関東徒労旅@〜ムダ晴れの房総〜 09.2/10

この日はなぜかしら、いきなり関東におりました。
というのは出張ついでの休日に、有休を1日ツッコんでみたという理由。
目的は、恐れ多くも房総のルーミス様!
友人が越冬個体を見つけていたので、頑張れば今回こそは愉快な1日になるハズ
と気合を入れまくって計画したのですが、直前までの天気予報では悪天候。
あはは、またこの展開かぁと思っていたのですが、いざ現地についてみると
小春日和が裸足で逃げ出すほどの大快晴になったのです!神様ありがとう!
……とイキオイはよかったのですが、結末はタイトルの通り。トホホ(^^;

<1>舞岡公園

  
というわけで、早朝にレンタカーを借りて最初に来たのは、日の出前の舞岡公園。
雄大な夜明けを眺めつつ、厳寒の園路を歩いていくと、ベニバナマンサク(右)なんぞ発見。

  
ちょっと遠すぎたのですが、タイワンリス(左)が何度もウロチョロしていました。
そして、その被害にあったらしい樹木(右)も発見。樹皮がばっさりやられてますね。

  
さて、さっそくいつもの場所に到着すると、すでに常連さんらしい方がいらっしゃって
いました。お話しながらうろうろしていると、まず姿を現したのは
オオアカハラ(左)。クソ暗い中、それでも根性でデジスコやってみると、
SS1/2秒とかだったけど、なんとか証拠写真程度には撮影成功!
んで、しばらくすると、ようやく日が差し込み始めたな、と思うと同時にけたたましい声。
見るとアリスイ(右)が近くにいたので、大慌てでデジスコを振り回しますが、
なんかえらいことぼんやりとしか撮れないんです。なんでじゃ?
…と焦りに焦っている間に彼はツイと飛び去りやがりました。
その後、しばらくしてようやく理由が判明。大雨の後で一気に晴れたもので、
地面から大量の水蒸気が湧き上がって、スコープのレンズが真っ白に曇ってたんです。
それも、ぬぐってもぬぐっても数秒で復活して全然取れない。うわ、これどうにもならんジャン。

  
というわけで、えらく至近距離に出てくれた大サービスなコジュケイも、
なんだかぼんやり風味にしか撮れなかったのでした。
ちなみにこの後、林の中に再度アリスイが登場するも、デジスコで追っかけてる間に
レンズが真っ白になるんで、こちらは本当に1枚も撮れずじまい。とほほ。

  
至近距離に出現してくれたタシギ(左)も同様でした。こりゃあかんネ。
さて、目的のヤマシギはというとこの時点ではまだ未登場。
「最近ちょっと愛想が悪くなったみたいでネェ」という常連さん達の声にガッカリ
しながら手近なアオジ(右)なんぞ撮ってみますが、水蒸気の魔術はなかなか去りません。
そして、そうこうしているうちに、常連さん達が
「あ〜〜!ポイントのトコを猫が歩きやがった〜!こりゃ出るのは夕方だな」
マジッすか〜。今回これは主目的じゃないし、こりゃギブアップだな(^^;

  
そう思いながら、歩きはじめると、目の前にかわいらしいジョウビタキ(左)。
小さな池にはカワセミ(右)も出現してくれたりして、なかなか面白い雰囲気でしたが、
とりあえずバッサリと諦めて、一路アクアラインを突っ走って房総方面へ!

<2>房総半島南部

  
んで、やってきたのは、照葉樹林(左)もイイ雰囲気に発達した地域。
そう、凝りもせず、ルーミス様に再挑戦という次第です。
気合入れつつうろうろすると、早くもアセビ(右)が咲いていたりします。

  
林の中では、なにがどうしたのかよくわからない謎の樹(左)を発見。∞マーク?
そこここにヤブツバキ(右)が咲いていたりしますが、しかしなんせメッチャ天気がよい!
かなり厚着してきたんですが、コートどころかセーターも要らないくらいなんですよ〜。

  
林の中では、カントウカンアオイの花(左)も見つかりました。
さて、それでは、ということで、林縁をじっくりそれっぽい部分枯れの葉(右)なんぞを凝視。
実はこの場所、友人が5匹の越冬個体を見つけた場所なんで、粘れば
見つかるだろう、ということで特攻してきたわけですが…
じ〜っくり見ながら林の回りをグルリと1周。んで、さらに目を凝らしつつ
グルグルと2周。首を傾げつつ、目を皿のようにしてさらに2周。
…いないんです。全然見つからないんです。え〜、そんなハズは(- -;

  
林の中にも攻め込むと、林床には、かなり大満開になっている
オニシバリを数株発見。久しぶりの出会いに嬉しくなりますが、結局この後、
林の中でもルーミス様のお姿をみつけることは叶いませんでした。

  
失意に沈みつつ、さらに探索範囲を広げると、花芽をつけたイズセンリョウ(左)が
あったり、暖地ならではのコモチシダ(右)がやたらあったりもしました。

  
前回に引き続いて印象的だったのは、あちこちに大群生していた
ハコネシダ。かなりレアモノだと思っていましたが、こういう環境だと多いんですね。

  
キジョランの実(左)がその見事な白髪をみせついけていたり、
ちょいとボロですが、カラタチバナ(右)があったり、狭い範囲でもそこそこ楽しめますね。
しかし、このあたりでも、やっぱりルーミス様は姿を現しません。
ついでに、かなり期待していたホソミオツネントンボの姿も皆無。むむむむ〜。

  
うろうろするのにも疲れて、手近なコケシノブ類(左)やら、コクランの実(右)やらを
撮影しながら、いっそのこと諦めて別の場所に移動しようかナァ〜と悩んでいると、
視界の端をちょろっと小さな影が舞いました。

  
大慌てでそちらに走っていくと、いました、ルーミスシジミです!しかも2匹!
しかし、高い。爆裂に高い。しかも非常に落ち着きなくチョロチョロ飛び交う。

  
慌ててデジスコを出した頃には、さらに高くなって、その上
風が強くなったのでデジスコじゃピントが合わない…もう泣きべそ。
なんとか姿が分かるのはこの2カットくらいで、残りは撮りようもない葉の裏側とか
てっぺんでのド水平開翅とかなんですから。はっきり言ってお手上げ。

  
やがて、ようやく少し下に下りてきてくれた個体がいた…と思ったら
よくみたらそれはムラサキシジミなのでした。嗚呼。
んで、彼らの活動はホンの30分ほどで終了。またもとの静寂が戻り、
私は林の中でひっそり涙ぐみます。こんなハズじゃなかったのに(ToT)

  
未練たらしく周辺をうろうろすうると、はるか上空をノスリ(左)が飛んだり、
いい感じの枯れ木にトビ(右)が止まってたりしますが、なんちゅうか、ただそれだけ。

  
諦めきれずにカシの木をあらためて一本ずつ見て廻りますが、
さっきの時間帯に飛び出さなかったものがいるわきゃない、ということで成果ナシ。
さらに探索範囲を広げると、ミツデウラボシの群落(左)やら、面白い造形に
なっている、アカバナの枯れ穂(右)なんぞはありましたけど…

  
林の中も何箇所も探索しましたが、カゴノキ(左)が案外多いんだナァというのが
唯一の発見でした。んで、やがてその谷には日が差さなくなり始めたので、
本気で涙を流しながら撤収していくと、夕陽に照らされたユスリカ類(右)が
なんともいい雰囲気でした。ぐすん。

  
このまま終わっては男がスタる!ということで、日没後、東京湾の某河口で
とある珍ゴミムシ探しなどにも初挑戦してみましたが、なんせこちらも広すぎて、
それっぽい場所では、アカテガニとか見つかるばかり。
最後の最後まで成果のない、なんとも涙ぐましい初日となったのでした。

というわけで、なんとも泣けてくる成果でした。
いや、過去にも何度も房総のルーミスには大敗してきていますが、
場所がわかんなかった時代や、天気に祟られたなど、明確な理由があったものの
今回は、ピンポイントな場所に、すごすぎるほどの好条件で行ったのに。
ここまでとことん縁がないのか、と思うと情けなくなります。
「いや、ちょっとハンパな時期だから、越冬個体も分散して見つけにくかったんじゃ」
などというなぐさめのお言葉を友人からいただきましたが、
あとで、某T氏のブログを拝見すると、氏はほぼ同じ場所で、数日後に
5個体の越冬個体を見つけられているんですよね。
つまり、探す眼力が足りなかったということなんです。とほほ。
えと、この場所にはもう二度と単独特攻する勇気がありませぬ。
関東方面の蝶屋さんで、こんな私を哀れんでくれる方がいらっしゃいましたら、
是非一度、ルーミス探求の際にご一緒させてくださいませ!
そうでもしないと、この呪縛が解ける気が全然しませんので(^^;


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