予想外の展開達〜半日無駄遣い〜 08.9/7
この日は、紀伊半島であれこれ探してしまおうプロジェクト。
前々から憧れだった某蝶に出会うというのが一番の主眼だったのですが、
ついでにあれこれと面白そうな植物方面も攻め込んで、
ゲップが出るくらいばっちりな成果山盛り♪なんて企んでたんです。
しかし、天気予報がイマイチよろしくない。
それでは、ということでワタシとしては珍しく比較的綿密な計算の元、
確実そうな場所を2〜3箇所まわるという堅実路線に決定。
ところが!
まぁったく予想外の展開に、涙々の一日となりました。
具体的な話は本編に譲るとして、紀伊の田舎をナメるなってとこですかネ(ToT)
<1>大台ケ原周辺 |
この日も、まず前夜トライアルから。紀伊半島某所の海岸で散策です。
まず、コンビニ前の電線でねぐらをとっているハクセキレイ(左)に驚いたりしつつ、
到着した目的のポイントでは、何故か初手から全速力で威嚇中の
コカマキリ(右)に遭遇。えらく機嫌が悪そうだけど、どしたの?
さて、その後しばらく海岸の岩場を探索しまくりますが、なぜかやたらと
出現するのはクロゴキブリ(左)。嫌いな方、ゴメンナサイ。
まぁったく成果なく、諦めかけた頃に、ようやくヤモリ類(右)を発見!
でもこの1枚撮っただけで逃げられました。このあたりは、本土では珍しく
ミナミヤモリがいるということで探しに来んですが、これじゃぁ区別できんなぁ。
ってか、よく考えたらよほど条件よく写真撮らなきゃ私の力量じゃ区別できない
んだから意味ないじゃん。…なんてブツクサ言いながら深夜の山道を移動。
さて、翌朝。天気予報的には、「朝はきれいに晴れますが午後からは崩れます」という
ご宣託だったので、意気込んできたのですが、ものスンゴイ曇天。オイ。
一応ウロウロすると、タニソバ(左)があったり、フジウツギ(右)があったりします。
ミカエリソウの花芽(左)も発見。花はまだまだ先になるのかな。
久しぶりの小さな蛾、シロオビクロナミシャク(右)なんかも発見。
驚いたの葉、あちこちに大きな群落があったハガクレツリフネ。
密かに完全な自生状態でみるのはお初です。こんな場所にあるんですネェ。
このあたりではとても多い種類のようで、沢ごとに群落がいくつも見れました。
さて、大台ケ原といえばもちろん野鳥の宝庫。というわけで、うろうろ
していると、まずキビタキ♀(左)が登場。遠かったけど…
んで、賑やかな声とともに目の前に出てきたのは、かわいいコガラ(右)。
そして!こんな鳥にも会えました。ソウシチョウです。
何が賑やかに鳴いてるんだろうと思っていたら、そういえば大台ケ原あたりには
いるんでしたよね。かなりの数の群れを何度も見かけました。
警戒心もかなり薄く、至近距離で撮影も成功♪ う〜ん何年ぶりの出逢いだろう。
うろうろすると、花は終わっていましたがギンバイソウ(左)も発見。
気になったのは、沢で見つけたミミナグサ類(右)。ひょろ長くて、いつも見ている
種類ではないことは確かなんですが……正体は何者?
ホソクビツユムシ(左)もあちこちで鳴いていましたし、
なかなか伊達男風のミスジシリアゲ(右)にも会えたりと、面白い出逢いは続きますが
肝心かなめの某蝶は一向に姿を現しません。多産地と聞いていたのに…
こんな場所でも、ビロードモウズイカ(左)があったのはちょっとビックリ。
小さな沢沿いには、モミジガサ(右)もいい雰囲気に咲いていました。
ひたすら2時間以上さすらいまくったあと、ようやく崖の上を舞う影を発見!
今回の目的の蝶、ツマジロウラジャノメです。
初めての出逢いに大感激しましたが、そんなワタシの思いを知ってか知らずか
彼女は3mくらいの高い場所をひたすら舞うばかりで全く下りてくれません。
それでは、と金網を掴んで崖を攀じ登りましたが、予想外に敏感で
全然近寄らせてもくれないんです。追いかけまくって撮れたのはこの2枚だけ。
うろうろすると、アサギマダラ(左)も発見。のんびりと行動していました。
そして!悔しかったのが、途中で見つけたクワガタ類♀(右)。
ミヤマかナァ、と適当に1枚撮影しただけだったんですが、あとでよくよく見てみると、
前胸背面のえぐれ方から見て、これヒメオオクワガタだったんですねぇ。
そうとわかってたら、もうちょっと真面目に撮ったのに〜〜〜(ToT)!
ちょっとビックリな出逢いもありました。岩場でみつけたのは、イワヨモギ(左)。
って、イワヨモギって北海道だけじゃなかったっけ?と調べてみると、こういう崖地には
国内帰化しているものが結構あるらしいんです。へぇ〜〜。
近くには、カワラヨモギ風の雰囲気のヨモギ類(右)も咲いていました。
その後、さらに2時間うろついても成果なく、先ほどの場所まで戻ると、
同一個体らしき♀がまだフワフワ飛んでいます。みていると、はるか上の方で、
産卵している(左)のも見えたんですが、なんせ高い。爆裂に高い。
それでも、しばらく粘ると、ようやく高さ3mくらいの場所でじっと静止したので、
思いついて車を動かして真下に止め、屋根によじ登ってようやくアップ(右)で撮影成功♪
一応満足することにして、移動開始としたのでした。
しかし、数日前には♂が多産していたという話なのに、この差はなんでしょう?
いずれにせよまたリベンジせなあきませんねぇ。金網じゃない写真も撮りたいし…
んで、お次の目的地は地図上でみると40kmほどの距離。
ちょっと距離があるけど1時間ちょいかな、と思いながらカーナビに入力したワタシは
ビックラ仰天しました。カーナビの計算結果は…なんと100km。
紀伊半島の山中は道がロクにありませんから、峠道ぐるりとまわってということ
なんでしょうけど、ということで慌ててツッ走ったのですが、これがさらに
予想外の展開を呼び起こすことになります。
しばらく走って、あと40kmというトコでトンネルにさしかかると…
ちょっとまてぇ〜〜〜〜〜!!
ここまで来きてですか?
慌てて、近くにいた人に迂回路を聞いてみると…
「まずここまで戻ってからね」 …すんません来た道8割方戻るんですが。
「んでここをこうグルッと迂回して」 …すんません、それじゃ倍以上長くなりますが。
というわけで、再度カーナビに入れると、150kmとのご宣託。も〜ど〜にでもして…
諦めて戻ろうかとも思いましたが、悔しいので強行すると、
道中で、大満開のイワタバコを発見。ちょっとだけラッキーかな?
でも、その後も紀伊半島特有のクネクネひたすら続く峠道にヘロヘロフラフラになりつつ
走りつづけることに。九十九折といいますが、ここは九万九千折くらいありますよ。
んで、結局目的地の近くまで到達したのはなんと3時半なのでした。
さぁ、ここは細かいポイントも分かってるし、チャチャッと片付けるぞ!
そう叫んで探索を開始…しようとしたのですが、目的の池に行く道がありません。
海辺の海跡湖なので、単純に言えば上か右か左かに道があるはずだけど
どこの道も途中で終わっちゃう。山道が続いている風でもない。むむむ??
うろうろすると、ヒメガンクビソウ(左)が咲いていたり、真っ赤な実をつけた
ハスノハカズラ(右)があったりしましたが、道はまったく見つかりません。
しょうがないので聞き込みをしたら「道?まだあるかなぁ。」 …おい!
「ここの道が途中まで車でいけるから、そこから歩けば…1時間くらい?」 うっそぉ(ToT)
調査資料を見て狙いを定めた池だったので、まさか道がロクにないなんて予想外…
しょうがないので、教わった道をとりあえず急ぐと、道中にタマシダ(左)があったり、
ビロードムラサキ(右)があったりしました。ほかにもじっくり見たら面白いものはありそう
だったけど、時間がないのでとりあえずひたすら急ぐことに。
んで、山道を歩くこと30分。ついにつきました。行き止まりの終点。
おいこら、ちょっとまておばちゃん!
あまりの出来事に脱力していると、目の前に出現したのはアオバセセリ。
そういえば撮るのはものすごく久しぶりなので嬉しくなりましたが、
すでに暗くなりつつあったので、撮れたのはこれだけ。
それでも数枚だけ撮って、大急ぎで今来た道を引き返します。
さらにうろうろすると、咲き始めの小さなキセワタ(左)を発見。少し離れた池には、
ハマナツメ(右)も群生しているのを見れました。
でも、ここでどう考えてもすでにタイムアップ。ちょっと、まさか200km近く走って、
目的地に辿り付けすらしなかった、というオチなんですかァ?
それでは余りに悔しいので、一晩寝て再挑戦しよう。明日は所用があるけど、
こうなったらムリヤリ伸ばしてもらうしかない。そう意気込んで、
地元のご年配の方々に道を尋ねて回ると…
「もう道はないんじゃないかナァ。昔は、このあたりから山越えの道を行ったもんだけど」
「まだあるハズだけど、ケモノ道だし相当茂ってるよな。地元でも詳しい人じゃないとムリだよ」
「一人で?やめときな、帰ってこれないとマズいでしょ。一本道じゃないし」
……さいでございますか。ここまできて完全徒労ですか。トホホのホ。
しかし、このご時世に、こんな人も近寄れない場所が本当にあるんですネェ。
ってか、調査文献みて来たんですが、調査隊はどうやって現地まで行ったんだ?
呆然と港にたたずんでいると、なぜかコブハクチョウ(左)が悠々と泳いでいました。
んで、帰ろうとしたら、ボロッボロのクロコノマチョウ(右)が出現。
ちょっとだけ開翅してなぐさめてくれたのでした。あんがとさん。
というわけで、まぁったく予想外の一日でした。
目的地に辿り付けすらしなかったというのは本当に久しぶりです。
それも、山道を60km走って、通行止めで戻されて、さらに150km走っての
結果ですから、もはや涙すら出ません。勘弁してよ神様。
いやぁ、紀伊半島の田舎をナメるなってトコですねぇ。
いつも思いますが、都市部でさらに道路を建設しようという金があるなら、
紀伊半島あたりのトんでもない道路事情にカネ使いましょうよ。
町中まで峠道2時間とかいう集落、結構ありますよ?
と、そんなことブツブツ言いつつ、翌日はチョッとした所用もあったので一路
自宅方面まで引き返すことに。所用自体は延期もできないわけではなかったので、
そのまま居残って別のポイントでも責めようか、なんて思ったのですが
天気予報が「不安定な天気になりそうです」といいやがるし、なんか今回の空振りで
気合は入らないしで、すごすご退散した次第(これも裏目でしたけど)。
紀伊半島はまだまだ行きたい場所は多いので、また近日中に、リベンジに
やってきたいと思います。次回は、もうちょっとラッキーが待ってるといいナァ。