主役不在〜雨の東播にて〜08.5/31
この日は、ヒメヒカゲ調査。2回目ということで、今度こそと気合も
入りますが、天気予報は覚悟しとけとばかりの雨マーク。なんでやねん。
いや、2週続けてということはなかろう、神様のお目こぼしだって
きっとあるはず!そう思って突撃したんですが…
結局シトシト降り続く雨に辟易するばかり。
ヤブこぎして買ったばかりの雨ガッパのズボンはびりびりになるし、
汗まみれ傷まみれになったのになぜか主役はどこでも不在ばかり。
疲れたわりには成果のない一日でした。天気の神様のイヂワル〜。
<1>東播磨各地 |
まず早朝に立ち寄ったのは、前回とは別の池。歩き始めると、セイヨウヒキヨモギ(左)や
アカバナユウゲショウ(右)の大群落があってちょっと驚いたりとか。
この日もアオイトトンボ(左)はやたらと多数。そして、コフキトンボの羽化殻(右)も
ありましたが、肝心のトンボはやはり少ない雰囲気。相当暗かったしね〜。
あちこちにあったオオツメクサ(左)も全く花は開いていませんでした。
相も変わらず伊達男風のスゲドクガの幼虫(右)も発見。
びっくりしたのは、こんな天気でも活動していたコムラサキ(左)。それもよくみると産卵中。
あとで近づくと、あまりにもキレイな卵(右)を見ることができました。宝石みたいじゃん♪
コフキトンボ(左)も結構たくさん活動していたので、正面顔をパチリ。
さらにうろつくと、交尾中のシマサシガメ(右)がいたりと結構面白い雰囲気でした。
しかし、コヒルガオ(左)やら、カモノハシ(右)やらの花を撮影したあたりで、
予想外にも一気に豪雨に推移。傘なんて持ち歩いてなかったので、車まで逃げ帰る間に
全身ずぶ濡れになりました。これはまたとほほなスタートで。
そのまま、集合場所まで移動しましたが、さすがに豪雨なのでいらっしゃってたのはT氏のみ。
雨ですが、一応行ってみますか、と言いながら訪れたポイントでは、
一面に群生するハハコグサ(左)にビックリ。えらく眼状紋の小さなヒメウラナミジャノメ(右)にも
遭遇しましたが、この場所では四苦八苦したもののヒメヒカゲは見つからず。
お次の場所では、咲きかけのウメモドキ(左)があったり、イシモチソウの大群落(右)が
あったりとこれまたなんともいい雰囲気でL期待が膨らみます。
こういう湿地に必ずあるヘラバヒメジョオン(左)も多数。しかし、この場所でも見つかるのは、
雨の中テリ張ってたツマグロヒョウモン(右)だけ。むむむ、なんでじゃ?
お次の場所では、ハシナガヤマサギソウ(左)を発見。
今にも咲きそうな満開のナツハゼ(右)があったりもします。
気になったのは、コモウセンゴケ類。葉の赤い個体(左)から、緑色の個体(右)まで
いろいろありました。しかし、よくよくみると葉柄はバリエーション豊かで、明瞭とも
不明瞭とも言いがたい個体がほとんどだということを発見。
これって、トウカイコモウセンゴケかコモウセンゴケか、どちらなんでしょう?
どちらかというと右の方が葉柄ははっきりしてるけど、左がコモウセンで、
右がトウカイコモウセン?それとも両方ともトウカイコモウセン??
しかし、ここでもヒメヒカゲは見つからず、その後数箇所回るも成果なし。
さすがに雨の中のヤブこぎは体力遣いまくってヘロヘロになり、これでは埒があかん
ということで、とりあえず先週も確認できたポイントへと移動。
すると、あっけなく多数のヒメヒカゲに出会えました。♀(左)、♂(右)とも元気に活動していて、
今までの場所では見落としていたとは考えにくい雰囲気。
もしかしたら、想像以上に生息地は少ないのかも、そんな不安が頭をよぎります。
雨も上がって天気が回復気味だったからか、あちこちでヒメヒカゲがパッカンと満開に開翅。
ちょこっと地味ではありますが、よく見るとビロードのような色合いの翅表に感激しました♪
#シツコク書きますが、今年は東播磨地区でヒメヒカゲの生息状況調査が実施
#されています。採集自粛にご協力下さいますようどうぞよろしくお願い致します。
うろうろすると、ネジキ(左)やら、イヌツゲ(右)やらにもいい雰囲気に
大満開の株を発見。ウラナミジャノメも目撃できましたが、撮影は失敗(^^;
小さなナキイナゴの幼虫(左)がのんびりたたずんでいたりもしました。
小さな流れの中には、早くも手足の生え揃ったカスミサンショウウオの幼生(右)を
発見。前回に比べると倍近いサイズになってて、成長が早いんですね〜。
ちょっとボロでしたが、セグロベニトゲアシガ(左)も発見。こいつ、ガのくせに
ベニボタルに擬態しているんですよね、すごい発想ですよね。それから、
近くでなんか派手なクモの子(右)をみたあたりで少し早めにタイムアップ。
ちょっとした所用があったので、そちら方面に急いだのでした。
ついでに、たまには今回とは全く関係ない写真を(笑
先週持ち帰った蛹から羽化したホソオチョウ♀(左)と、ようやく終齢になった
ギフチョウの幼虫(右)です。実は結構いろいろ飼ってたりするんですよ♪
というわけで、雨の中でしたが、結構楽しめた一日でした。
よく考えるとヒメヒカゲ調査は2回連続雨なワケで、拭い去ったと
思っていた雨男伝説が少し復活するんじゃないかという不安も少し。
あっけなく梅雨入りもしたし、今年のゼフのシーズンが不安じゃ〜。
それにしても、天気が悪かったというのはあるものの、予想以上にヒメヒカゲの
生息地は少ないらしいというのも予想外にビックリな発見。
やはり本種の住むようないい環境の湿地が減っていることと、
残っている場所も孤立してしまったりするのが原因なんでしょうか。
全国的に見ても、東播磨地域というのはヒメヒカゲの産地が集中している
場所であり、それはとりもなおさず良好な環境が残っているという証明。
そんな素敵な環境を代表するこの可憐な蝶が、いつまでもこの地で
舞い続けるよう、まずは採集自粛を、改めてお願いいたします。