関東徒労旅A〜ウスき夢追い〜 09.2/11

この日は、突発的関東遠征第2日。さすがにルーミスに再挑戦する
元気もなく、しかも天候も悪いということで房総を離れ、とある水田地帯へ。
こちらも日本初に近いような大珍品の某珍鳥を狙ってみるべと気合をイれて
突撃してみたのですが、これがまたすこぶる愛想ワルくてげんなり。
周辺をうろついてみてもオマケも少なく、諦めるかどうか悩んでいるうちに
とうとう日が沈み始めるという最悪に近い展開となりました。
結果として、完全な空振りではなかったけど、いっそその方がという感じ。
この鳥を狙おうと思っている方々に忠告、悪いコト言わないからヤメときなさい(笑

<1>千葉県某所

  
というわけで、早朝の水田地帯を歩くと、真っ白な霜(左)の中、
それでも早くも開き始めたオオイヌノフグリ(右)に迫り来る春を感じてみたり。

  
さらにうろうろすると、ホトケノザ(左)やら、ミチタネツケバナ(右)といった
あたりも地道に花を咲かせていました。
んで、狙いの鳥はというと、予想外の人手にビックリ仰天。
んで、いろんな人から話を聞くごとに、予想以上に難敵だとも分かってきます。むむむ。

  
ウロウロすると、川面を何羽もカワウ(左)が飛んで行きました。
さらに近くで大きな影、と思ったらコブハクチョウ(右)までいてビックリ。

  
さて、ひたすらウロウロと探し回りますが、時折遠くにチュウヒ(左)が飛んで
ビックリするのと、ミサゴ(右)が舞うくらいでやはり成果ナシ。
しかし、9時過ぎだったでしょうか、水田地帯を車でゆっくり走っていると、なんか
あちこちから車が一斉に集結してくるのが見えたんです。うわ、ナニゴトだ?
って、そりゃそれしかないわけで、慌ててそちら方面に私も走っていきますが、
車は最終的に20台以上集結して、ものすごい土煙。なんちゅうかスゴすぎ。
そして、ほとんどが私と同じように騒ぎを見てついてきた人なので状況がわからない。
「出ました?」「どこです?」という声が無意味に飛び交う中、
ようやく私が状況把握した頃には「なんか結局ノンストップで向こう飛んでっちゃった」。
……こ、これはいろんな意味で厳しいのかもしれない(^^;

大集結した人々は、無駄に周辺をウロウロした後、ようやくちょっとずつ散っていきました。
ふと気付くと、私のすぐ目の前にある車も移動しようと機材を積み込んで乗車したんですが、
車の前にも後にも他人のものらしき大砲カメラが置いてあるんです。
これじゃ出れないジャン、どうするんだろ?
と思ったら、その鳥屋さん、後ろを見ずにそのまま普通にバック発進!
当然ながら後方の大砲カメラをなぎ倒す形になったもので、
とっさにそのカメラに飛びついて、ブッ倒れるのをなんとか救ったのですが…


大慌ての運転手と、カメラの持ち主に取り囲まれつつ、なんとかどちらも
無傷で済んでよかったですね、などと言っていると、足元になんか黒い塊。
…私のデジカメのテレコンが折れてしまってました(ToT)
最初は相当焦りましたが、よく見ると接合部のみの破損なので、
コンビニで瞬着買ってきたら無事に修理完了。よかったよかった。

  
んで、そのついでに周辺をうろうろしてみることにすると、あちこちで
ウメ(左)は大満開。スイセン(右)もいい雰囲気に咲いていたりします。
んで、適当に流していくと、なんとも面白そうな施設を発見。
入館無料と書いてあるし、情報収集を兼ねて…とフラフラと入ってみることに。


  
ところが!
いきなり初手から展示してあったのは、ガシャモクですよ!
前々から憧れの水生植物だったんで大興奮しつつバシバシと撮影しまくり。
そういえば、千葉には生息地があるんですね。一度野生のものも見てみたいなぁ…

  
そして、こちらも野生のものに出会う機会がなかなかない、カラスガイ(左)も
展示されていて大興奮。一度探してみたいナァ。
こちらも未だ会えぬ外来魚、オオタナゴ(右)も展示されていました。

  
へぇ、と思ったのは、ものすごい婚姻色のヤリタナゴ(左)に続いて、
展示されていたのはハス(右)。そうなんですよね、このあたりの水系には
面白いことに、琵琶湖起源種が本当に多いんですよね。

  
というわけで、スゴモロコ(左)やら、ツチフキ(右)やらも展示されてました。
他にも、ワタカ、ビワヒガイ等々いて、いろいろ考えさせられたりとか。
ちなみに、琵琶湖の固有系って、かなりの確立で琵琶湖で狙うよりも、千葉あたりの
例えば霞ヶ浦あたりのほうが棲息密度が高いんですよね。面白いモンだ。

  
水槽内なのでうまく撮影できませんでしたが、ギバチ(左)やキンブナ(右)も
展示されていました。考えたら、この手の関東じゃなきゃ見れないのは長らく
お目にかかってません。古巣での魚捕りを計画しようかナァ…

  
んで、なんといっても嬉しかったのはこちら。ゼニタナゴです。
分布が北寄りな上に、相当減少しているので、自力では採集することが
ほとんど夢幻になりつつあるタナゴ。なんとか一度捕ってみたいけど、
東北遠征になっちゃうモンナァ。むむむ。

  
んで、大満足して近くの池に行くと、大量のオオバン(左)を発見。
よくみると、なぜかしらアヒルの群れ(右)がそこに割り込んできて、ちょっと
白黒模様の不思議な光景が見られたり(笑

  
カルガモ(左)なんかもふてぶてしく泳いでいました。
ちょっと気になったのは、すぐ近くにいたユリカモメ(右)。これ、よく見ると
明らかに嘴がおかしいんですが、怪我かな?治ってくれるといいんだけど…

  
んで、そういえばこのあたりの水系って、こいつがやたら多いんだヨな、
ということで、何箇所かでバリケンを確認。よく考えると、3年ぶりくらいの出会いになるのかな?
何度見てもこのふてぶてしさは大好きです☆

  
ちょっと遠かったのですが、カンムリカイツブリ(左)も発見。
そして、湖岸でのんびりお休み中のコブハクチョウ(右)に遭遇してビビッたりとか。

  
スズメの大群(左)もいて、眺めているとなかなか壮観でした。
のんびりしているダイサギ(右)にも遭遇。じっくり時間をかけると、あれこれ楽しめそう♪

  
んで、最初のポイントに戻ってみましたが、あいかわらずチョウゲンボウ(左)やら、
ノスリ(右)やらが登場するばかり。それもたいてい遠いし…
そらはドン曇りで、風も強くて激寒く、こりゃぁ最後まで空振りかナァと諦めはじめた頃です。

  
さ〜っとす腰はなれた田んぼの上を小さなチュウヒが飛びました。
双眼鏡でのぞくと……間違いない、噂のウスハイイロチュウヒです!
「あれだ!」という声とともにマシンガンのようなシャッター音が響く中、
とりあえずデジスコじゃ勝負になりそうにないので、PowerShotを振り回しましたが、
さすがに距離がありすぎて豆粒サイズでしか撮れないまま。
しかし、コイツが極端な愛想ナシでして、地上50cmほどを猛スピードで飛んでいくんです。
さらにこの色合いですから、30人以上が見ていましたが、少し離れた水田地帯で
全員がロスト。「どこだ〜!」と大騒ぎで探しまくったら、予想外の場所から
ふわっと飛び立って、さらに遠くに飛んでいきます。ちょっと待った〜!

  
その後もかなり探しますが、今そこに下りてたんだけど、ちょうどさっき飛んでったよ、
などという悔しいニアミスもあったりしたあげくに、今度こそ完全にロスト。
涙ぐむ目に、満開のハンノキ(左)がやたらと美しく見えました。
さらに上空を、コハクチョウ(右)が飛ぶという一幕もありましたが、この頃には
とっくに日も暮れて、ロクに撮影にならず、撮れたのはこれ1枚のみ。
ま、でも、完全空振りじゃなかっただけよかったな、と自分を必死で慰めつつ、
関東徒労旅は静かに幕を下ろしたのでした。

〜おまけ〜


今回の写真だけだと「見れなかったのに適当コイてんジャン」という批判が
出るのは確実なので、反則技を1枚。私はノートリのみの掲載を身上にしているんですが、
ほぼピクセル等倍の切り出しです。一応これで、ウスハイイロチュウヒと納得いただけました?

というわけで、なんとか主目的だけ達成できた一日でした。
写真はというと、超証拠写真以下でしたけど、見れただけ、よかったよかった。
ちなみに、このウスハイイロチュウヒ、一応日本初記録です。
もっとも、北海道などに未公認記録がありますから、初というのは非常に抵抗があります。
昔、とある冊子に載っていたその「未公認記録」の素晴らしい写真を見てから、
ちょっと思い入れがあったので、今回挑戦した次第ですが、
いやはや、本当に愛想のない鳥です(- -;
さらに、ギャラリーがかなりの数になっているのがさらに見にくくなっている理由。
最初に書きましたが、この鳥を狙おうと思っている方、悪いコト言わないからヤメときなさい(笑
しかし、千葉の水域では面白い出会いが多そうだというのも今回の大発見。
ガシャモクや、ゼニタナゴなど、機会があれば挑戦してみたいものが多数です。
なかなか千葉まで行って魚捕り、というチャンスはないのですが、
久しぶりのアカヒレタビラやマタナゴも含めて、一度企画しなきゃですね♪


次へ⇒

topへ⇒