予想外な日〜地元ヤゴ捕り案内〜 09.3/26
この日は、予想外の展開となった一日でした。
そもそも、勤務時間の調整でどこかに休日をツッコまなきゃいけなくなったのがコトの発端。
でも週末に足して3連休にしようにも間が悪くどこも予定があるし……
しょうがないから、ハンパだけど週の真中くらいで、とテキトーに決めたのがこの日。
しかし、上司に申請した数時間後、O氏から
「26日にそちら方面まで出張するので空き時間でヤゴ捕りに行きたいんだけど
いい場所を教えて」「……ちょうどその日に休日ツッ込んだとこですが」
というわけで、予定外に地元ヤゴ捕り案内が決定(笑
そして、実際にご案内してみると、これがまた「そう来たか」
といいたくなる”予想外”がテンコモリの面白い一日となったのでした☆
<1>たつの市周辺 |
O氏との待ち合わせ前に、ちょっと気になっていたことがあったので
寄り道をして1週間前にも歩いたクリ林へ。
すると、ここんトコの激しい寒の戻りのせいで、予想外のきれいな光景が…
霜に封じ込められたヒメオドリコソウ(左)や、オオイヌノフグリ(右)。
な〜んだか、幻想的な光景じゃないですか?
おいおい大丈夫か、と聞きたくなるほどミッチリ霜の降りたコスミレ(左)も発見。
まだ固いつぼみでしたが、アマナ(右)もありました。
大きな花芽をつけたイチリンソウ(左)も、ユキワリイチゲ(右)も、
すっかり霜の中。寒いよな、ここんとこちょっとな、などと思わず語りかけたり。
んで、ミノコバイモもやっぱり霜に覆われていました。
日が差し始めていたので、かなりマシな風情ではありましたが、ちょいと
くたびれた風合いになっているのは間違いなし。
それでも今日も大満開に咲いている群落(左)を見ていると、その中に
霜をかぶった怪しい葉(右)を発見。う〜ん、これは間違いなさそうだぞ。
と思っていたら、小さな花が咲いていました。間違いない、憧れのヒメニラです!
予想以上に小さな花。そしてアンバランスな程に立派な葉。
恥ずかしながら、前回探しても見つからないなぁと思っていたんですが、
その後で図鑑をじっくり見ていると、想像していたものと結構ギャップがあったことに
気付き、「そういえばそれっぽいのがあった?」ということで探しに来たのですが、
見事にビンゴ。嬉しいような、情けないような、ですね(^^;
んで、その後O氏と合流して、まずは第一目的の山の方へ。
沖縄ヤゴ捕りツアーを敢行して30種くらい捕ってきたという氏の自慢話を
聞きつつ、車(愛車入院中につき借りてきた代車)を走らせていると、
時折バラバラッと大粒の雨。ありゃ、こいつは予想外。
「山の方に行ったら雪で走れなかったらどうします?」「もう春だからそりゃないっショ」
などと軽口を叩きつつ、山道をえっさほ登っていったのですが…
現地に着いたら吹雪きでした!
チョイ待て、もう3月も末やぞ!下界では桜が満開やぞ!わかっとんのか!
驚き呆れましたが、帰宅後調べるとこのあたり標高1000m近いのね(^^;
というわけで、予想外のクソ寒さにブルブル震えながらトライすることに。
水辺では、エゾスズ?というコオロギ類の幼虫(左)が何匹も見れたのがビックリでした。
調べてみると、こいつら幼虫越冬なんですね。知らなかったな〜。
んで、肝心のヤゴはというと、網を入れるとさっそく入ったのはオニヤンマ(右)。
そして、浅い水路で予想外に簡単に目的のヤゴが捕れました。
産地限定のヒラサナエです。とりあえず第一目標撃破に安堵。
しかし、昨年捕りに来た時は結構苦労したんですが、どうやらかなり浅い水路が
お好みのようで、今回はすんなり大量に捕れました。よかったよかった。
ついでに、かなりミニサイズの弱齢でしたが、ルリボシヤンマらしきヤゴ(左)もGET。
シオヤトンボ(右)も大量に捕れました。さらにもうちょっと挑戦しようか、とも思いましたが、
あまりにも寒いので、早々に引き上げることに。なんせ吹雪いてましたからネ。
んで、下界に戻って地元方面まで帰ってくると晴れてるんだから世の中面白いものです。
んで、お次にやって来たのはご近所の某川。網を入れ始めると、さっそく
ツチガエル(左)が入ったりします。ゴメン、起こしちゃったかな?
ここで驚いたのは、川辺ギリギリにあったカヤネズミの巣(右)。
こんな場所にもあるんだネェ、などといいながら撮影後、キレイだし持って帰るか、
と思いながら草の間から外して中をまさぐると……なんか動いてる!
えええぇぇ〜〜〜〜〜〜!?
なんと、巣の中には、カヤネズミの子どもが2匹いたんです。
いや、オマエら繁殖期は春じゃないのか?ってか、冬は越冬してるはずだよな?
と思いつつ、大慌てで巣をもとの場所に戻しましたが、これはマジで予想外。
ってか、よく考えたらカヤネズミの巣って、草の間に編み込むように作られているもの
だと思いますが、今回の巣はポンと草の間に置かれたかのような状態でしたし、
(上の写真の時点で撮影用に全面の草を外したわけではなく、そのままの状態)
そもそも流れの直上の位置で、高さもたかだか30cm程度ですから
ちょっとした増水で一発アウトな条件だし、謎だらけ。
…この巣については、機会があれば追跡調査をしてみたいと思っています♪
さて、肝心のヤゴ捕りの方はというと、この場所はやはり面白い場所で
各種サナエ類がワサワサ捕れるんです。というわけで、まずは
オジロサナエ(左)と、ダビドサナエ(右)といったあたりから。
#オナガサナエの書き間違えでした。Oさん、ご指摘サンキュ!
嬉しかったのは、何匹か捕れたミヤマサナエ(左)。ちなみに、驚いたのはコイツら
極端に薄っぺらいんです。最初は死んでると思ってたくらい腹部なんてペチャンコ。
んで、O氏のリクエストの1つ、タベサナエ(右)も捕れて一安堵。
しかし、絶対確実と思っていたもう1種類のヤゴが捕れないんです。多産地なのに、なんで?
そのかわり、かなりビックリした成果もありました。
ワサワサと捕れたのは……なんとキイロサナエじゃないですか!
この場所で捕れるとは思っていなかったのでかなりビックリでした。
そもそも、実家に戻った後、キイロサナエ探索(成虫)で最初に目をつけて何度か
挑戦していたのはこの場所なんですが…でも考えてみたらその頃は、
地元には胸横の線が切れない個体が多いなんてコトは知りませんでしたから、
気付けなかったのかもしれません。今夏に再挑戦しなくちゃ!
あと、地味なあたりではヒラタドロムシ類(左)も捕れましたし、
砂地ではモンカゲロウ類(右)も多数GET。あいかわらずカワイイ感じ☆
その後、ようやくO氏が狙いのヤゴをGET。グンバイトンボ(左)です。
でも、かなり粘ったのにこの場所ではこの1匹のみ。初夏には成虫はものすごい数が
ブンブン飛んでいる場所なんですよ。これはなんで?
ある意味今回一番の「予想外」はこれでした。5分で大量に捕れると思ってたのに…
近くでは、ゲンジボタルの幼虫(右)も捕れました。
さらにこれまた予想外だったのが、O氏の捕ったエゾトンボ類。
こんな場所だし、タカネトンボの流出個体だろう、ということで特に疑問も持って
なかったのですが、後で調べると末節の背棘がきっちり立っているんです…
そうなると、これ、ハネビロエゾトンボじゃん!
というわけで、これまたこの場所で会えるとは思っていなかったので仰天。
ちなみに、地元町内では初記録となるんですよ〜!
最後に、止水性のサナエを狙え、ということで近所のため池に行きましたが、
ちょうど水位を上げたところのようで深すぎてヤゴはロクに捕れず…
いくらでもといった感じで網に入ったギンブナ(左)と、久々に見る立派なコフキトンボ(右)が
印象的でしたが、その後転戦した沢でもそれ以上の成果はなく、
なんか中途半端なまま、タイムアップ。大急ぎでO氏を駅まで送り届けたのでした。
う〜ん、出だしはよかったんだけど、最後はなんか知りきれトンボでスイマセン…
#後日、トラフトンボが羽化して驚きました。メッチャ意外(-_-;
オマケの紹介は、O氏が「オミヤゲ!」と持ってきてくれたオキナワサナエ(左)。
いつかは成虫にも会いに行きたいものです。
それと、成果物を持ち帰ったところ、いきなり目の前で羽化してくれたマダラカゲロウ類(右)。
こいつら水上でいきなり羽化するんですね。ちょっと目を放してたらいきなり
水面に何か浮いているんで本気でビビリました(^^;
というわけで、突発的地元ご案内でしたが、楽しい一日でした。
そうはいっても、初手の吹雪に始まって「なんでやねん」の多い日だったのも確か。
えと、Oさん、ハンパなご案内で、どもスンマセンした(^^;
とりあえず最大の「なんでやねん」はグンバイトンボがほとんど捕れなかったことですね。
夏には苦労せずとも数十匹の成虫が見れる場所なんですよ。
さらに、私は過去にもこの場所でヤゴ捕りしてますが、その時には普通に捕れた
記憶があるんですが、早春だといる場所が違うとか???
しかし、キイロサナエの多産とか、さらに予想外のハネビロエゾトンボとか、
地元ご案内のはずが、予想もしない出会いが続いたのもビックリでした。
まだまだ地元といえども理解しきれていないことが多いということなのかなぁ。
密かにこの場所は、勤務先から車だと3分なので、
いい時期になったら昼休みに日参して、サナエ系とかの羽化を狙おうと
今から虎視眈々と企んでいたりします。
Oさん、首尾よく成果があがったら、またご案内しますんで遊びに来てくださいね!