発作的四国旅〜間の悪い客人〜 09.1/31

<2>岡山県某所 続き

  
さらに、日本各地の淡水魚コーナーを見ると、これまた巨大な
スイゲンゼニタナゴ(左)なんかもいてビックリ。自然下ではここまでのサイズはまず
いないとのことでしたが。鮮やかな婚姻色のマタナゴ(右)もいて惚れ惚れ。

  
なぜかしらひたすら縁のないタビラ類もほぼ全種が展示してあったんで
じっくりと研究。とりあえず、近日中に狙いたいシロヒレタビラ(左)やら、
アカヒレタビラ(右)。今冬中になんとかGETしたいねぇ。

  
ミヤコタナゴ(左)も極めていい体型のがいましたが、これが喧嘩しっぱなしで、なんとか
これ1枚が捕れただけ。そして、九州で出会い損ねたヤマノカミ(右)もいて
かぶりつき状態でながめてみたり。やっぱり、この施設はスゴすぎるよなぁ♪

  
さて、トンボ公園を歩くと、さすがに一面の枯れ野原。虫の姿は皆無。
斜面には、ツルコウジ(右)が、小さな赤い実をたくさんつけていました。

  
あちこちにビンズイなんかもいましたが、これが驚いたことに警戒心が薄い。
これ、デジスコじゃないんですよ。こんだけ接近できる個体は珍しんじゃないかいな?

  
それと、なにげなく水路の中を覗き込むと、なんか灰色の粉(左)が浮いていたので
なんだろ?と思ってよく見たら、これがすべてトビムシ類(右)だったのもかなりビビリました。
こいつら、別に水上生活してるわけじゃないですよね。
なんかの事故かなんかで流れ込んでしまったのか?これからどうするんだろ…

  
さて、その後、杉村さんにちょっと離れた田園地帯に連れて行っていただきました。
道端に赤い実をつけたヤブコウジ(左)など眺めつつ、じっくりじっくりと日の当たる斜面を
探していくと、結構苦労しましたが、ようやくホソミイトトンボ(右)を発見!
密かに越冬中の個体を見るのは初めてなので、大興奮してみたり☆

  
目覚めさしてしまったので、その個体はゆっくりクリーニング(左)なんかしたあと、
葉上で日光浴(右)もしはじめました。このあたりではホソミオツネントンボも見れるとの
ことなので再度頑張って探しますが、そこまでの成果はなく残念。

  
その後、干潟の魚捕りに連れて行っていただきました。
川の本流はものすごい増水だけど、ここまで来たら関係ないしね、と言いつつ、
コアマモもぱらぱらとあるような面白げな泥地を引っ掻き回していくと、次々ステキな魚が
網に入って、これは本気で大興奮。いやぁ、やっぱ面白いナァ。
というわけで、まずは大きなあたりから、ウロハゼ(左)と、越年もののマハゼ(右)。

  
イソテッポウエビ(左)もかなりの数が捕れました。そして、小さな
ケフサイソガニ達に混じって、かわいいガザミ類(右)も網に入りました。
赤い手先が目立つ種類で、調べてみたけど、名前は分からずじまい。誰か教えて〜!

  
この日、一番たくさん捕れたのは、これもお久しぶりのアシシロハゼ(左)。
スジハゼ(右)も捕れましたが、ここらへんは分類が変わってしまってややこしくなった
もので苦手です。まぁ、スジハゼ種群のどれかってことでご容赦。

  
こんなかわいらしい稚魚も捕れました。極小個体ながら、
キチヌ(左)と、スズキ(右)だとか。これはこれで面白いですネェ。

  
そして、クボハゼ(左)に続いて、タネハゼ(右)も網に入って大興奮!
いやぁ、いるところにはいるんですネェ。地元の干潟じゃロクな種類が捕れたこと
ないんですが、今度もう一回じっくり粘ってみようかナァ。

  
さらに、泥をひたすらかき回していた杉村さんが、見事チワラスボ(左)を捕獲!
かなり泥の深いあたりに潜っているとのことでしたが、いやぁ巨大ミミズにしか見えない
その色合い、そしてエイリアンにしか見えないその凶悪な顔つき!マジたまりません!
最後に冬ならではのハゼということで、ヒモハゼ(右)も捕れて、
至福の時間終了。いやぁ、楽しかった。またいろいろ挑戦したいものです☆

  
最後に、学遊館に戻り、準備室の中で、ヤゴ展から引き上げられていた
サラサヤンマのヤゴ(左)やら、オオギンヤンマのヤゴ(右)やらを撮影してさらに大満足☆
なんとかこのあたりも自力で捕獲してみたいモンだよなぁと思いつつ、
御礼を言ってひきあげると、「次は連絡してから遊びに来てね〜」。ス、スイマセンm(_ _)m

  
恐縮で小さくなりつつ、外に出ると、カラスガイ?と思うほどの大きな貝殻(左)が
あってビックリ。でも、聞くとこによると、これでもドブガイなんだそうで。二枚貝は難しいナァ…
そう思いつつ早めの帰路につくと、道中でイワツバメ(右)が舞い飛んでいてさらに
驚かされました。そっか、このあたりだと越冬しているんですね。

というわけで、またもや濃密な1日でした。本当にありがとうございました!
結局当初の予定通り、ヤゴの方もたっぷり見ることができましたし、
久しぶりに「あきついお」の魚たちもじっくり観察して、あれこれ勉強することができました☆
そしてなにより、汽水での魚捕りはなかなか一人だと成果があったことがないので、うれしい限り。
本当に本当に、甘えっぱなしで申し訳ないような一日でした。本当にありがとうございましたm(_ _)m
そして、今回も杉村さんにアレコレと面白いお話をたっぷりお聞かせいただけたのも嬉しい成果。
トンボや魚の詳しい話や、業界の裏話なんかも面白いのですが、日本の自然保護をどうするか的な
哲学話は何度お聞かせいただいても、ものすごく納得する話ばかりで、心に残ります。
特に今回、「派遣切りとか世の中言ってるけど、人が余ってるなら田舎に持ってきて、減反で放置されてる
休耕田や、荒れた里山なんかの整備させれば、仕組みさえ整えばその人たちも食ってけるし、環境も復活する」
というのは、本当にごもっともだなぁと思います。食料自給率40%以下の現在、現実的な選択肢では?
「結局1次産業でも2次産業でもないところで、勝手に数字上だけの価値を膨らませてきたものが、
現実とすり合わせた時にギャップがあることに気づく、それが今回の不況なんだから直るわけがない」
「日本の自然はメチャクチャ再生効率が高いんだから、それを活かすような施策が必要。結局、環境が金に
なる制度を作らないと自然保護なんてできないし、そうなっていくと日本なんて滅びちゃうよね」
などなど、いちいちごもっともだと思うんですが、そろそろ世の中がそれに気付いて方針転換できないかなぁと
切に思います。私も、自然好きのハシクレとして、なにかお役にたてることがあればいいんですが…

さいごに、いつも通りの宣伝を。
「四万十学遊館 あきついお」と、その周辺の「トンボ王国」は、いつ行っても楽しい発見が山盛りです。
特に、最近本気で思うんですが、日淡好きであれば、ぜひ一度訪れなければならない場所だと思います。
あんなにマニアックにいろんな種類が、キッチリと飼育できている場所なんてなかなかないですからねぇ。
そして、周辺の里山では、莫大な労力を使っての維持管理のおかげで、年間60種以上のトンボが見れ、
その環境とすみわけを観察するだけでも、トンボ好きとしては行く価値のある場所だと思います。
ぜひ、一度遊びに行ってみてください!
そしてそこで本当の生きもの好きだということが伝われば、杉村館長の嬉しいレクチャーが受けれる
かもしれませんよ♪ 詳しくは四万十川学遊館「あきついお」のページをご覧ください☆


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