霜月の夏日に〜晴れた!一日〜 08.11/16

この日は、無謀すぎるほどの挑戦、その続編です。
前日のページに書いたとおり、夜中に天気予報を見たら晴れマークに変わってた
という理由で急遽突撃したのは、先週もやってきた四万十川。
そう、スナアカネに再挑戦なのです。我ながらヨクヤルネ。
しかし、前日まで「雨時々曇り」だった予報が「曇りのち晴れ」になったと思ったら、
さらに現地についたら、メッチャクチャに晴れてきたじゃないですか!
これはもらった!ようやく神様が同情してくれたのだ!
などと叫んでみましたが、この日は晴れたどころか明らかな夏日。
11月も中旬だというのに、半袖一枚で汗ばむほどの陽気にビビリました。
さて、スナの字には会えたのか?結果は本編でお楽しみください☆

<1>トンボ公園周辺

  
というわけで、朝到着したらこの日差しですよ。これはもう笑っちゃうでしょ?
勝利だ!と雄叫びをあげつつ、海岸をうろつくとビロードテンツキ(右)を発見。

  
ハマゴウ(左)は実をビッシリつけていて、面白い雰囲気でした。
倒木をひっくり返すと、コガネムシ類の幼虫(右)を発見。いつも思うんですが、
こういう場所にいるコガネムシ類ってなんでしょうね?シロスジコガネとか?

  
そして、こういう場所ならではの虫ということで、ハマスズも多数発見。
♀(左)、♂(右)ともにドアップ撮影して楽しむことができました。

  
なんか見慣れないダンゴムシ類(左)も発見。なんて種類だろ?
かわいらしい、ハマニガナの葉(右)なんかも見つかりました。

  
さて、うろうろすると、ウスバキトンボ(左)やら、アキアカネ(右)やらが飛んで
その度にドッキリ。さすがに初手から大目標クリアとはいかないだろうとは思ってても
期待が膨らんでいると、全てが怪しく見えてしまうんですよねぇ。

  
海岸の松林の中にもアシズリノジギク(左)があるのはご当地ならでは。
ハマヒサカキ(右)も早くもかなり大満開になっていました。

  
驚いたのは、途中で見かけたコガネグモ類の幼体(左)。これからどうすんだ?
セスジスズメ(右)も弱齢幼虫がいました。季節感がちょい怪しい雰囲気だなぁ。
#右はヒメエグリバの幼虫だとの指摘をいただきました。よく見ると尻尾もないし
#スズメガ類じゃないですよね(^^;)。あと、左は普通のコガネグモだとか。

  
前回杉村さんに教えてもらった面白看板(左)も発見。「くじらのりば」ですよ。
いや、是非乗りたいわ。これはかなり夢のある看板ですよね。
そんなこと考えてると、道端にものすごい大量の実をつけたアキグミ(右)も発見。

  
トンボ公園では、オオバナイトタヌキモ(左)がまだ咲いていました。
マユタテアカネ(右)なんかも賑やかに飛び交っていて、いい雰囲気です。

  
ヒメアカネ♀を見つけたところ、目の前で産卵を開始(左)。辛うじてこの1枚が撮れた
だけでしたが、証拠にはなるかな?しばらくすると、ワタシャ疲れたよ、とでも
いいたげに、お尻を水につけたまま休憩(右)したのにビビリました。
そして、せっかくだからと杉村さんにご挨拶すると、御親切にもまたご案内しましょう
という話になって心底恐縮してみたり。いつもいつもド厚かましく押し掛けてばかりで
本当に申し訳ありません。2週連続で、しかも今回は事前連絡なしですし…

  
最初に、ちょっと面白いヤゴの捕れるポイントを教えていただき、しばらく
粘るも、なんか今回もそこでは成果なし。よく考えるとヤゴの写真撮り忘れました(笑
リスアカネ(左)がやたら飛び回っていたのと、脱皮直後らしくてまだ殻の柔らかい
モクズガニ(右)が、河川敷の池で捕れたのが面白かったかな?

  
トンボ公園に戻ると、ヒシ(左)が真っ赤に紅葉していたのでビックリしました。
はずかしながら、ヒシの紅葉ははじめて気付いたかも。
オオアオイトトンボ(右)などものんびりしていましたが、池を見てもキトンボが少なく、
今年はまだアカネの本格的なシーズンになっていないという話がビックリでした。
今年はアキアカネの産卵とかもまださっぱりだとか。温暖化、ですかね?

  
お次に河川敷を歩くと、アユの死骸(左)を発見。
上空をオオタカ(右)が飛んだりという一幕もありました。

  
さらに転戦してきた水田地帯では、かなりのビックリに遭遇。
あぜ道で咲いていたのは……なんとタヌキマメ(左)じゃないですか!
いや、キミは夏の花だろう?何で今頃、それもそんないい感じで咲いてんだ?
オオシオカラトンボ(右)が普通に産卵していたり、季節はすっかり夏風です。

  
休耕田の中をのぞき込むと、コナギ(左)がまだ咲いていたり、
エダウチスズメノトウガラシ(右)もあったり、面白い出会いが結構続きます。

  
しかし、シロバナタンポポ(左)やら、コスミレ(右)やら、春の花の狂い咲きもやたら多数。
「やはりまだ気温が高すぎますね。本当はこの水田地帯に各種アカネ類が多数飛び交って
いるなかに、スナがこっそりまぎれているんですが、アカネ類が少ないですから」
と杉村さん。うん、そうですよね。だって、単純に暑いですもん。

  
それでも諦めきれずにうろうろすると、ウスバキトンボ(左)はやたらと多数。
ショウジョウトンボ(右)もまだ元気で、飛ぶたびにドキッとさせられます。

  
驚いたことに、風を避けているらしきハネビロトンボ(左)にも遭遇。
そして、まだ新鮮なベニトンボ(右)までいたのでした。確かに季節は遅そうです。

  
その後、ここにもチャンスがあるという海岸地帯でラストチャンスと粘ります。
ちょうど風向きの条件はよかったらしいのですが、結果はというと、多数のウスバキトンボに
混じって登場するナツアカネの♀(左)、♂(右)にドギマギするばかり。
そして、結局ここでもスナの字は登場せず、失意のエンディングとなったのでした。

  
最後に、学遊館に戻り、今年採卵したというスナアカネの卵(左)やら、
最近捕れたというオオギンヤンマのヤゴ(右)などを撮影させていただき、
「来週半ばから冷え込むようですので、そこからがチャンスかもしれませんね。
いずれにせよ、今年は一雨ごとに暑くなりますから、まだ条件が整ってないようです。」
などと、なぐさめの言葉をいただいて、帰路につくことに。
本当にいつもいつもご迷惑ばかりお掛けして申し訳ありませんm(_ _)m

  
帰路に、気晴らしにと立ち寄ったのは前回キョウチクトウスズメを見つけた某所。
この日は気温が高かったので、成虫が出ていないかなという魂胆でしたが、
全く予想外に、まだ活動中の幼虫(左)を見つけちゃいました。まだ幼虫でいいのか?
そして、ちょっと面白かったのは同時に見つかった謎の幼虫(右)。
ハンノケンモンのような不思議な突起が全体にでているかなりファンキーな幼虫です。
これだけ特徴的だとすぐわかるだろうと思ったのに、全然分からないんですよね。
あと、気付いたらケースに一緒に入っていたので、キョウチクトウについていたんだと
思うんですが、どうもこれを食べている雰囲気がない。どこから来たんだろ?

というわけで、今回も空振りだったのでした。
いやぁ、朝っぱら広がる青空を見たときは「とった!」と思いましたが、
やはり相手は迷トンボ。そうそう簡単には出会えないものです。
しかし、今回も実際にいそうな場所を案内いただくことでとても勉強になりました。
教わった探索条件を活かして、来年は地元近くでも探索してみたいと思います。
毎年空振りしていた京都あたりでも、探索条件を絞り込み直したら
チャンスが増えるような気がします。今年は日本海側はもう厳しいでしょうが(^^;

ちなみに、今回も杉村さんにいろいろと深い話をお伺いしましたが、
学遊館のものすごいラインアップの魚の展示も、トンボ公園のいろんなトンボも、
知ってる人には価値があっても観光客には地味なものでしかないんですよ、
というのは、本当に考えさせられる話でした。確かにそうなんですよね。
学遊館もやはり入館数が減少傾向だそうで、
「観光ではなく環境で食っていける世の中にしなきゃいけない」という話には強く納得。
世の中を変える方法というのはすぐには思いつきませんけど…
最後に、今回も弊HPをご覧の皆様にオススメを。
四万十川学遊館「あきついお」は、日本屈指のマニアックな施設です。
特に淡水魚好きは、一度のぞけばド肝を抜かれるラインアップであること間違いなし。
四万十川産の魚を150種以上取り揃え、それだけでなく日本各地の
超レアモノもずらっと集まっていて、なおかつその飼育状況がすごくイイんです。
観光客的には「小さな地味な魚」かもしれませんが、価値のわかるアナタ、
是非一度遊びに行ってみてください。本当にオススメなんです。
そして、ついでに周辺を歩けば、年間60種のトンボが見れる貴重な空間つき。
周辺には面白い観察ポイントも多数ありますし、生きもの好きなら一度は
訪れてみるべきじゃないでしょうか!是非一度ご検討くださいませ☆


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