イキナリ関東A〜ルーミス祭りじゃ!〜 09.3/7
この日は、今回一番楽しみにしていた一日。
そう、房総のルーミスに再挑戦という予定なのです。
前回の大敗を考えると、再挑戦は無謀すぎはするのですが、それでもやはり
オトコとしては、幾度でも挑みたくなることというのはあるものです。
しかし、今回はズルッこくも、現地の越冬個体を継続観察されている
「フィールドノート」のTheclaさんにご案内をムリヤリお願いしての突撃なのです。
なんといっても玄人の探す視点を是非勉強してみたかったもので…
しかし、ご存知の通り天気予報では数日前まで雨の予報(^^;
こりゃダメか、と思っていましたが「晴れオトコなんで」というtheclaさんのお言葉通り、
予報は雨→曇り→晴れとグングン変化。さすがの神通力ですね♪
そして、期待に打ち震えての突撃の結果は…ま、表題で分かりますかね☆
<1>房総半島南部 |
というわけで、早朝に来訪したのは、房総半島某所の海辺。朝焼けの中、チュウヒ(左)が
遠くを舞うような葦原で、そこらの倒木なんかを順番にひっくり返していくと、
次々に登場するのは、ゴキブリ類の幼虫(右)。えと、ウスヒラタゴキブリあたりかな?
そして、目星をつけていたあたりの倒木をひっくり返していくと、
予想外にもあっけなく、最初のリベンジが果たせました。キイロホソゴミムシです。
この場所は多産地と聞いていたので、見れてよかったよかった、という感じですが、
この一角では結構数は見れたものの、チョロチョロ歩きまくるので撮影は難航。
数ミリ大なんで、静止してくれないと撮影なんて出来ないよ〜。
倒木の下からは、クロベンケイガニ(左)やら、アカテガニ(右)やらといった
あたりも結構見つかりました。みんなこんな場所で冬をしのいでいるんですね。
さらに場所を変えると、なんか面白そうな風合いのクモ(左)も発見。トタテグモ系?
カワザンショウガイ(右)なんかも結構ありましたが、その後も何箇所か
挑戦してみるものの、キイロホソゴミムシが見つかったのは最初の狭い範囲のみ。
なんか大きなザトウムシ類(左)もいました。こんな場所にもいるんですネェ。
思いっきり海側にまで足を伸ばしてみると、そこではハマベハサミムシ(右)を発見。
結局その後も追加個体は確認できませんでしたが、初手からの成果に
なんか幸先のよさを感じつつ、意気揚々と待ち合わせ場所に移動。
ちなみにこの時、昨日と同じように、カーナビ上にない高速道路に迷い込んでパニクり、
待ち合わせ時間に遅れてしまうというデジャビュ現象発生。そろそろデータ更新しなきゃ…
さて、theclaさんと合流すると、朝はかなり分厚かった雲も一気にどこかに消え、
かなりいい感じの青空が広がり始めます。うん、こりゃ、もしかして、もしかするんじゃん?
道端には、花芽を思い切り膨らませたキブシ(左)があったり、
すでに満開状態に近いアセビ(右)があったり、なんか春めいた雰囲気です。
んで、最初はtheclaさんと一緒に林縁のカシ類の葉上をじっくり観察するも見つからず、
次に林内に入って「ここはまだいると思いますよ」というポイントも空っぽ。
そりゃそうだよな、昨日はものすごい大豪雨だったし…
ということで、気弱なワタシは早くも諦めて、コリャ長期戦だ、と密かに気合を
入れ直したりしていたのですが、お次の場所でtheclaさんが力強く一言。
「あ、いたいた!まだいてくれました!」
息が詰まるかと思うほど大興奮しながら慌てて駆け寄ると、そこには、
一部が枯れたアラカシの葉上に、チョコンと鎮座したルーミスシジミが2匹。
ようやく出会えたという嬉しさで、若干涙ぐみそうに成りつつとりあえずバシバシ撮影☆
しかし、なんでこの場所なんだ?という疑問がすぐさま頭の中に去来します。
だって、なんてことない場所の葉の上。林の中とはいえ、雨が降れば直接濡れるでしょうし、
撮影中も常に強い風にフラフラ揺れつづけている状態。居心地よさそうにないけどナァ…
しばらくバシバシ撮っていると、フラッシュの光に反応したのか1匹が触覚を開きました。
グングンいい天気になってきているし、これはイケんじゃん?と、ワクワクドキドキ☆
しかし、しばらく待てども動きはありません(←当然ですが)。
ふたりとも飽きたので、交代で見張組と周辺探索組になって、周辺をウロつくと、
まず最初に目に入ったのは、大満開のオニシバリ。何度見ても見事です☆
うろうろしていると、目の前にヒョイと下りてきたのは、ムラサキシジミ(左)。
さらに歩いていると、いきなり葉上で開翅している蝶(右)がいたのでドキドキ
しましたが、こちらもやっぱりムラサキシジミなのでした。
結構期待したものの、ルーミスはtheclaさんが高くを飛ぶ個体を1個体見つけただけ。
こんな場所にも、ジャケツイバラの実(左)があるのがちょっと印象的でした。
林の中では、かわいらしい雰囲気のキノコ(右)も発見。なんか美味そう。
さて、theclaさんと交代して、いつまでも動かないルーミス君を見張ってると
薄く日が差したと思うと、前方の個体がスゥ〜ッと羽を開き始めたのです!
予想外の幸運に、頭の中は大パニック。
「て、theclaさ〜ん!開いた、開いた〜!」と絶叫しながらワタワタと撮影(^^;
しかし、ルーミスブルーの幸運は長くは続かず、結構短時間でスゥッと翅を綴じ、
しばらくすると、今度はくるりと対面型に変更(左)して、そのまま静止。
再度の幸運を期待しつつ、ドアップ(右)なんぞ撮って遊んでみたり。
でも、うれしいことに木漏れ日が差すたびに、上の個体が何度も開翅(左)を披露
してくれたんです。V字開翅ばかりでしたが、そのたび溢れるルーミスブルーに感涙。
表と裏が一緒に見えるショット(右)なんかも狙って撮影☆
しばらくして、再びしっかりした木漏れ日が差してきたと思うと、
再び先ほどの個体が翅を開いた……と思ったら、なんと下の個体も開翅!
予想外のW開翅です!
theclaさんとふたり、大騒ぎしながらバシバシ撮りますが、葉陰があって
コントラストが難しいし、強い風で葉はメチャクチャ揺れるし…
またとない大チャンスだったのに、撮れたのはこんなのばかり(−−;
その後、下の個体はそれっきり開翅しなかったのですが、上の個体は何度も
開翅してくれて、その度にtheclaさんと一緒に大騒ぎしながら撮影。
持参されていた脚立も交代で使わせていただきつつ、様々な角度から狙います。
しかし人間というのは贅沢なもので「1匹でも見れたら!」という心意気で
来ているくせに、開翅まで撮れたとなると「全開してくれないかなぁ」
などといい始めるのですから、我ながらなんとも欲深いものですな(笑
なかなか目新しいポーズがないので、顔のドアップ(左)なんか撮ってると、
上側の個体が急にくるりと回転してバサッと開翅(右)。おやぁ?
すると、彼は一気に飛び上がって、少し高い位置の葉上で全開開翅!
しかし幸運にも私はちょうど脚立上にいた上に、我がデジカメにはバリアングル液晶が
あるので、その利点を活かしつつバシバシ撮影。ちょっと露出オーバでしたが(^^;
慌ててtheclaさんに場所をお譲りした時には、彼は「ショータイムは終わりじゃ」と
言わんばかりにツイと飛んで、再び先ほどと同じ葉上に戻ったのでした。
…しかし、同じ場所に戻るということは、ここが条件のいい場所だってコトですよね?
林の中に、同じような位置の同じような雰囲気の葉はたくさんあるのに、どうして
ここに固執するのか、そもそも一度飛んだ後で、この同じ葉っぱがわかるのはなぜか。
さらに考えれば、そもそもこの時期日光浴して飛んだとして、どこで吸蜜等するのか。
いやぁ、謎は謎を呼びますねぇ。頭の中はハテナマークで一杯。
その後、ルーミス君たちは日光に直角な角度でしっかり固定(左)しちゃいました。
これは開翅する雰囲気は皆無だなぁ、ということで一度諦めて、他の個体がいないか
じっくり見て廻りますが、越冬個体はもちろん、上を飛ぶ個体も皆無。
やはりそんなには甘くないんだなぁということが痛感されました。
陽だまりに、のんびりと活動を開始していたビロードツリアブ(右)がちょっと印象的。
草地では、少しボロボロでしたが、ルリタテハ(左)がテリ張りしてました。
最後に、林の中に戻ると、先ほどのルーミスがやっぱり向かい合う形で休憩中。
「いつごろまで越冬態勢でいるんだか、気になるからまた来ちゃいそうですね」とtheclaさん。
地道な継続観察で、この謎多き蝶の生態をさらに解明されることを、応援しております☆
今回は、ご案内本当にありがとうございましたm(_ _)m
<2>舞岡公園 |
早めに引き上げて時間が余ったので、夕方に舞岡公園まで移動。
しかし、狙いの某大型シギはいずれも不在でした。最近ほとんど出てこないそうで…
タシギ(左)が出てきたり、オオアカハラ(右)がいたりと楽しめましたけど。
でも、あっという間に日が沈んだ直後に、賑やかにアリスイが鳴き交わして
くれて、ヤブの中でチョロチョロ(左)していたかと思うと、最後にヒョイと
目の前の枝(右)にも止まってくれて大興奮!
ショータイムは短かったけど、いい締めくくりとなりました♪
この夜は、昔のサークルの仲間で横浜で食事会となりました。
バリバリ仕事している人、学生やり直している人、新居を構えた人、いろんな近況話を聞きながら、
う〜ん、なんかワタシ一人だけ進歩がないぞ、と苦笑いしてみたりとか。
それでも皆さん全然変わらぬ雰囲気になんか妙にホッとする、楽しい時間でした。
強引かつ突発的な食事会でしたが、お付き合いただいた皆様、ありがとうございました♪
というわけで、とてつもなく幸せな一日でした。
あらためて、theclaさんには深く感謝申し上げますm(_ _)m
なんといっても、その神通力のおかげで、雨の予報から快晴になったので、
こんな「ルーミス祭り」な状態になったわけですし、
それ以前に 継続観察されている越冬個体がなければ今回も空振りだったわけで…
しかし、越冬個体が1個体でも見れれば!というつもりが、
開翅、W開翅、そして全開翅まで見れてしまうなんて、本気で感激です☆
本当に本当にありがとうございました!
今回の成果を生かして、次は和歌山で越冬個体を探してみよう、
なんて今から無謀なことを考えたりもしていますが、なんといっても聖地房総でも
こんな気温の上がった日に、この越冬個体以外はほとんど見れなかった
わけで、難易度は相当高そうですね〜(^^;
ま、夢は大きくてナンボだし、なんて思いつつ…こんなあたりが進歩して証拠か(笑
ま、世間様的進歩がなくても、ピーターパンシンドロームでも、
こんなステキな生活は当分やめられそうにもありません。笑っとこ。あはは。