮れたのはこんな程度。
何度かすぐ近くから飛び立ってくれたこともありましたが、こちらも
何度も頑張って辛うじてピンぼけが撮れていただけでした。
それでも、私の腕でこれだけのものが撮れたのは、ラッキーという感じですけど☆
そして、圧巻は最後に登場した10羽の群れ!
唖然呆然、大興奮でした。
ちなみに、現地で聞いた話だと、どうやら群れているのは冠羽が短いのが
多くて幼鳥なのではということ。へ〜、そうなんですねぇ。
そんなこんなで、大興奮のうちにトライアル終了。
案内してくれた方が「こんなに多かったのは過去に記憶がないです」と
おっしゃるほど、素晴らしい状況でした。大満足です!
その後、ちょっと移動して、なぜかフェリーに乗ってみることに。
すると、ちょっと遠かったのですが、カツオドリの小群にも出会えました。
このあたりだとカツオドリって結構多いんですね〜。
その後も、何箇所かうろうろしましたが、キジ♂(左)が近くに出たのと、
早くも夏羽のノビタキ(右)に逢えたのが嬉しい成果だったくらいでオマケはあまりなし。
しかし、この道中、ほとほと感嘆したのがスゴ腕鳥屋さん達の会話。
「ここらへんは○○が出たときに来たよな、そこの角に◇◇があるから曲がって…」
「この先は○○の時に何度か来たなぁ。そういえば○○が出た時もあったよな」
などという話がローカルな地名付きでポンポン出るんです。
その後の帰路でも、日本各地(離島含む)のマニアックな情報、鳥屋世界の裏話等々
ディープな話題の連続に、驚き呆れつつの帰路となりました。
というわけで、メチャクチャに楽しい一日でした。
なんといっても、憧れのカンムリウミスズメを堪能しまくれたんですから!
それも、総計で40羽以上は見たと思うくらいの豊作ぶり。
波と腕と機材のせいでいいショットは撮れませんでしたが、それでも充分満足でした♪
いやはや、本当に日帰り特攻した甲斐があったというものです。
そして、 鳥方面の成果も嬉しかったですが、なによりも凄腕鳥屋さん達の
有り得ない会話を堪能できたのが一番の成果かも。
道中通りかかった九州の各地だけではなく、北海道だろうが、沖縄だろうが、
はては西表島やら宮古島やらといったあたりまで
「○○って地名の場所があるけどそこが▽▽のポイントで、過去には◇◇も出てて」
ということ細かすぎる詳細情報が飛び交い、なおかつそこに出てくる
知名なんかは当然の知識といった感じでみんなが理解してるんですから、
本当に感嘆しました。わたしゃ、まだまだ修行が足りんなぁ。
このディープ過ぎる会話を聞けただけでも言った甲斐があったかもしれませぬ♪
そして、なによりも、ひたすら運転していただいたUさん、ありがとうございました☆
まる24時間以上活動しっぱなし運転しっぱなしのパワーには心底感嘆しました。
今後またご一緒する時は、次は私が運転させていただきますんで、ヨロシクお願いします!