増水な湿地にて〜感涙の出会い〜 09.3/14

この日は、久々のまぁ〜ったくの無計画な1日。
そもそも天気予報的に相当どうしようもないというご宣託だったので期待して
なかったのですが、やはり朝目覚めて外を見るともンのすごい雨。
ここんとこカゼ気味だし、イマイチ気が乗らないなぁ…
でも、1箇所だけどうしても確認しておきたい場所があったので、ドシャ降りを
無視して特攻してみると目的の湿地は大増水して池になっていて二度ガックリ。
それでも一応来たんだから…と自分を鼓舞しながら頑張ってみると、
予想外にきっちりと、感涙の出会いとなったのでした。
午後からは晴れて遊べたし、やっぱりどんな天気でも突撃すべきですね(笑

<1>東播磨某所

  
というわけで、土砂降りの中やって来た湿地は大増中(左)。
本来はこの時期、水なんてホンの僅かにしか残っていないはずなのに…
それでもメゲずに傘差して入ると、あちこちに怪しい粉(右)が浮いてます。
なんかの花粉かな?と思ってると、これはイネ科植物の種子なんですねぇ。

  
よくみると、湿地にはコモウセンゴケ類の芽生(左)がけっこうありました。
いっきに増水したらしく、水上で困惑気味のナナホシテンツ(右)が印象的でした。

  
さて、気合を入れて網を振り回しますが、増水している池で水生昆虫を探そうという
試み自体がどだい無謀な話。しばらくはまぁったく何も捕れませんでしたが、
ようやく小さなハラビロトンボのヤゴ(左)をGET。やっぱここは本来湿地なのね。
ちょっと気になったのはセンブリ類の幼虫(右)が捕れたこと。ちょっといつもの
ネグロセンブリあたりとは違和感があったので持ち帰りましたが、帰路でだれかの
胃の腑におさまってしまったらしく…もう一度調べに行かなきゃなぁ。

そんなこんなで、成果が少なくて半べそになり始めた頃のことです。
枯れたサンカクイの群落があったので、なにげなく下を蹴っ飛ばしてみると……
なんか蛍光グリーンの頭した虫がふて腐れたように鎮座していました。


い、いた〜〜〜〜〜!
そうなんです、憧れのコバンムシとの感涙の初対面でした。
こいつに会うために、どのくらいアチコチで挑戦を重ねてきたことか…

  
しかし、現物を見ると予想以上にかわいらしい虫ですネェ。
なによりも、緑色だというのは知っていましたが、ここまで鮮やかな蛍光グリーン
だとは思いませんでした。丸っこい体系だし、本当にキュ〜トだこと♪

  
その後、しばらく粘るともう1匹捕れたので、水に入れての撮影にも挑戦しましたが、
これがえらいこと素早い。止まらない。ひたすら潜る。泥にまで潜る。
よくありげな、水生植物に止まっているショットを狙ったのですが、結果は
普通に泥の上でじっとしてくれたときに数枚撮れただけ。愛想悪いなぁ…

  
その後、あちこち探るも追加は捕れず。
しかし、予想外のオマケが網に入りました。カスミサンショウウオです。
今年も何箇所か探しに行かなきゃと思っていたのに、こんなとこにいたとは!
いやしかし、こちらも何度見てもキュ〜トだねぇ。

  
さらに、驚いたことに卵塊も網に入っちゃいました。
すでに産卵してからかなり日がたった雰囲気でヘロヘロになっていましたが、
増水して濁りまくってなかったら、じっくり探せば結構卵もあるのかも…

  
ドアップ(左)で見ると卵塊の中でうごめく幼生がこれまたかわいらしいですね〜。
さらに別の場所では、鮮やかな婚姻色の出たイモリ(右)も発見しました。

  
ちょいと場所を移動すると、いい雰囲気に大満開のヤシャブシ(左)を発見。
これはオオバ〜がつかないほうかなぁと思いましたが、いまいち自信なし(^^;
湿地の脇では、ヒサカキ(右)も結構花盛りになっていました。

  
シロネ類の枯穂(左)も結構ありましたが、なかなかいい造詣ですよね。
早くも花芽をつけたショウジョウバカマ(右)も見つかりました。

  
さて、ここでも湿地をのぞきますが、増水がすごかったからなのか、アカガエル類の卵塊(左)は
泥まみれ。孵化が始まった卵(右)なんかなんだかすごい状況だぞ(^^;
というわけで、ここでもしばらくいろいろ探しては見たものの、条件が悪すぎて
何も見つからずでした。泥の下にこっそり隠れていたのかもしないけどねぇ。

<2>大阪周辺某所

  
その後、なんか予報を裏切っていきなりかなり晴れてきたので、一気に移動して
一番気になっていた鳥情報を確認することにしました。
というわけで、やってきたのは某河川敷。
教わっていたポイントに行くと、さっそく目的の鳥を発見!トラフズクです。
今年は何度か探しに行っては空降っていたので嬉しい出逢いだったのですが、
これがなんせヤブヤブの奥に潜りこんでいて写真の撮りようがない…
おまけに4羽という噂だったのに、1羽しかいないんです。なんでじゃ?
後で聞くと、ヤブの中だからと特攻して写真撮ったバカがいたからだそうで(^^;

  
しばらく頑張るもどうしようもなく、そのうちにわか雨まで降ってきたので、
明日に期待することにしてさらにちょいと移動。
何も考えずにフラフラとやってきたのは、これまた何度目じゃというツッコミの
聞こえてきそうな、ノハラツグミ。
だって、次に会えるチャンスはいつかわからんしネ〜。
すでに薄暗くなり始めた頃に到着すると、早々にいい場所に登場してくれてして
バシバシ撮影。後で聞くと、朝から藪の中だったのがようやく表に
出てきてくれたというジャストタイミングだったそうで(笑

  
しばらく草地の中をうろうろしていたかと思うと、何回かえらく見晴らしのいい場所にも
とまってくれて、一同大興奮。しかし、幸運な時間というのはそんなに続くわけもなく
彼はまたツイと藪の中に飛んで消えてしまったのでした。

  
水路に出てきたカワセミ(左)なんか見たりしつつ、待っていると、いつの間にか草地で
チョロチョロしていたノハラ君はヒョイと枝に飛び乗って(右)くれました。
ちょっとあまりにもゴチャゴチャな中だったけど…
その後、ノハラ君は再び草地の中に潜って消えたので、どうせだからと日没まで粘り、
ご一緒していた鳥屋サンとにぎやかな会話を楽しんだのでした♪

というわけで、土砂降り突撃からスタートしたわりには
あれこれと楽しく過ごせた一日でした。
特に、長年追い求めたコバンムシとの出会いは本当に感涙もの!
探し始めた頃はなんで見つからないのかなぁと不思議に思っていたんですが、
コイツは現在、ものすごい勢いで生息地が狭まっているんですね。
いつまでもこの場所で暮らし続けてくれることを祈っております。
ちなみに、今回見つけたのは実は最初に探し始めた頃に探求していた場所だった
というのはちょいと情けない顛末。探しきれていなかっただけなんだなぁ…。
ついでに捕れたカスミサンショウウオやセンブリ類も気になりますし、
今後もしばらくはこのあたりの湿地や池をあれこれ探求することになりそうです。
それにしても、恐るべし、東播磨の水辺環境、ってとこですね☆


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