この日は、恒例の鶴見川源流祭、ということで古巣を再訪することに。
前日は休日出勤だったので、そのまま夜行バスに飛び乗ったわけですが、
その時点で雨。そして天気予報もばっちり雨。
それでも行こうと思ったのは、過去に何度も雨予報を振り切って開催されたという
輝かしき実績がある、某K教授の神通力を信じてのことでした。
でも、E氏と早朝にバス乗り場で待ち合わせた時点でも雨。
「さすがに中止かナァ、でもこの雨でもムリヤリやっちゃいそうだよなぁ」
ということに意見は一致。そのまま古巣巡りに向かったわけですが…
言ってしまえば、結論はまぁご想像のとおり。
でも、そのおかげで逆にいろいろと楽しめた気がする一日でした。
やはり、雨でも何でも、古巣はいいモンです。はい。
<1>鶴見川源流域各地 |
というわけで、小雨の舞う中、E氏と会場近くの谷戸を歩いてみますが、暗い・寒い。
偶然見つけたヤマサナエ(左)も全く微動だにしません。木陰にマムシグサ(右)を
みつけたりしましたが、暗すぎて撮影にならないほど。
こりゃ、狙いのモノたちはどうしようもないわ、というわけで早々に撤退することに。
満開のミヤマナルコユリ(左)なんぞみつつ、源流祭の会場に到着すると、
ハリエンジュ(右)が例年以上に大満開で本当に見事な光景。
しかし…予想を裏切ってそこにテントはなく、人っ子一人いない静かな風景。
「あ、やっぱさすがにこの天気じゃぁやってないんだ。みんな賢くなったんだねぇ」
などと言いながら電話で確認すると、今から残念会を執り行うことだとのこと。
ついでだからしばらく散策してみよう、ということで二人で練り歩くと、まず
名高いアカボシゴマダラの蛹(左)を発見。しかし、節が延びてて死んでる雰囲気?
と思ってひっくり返すと(右)、見事に大穴があいてました。誰の仕業じゃ?
不思議だったのは、このあたりは春先まで幼虫がバカスカいたらしんですが、
かなり探しても見つかった蛹はコレだけ。羽化殻もなかったんです。
植樹から離れて蛹化するとも聞かないし、鳥達の大宴会でもあったのかしら?
ウロウロすると、ヒロハノカワラサイコ(左)は今年も健在を確認。
そして、面白かったのは、お休み中のジガバチ類(右)。これがすぐ近くに5〜6匹
まとまって見つかったんです。こんなに集まっているのは初めて見たなぁ。
そんなこといってると、すぐ近くにツマグロヒョウモン(左)もお休み中。
しかし、町田市あたりでも春先に普通に見つかる種類になってしまったんですね〜。
ナミアゲハ(右)や、ベニシジミ、ヤマトシジミなども近くにいて、なにかやたらと
虫影の濃いゾーンでした。ちょうど風がこもる場所なのかな、とか二人で分析。
さらにエノキをのぞいてみると、小さなテングチョウの幼虫(左)を発見。これで4年連続。
オカウコギ(右)も、すぐにでも咲きそうな雰囲気の花芽が満載でした。
小さな小さなナシグンバイ(左)やら、ツツジコブハムシ(右)やらがいたので、
薄暗い中気合でドアップ撮影にも挑戦。う〜ん、これでも厳しいくらい小さいナァ。
ちなみにE氏はこのての小さくて造形の巧みな虫の大ファンなので、見つけるのが早い!
うろうろすると、ヒメヤママユの幼虫(左)も発見。もう結構な大きさになってました。
近くには面白い雰囲気のナンカイカラスヨトウの幼虫(右)も発見。
ミノウスバの幼虫(左)もいました。そして、E氏が見つけたのは
クロオオアリの女王アリを食べてるワカバグモ(右)。なんか、カワイそ〜。
さて、残念会方面に歩き出すと、えらいこと派手な虫こぶ(左)を発見。正体やいかに。
驚いたのは、市街地近くだとすでにエゴノキ(右)が咲いていたんですよね。
そんなこんなしているうちに残念会の会場に到着。思った以上に多数のスタッフが来ており、
残念会は大変賑やかに執り行われました。そのうち、雨もやみかけてるしということで
みんなで鶴見川源流部を歩くことに。思えばこの時期に行くのは数年ぶりだなぁ。
ろうろすると、めっちゃ満開のオカウコギ(左)を発見。これはかなり見事だなぁ。
質感抜群のスンバらしい雰囲気のガの幼虫(右)もいました。お名前はなんだっけ?
源流の泉では、キショウブ(左)やカキツバタがちょうど身頃でした。
流れの中をのぞくと、アブラハヤの稚魚(右)も数匹泳いでいるのを発見。
源々流の谷にはいると、大満開のホウチャクソウ(左)があちこちにありました。
ギンメッキゴミグモ(右)もいたので、久しぶりにドアップ撮影して遊んで見たり。
その後、源々流の谷を案内していただきましたが、かつてはものすごいヤブで通れなかった
はずのところに道ができていて、なおかつその上、湿地がきれいに整備されている!
以前のヤブぼうぼうの時代を知っている私としては、ここにいたるまでのスタッフの皆様の
トんでもない努力に、唖然某前。いやはやまったく未だに信じられないほどです。
その甲斐あってか、ササバギンラン(左)やギンラン(右)もあちこちで見れました。
見事なキンラン(左)も多数。ちなみにこの手のランは菌類と共棲してますんで、
持ち帰っても根付きません。絶対に持ち帰らないで下さいね〜!
そんなこといいつつうろうろしてると、一部では侵略的外来種のアレチウリの芽生え(右)も
発見。スタッフが慌てて駆除していましたが、こんな場所にもあるんですね。
結構驚いたのは、花芽をたくさんつけているサルナシ(左)。実がなるのが楽しみです♪
そして、湿地には、久しぶりに見るミズニラ(右)も多数。かつてミズニラの多産した休耕田が
近くにありましたが、前回訪れたら荒れ地になっていて呆然としたので、この復活は嬉しい限り。
ホオノキ(左)も、ちょうどいい高さで満開のは名をつけている株がありました。
大満悦しながら帰路につくと、羽化したてらしきピカピカのヤマサナエ(右)も発見。
さらに歩いていくと、ハンショウヅル(左)が何箇所もでみつかったり、
イチモンジカメノコハムシ(右)がいたりと、最後までやっぱり出会いの多い散策でした。
というわけで、雨でイベント自体は中止ではありましたが、わざわざ夜行バスで
遠路はるばる行った甲斐はあったかな、という一日でした。
いやぁ、やっぱり鶴見川源流は底力がスゴいですね♪
やはり古巣はチョクチョク遊びに行かねばならぬ場所のようです。
ちなみに、この日の見せ場はこの後の懇親会でした。
アルコールも入り、さらにイベント中止で余った体力を持て余した方々が多数、
酔って騒いでまぁ大変、という素敵な状態に突入。
この日は和光大学の学生さんが多数参加されていた上に、
某K教授がフルスロットル全開で、多方面に全速力で突っ走りまくり、
革命論と、人生論と、その他モロモロを全く噛みあわないままドバドバと垂れ流し、
私とE氏はツッコミ入れすぎて息が切れ、笑いすぎて腹筋が痛くなり、
最後には少しばかりヘロヘロになったのでした。いやはや、しかし面白かった♪
「ストッパー役が不在だったのがイタかったですね」とはEさんの評。
しかし、この最後の賑やかな宴だけでも来た甲斐は充分にあったように思います(笑
密かにこのイベントも数年連続雨で、神通力が落ちたかという噂のK教授でしたが、
「こりゃダイジョブだ、あの調子じゃあと50年くらいは元気に違いないワ」
という結論に達し、みなで深く深く安堵したのでした。チャンチャン。