いるはずのないモノ探し〜秋晴れな播磨で〜 08.10/11

この日は、嬉しい秋の三連休の初日。本来ならさっそくにでもスッ飛んで移動し
早朝から遠く離れた地でエッサホイサと歩き始めているところですが、
こんな日に限って所用が入ったあげくに、仕事上の所用がかなりたまっていた
コトもあって、珍しく休日前夜を自宅に籠もって過ごすことに。
ま、天気も相当悪いらしいからイイや、などと思ってたんですが、
翌日早朝から動くと、天気予報大ハズレの秋晴れになって悔しい限り(笑
ま、捨てた一日だと考えよう、ということで「いるはずのないモノ探し」
という極めて非建設的な下調べに一日を投げることにしたのでした。

<1>たつの市周辺

  
というわけで、まずウロウロしたのは、地元近くのため池。
なぜこんな場所に、というと大昔にスナアカネの記録があるという情報を得たから。
というわけで、今はいるわけもないけど、やはりここは行かないわけにはいくまいて、
などとなぜか武士風につぶやきつつ来訪すると、池の近くで
コメナモミ(左)やら、アメリカアサガオ(右)やらを発見。

  
浅い池の縁を歩いていくと、ニッポンイヌノヒゲ?(左)がアチコチに群生してました。
今年はやたらと多い、ホタルガ(右)もそこここで遭遇。

  
ポツポツとキセルアザミ(左)や、花は開いていなかったけどスイランも確認。
でも、まだ天気が悪かったからか、アカネ類はほとんど見かけず、
引き返していると、まだ巣を張っているワキグロサツマノミダマシ(右)を発見。
よく考えると、ということはまだかなり暗かったということですね。

  
お次に別の池へ。ここはスナアカネの羽化が確認されたと言うマジ仰天な話を
聞いたので、これまたいるハズもないのに突撃。
あぁ〜、その時に見に来たかったよぉ〜!
しかし、なんてことない普通の溜池で、抽水植物もろくになく、逆にビビリました。
そういえば、鹿児島でも小学校のプールでヤゴが捕れたというし、
そんな感じじゃ、逆にマトを絞りにくいですよねぇ。
そんなこと嘆きながらうろつくと、イチモンジセセリ(左)や、ウラナミシジミ(右)を発見。

  
なんか見慣れないカヤツリグサ類(左)もありました。図鑑見てもよくわからず。
う〜ん、メリケンガヤツリの貧弱な株ということなのかな?
あと、意外な成果としては、比較的稀種のコイヌガラシ(右)が1株だけ見つかりました。

  
マツバゼリ(左)がかなりの群落になっているのもちょっとビックリでした。
うろうろすると、ナワシログミ(右)が咲いていたりしましたが、結局この場所では
アキアカネが数匹飛んでいただけ。うん、やっぱそう甘くはないですね(笑

<2>社町周辺

  
お次にやってきたのは、社町。ここで探すは、近年兵庫では幻になっている
マダラナニワトンボなんぞ探そうか、というこれまた無謀策で目星をつけた溜池をウロウロ。
すると、ムカゴニンジン?(左)やら、イヌタヌキモ(右)やらがかなり群生していました。

  
ヤノネグサ(左)が群生する湿地を歩くと、ウラギンスジヒョウモン♀(右)を
一瞬だけ発見!でも、あっという間に天空高く逃げられちゃいました。

  
水田地帯を歩くと、稲穂にとまるアキアカネ(左)なんかにも遭遇。
ナツアカネの産卵(右)がかなり見れたのでしばらく粘りますが、やはり私のデジカメでは
飛翔写真はかなり難関で、こんなのが数枚撮れただけ…

  
小さいアカネが飛んだので、慌てて追いかけると、マイコアカネ(左)でした。
なんか頑張って隠れたつもりになっているらしきオナガササキリ(右)も発見。

  
けっこう驚いたのは、まだ満開のミズトンボ(左)があったこと。遅くネェ?
アップ(右)でみると、やっぱり面白い格好ですよね。どんな意義があるんだろう。

  
うろうろすると、面白い出会いもありました。いずれも小物ながらメチャクチャかわいい
テングスケバ(左)と、ツマグロスケバ(右)。素晴らしき造形ですよね。

  
ワレモコウ(左)がこれでもかというくらい群生している場所もありました。
水路では、なぜかマムシの溺死体(右)を発見。なんで溺れたんだろ?

  
ヒメコウホネ(左)は、数箇所の溜池で見られました。
そして、水田脇の浅い水路に群がって泳ぐメダカ(右)という、正しき日本の風景も確認。

  
驚いたのは、オオキトンボがやたらといる池を見つけたこと。
いままで、あちらで1匹、こちらで2匹という感じで見たことしかなかったのですが、
ここは何てことない池なのにたくさんいました。通いつめようかな。

  
背景がイマイチですが、一応飛びモノ(左)も撮れました。次はアップに挑戦だ!
タイワンウチワヤンマ(右)もいたり、思った以上に面白い池ですね。

  
最後に、林の中の小さな池を順番にのぞくと、オオアオイトトンボ(左)が多い池や、
オオルリボシヤンマ(右)がやたら飛んでる池などを発見。
タカネトンボも舞っていましたが、当然ながらこちらは証拠写真ゼロ。
んで、ここらでタイムアップ。やっぱり幻は簡単にみつかりゃしませんね(笑

<3>大阪南部某所

  
んで、大阪方面での所用を終えた後、まだ時間があるかなとやってきたのは南部の某所。
とある町の墓地に面白い花があるらしいという情報を拾ったので、そのあたりの墓地を
かたっぱしから見て回りますが、当然ながら簡単には見つからず。
こりゃ「3連続空振り」というタイトルになるかな?と完全に諦めつつ、日没ギリギリに
最後に訪れた墓地をウロウロすると、あっけなく出逢いが待っていました。
いまや超貴重品になった、海浜植物のハマビシです。
よっしゃ、最後に逆転満塁ホームランじゃ!と雄叫びを上げてみたり。

  
すでに相当薄暗く、撮影には四苦八苦しましたが、結構開花株も見れました。
思った以上にかわいらしい雰囲気の花で感嘆しました。

  
名前の下になっている、面白い形の実(左)も堪能。これがわんさか実ってるんです。
ドアップ(右)でみると、なんともすざまじい造形ですね。見るからに痛そう。
といっても、メチャクチャ小さいんですよね。海岸に生えるんだから、
そんなに食べられちゃいそうでもないし、何でこんな頑張ってんだろ?

  
さらにウロウロすると、あちこちに大群落(左)があるのに気付きました。
この墓地では、ほぼ雑草状態です。あるとこにゃあるんだなぁ。
明らかに海浜性らしいテンツキ類(右)もあったり、面白い環境でした。
きっと周りが埋め立てられちゃう前は海岸だったんですね。

というわけで、ハンパながら面白い一日でした。
さすがにいるハズのないトンボは両方とも幻のまま終わってしまいましたが、
じっくり探していけばいつかは出遭えるような気がしています。
地元産マダラナニワトンボにも是非お会いしたいものですが、
やはりなんといってもスナアカネは一目だけでも逢いたいもの。
(正確には一直線に飛び去る姿を、一目だけは見てるんですがネ 笑)
おそらく、実際はそれなりの数が飛来しているのに、広い範囲に散らばって
しまうのでなかなか見るチャンスがないだけじゃないか、という説があり
いつかいきなり、予想外に出遭うコトもありそうに思います。
これからの季節しばらくは、常に神経を尖らせて、あやしげな赤トンボがいれば
逐一確認するようにしていけば、幻を具現化することもできるかなぁ。
ちなみに、スナアカネ絡みでは近日中に無謀遠征も計画中ですので、
おそらく十中八九は幻のままとなりますが、いちおうご期待ください☆


次へ⇒

topへ⇒