吉備路花探求〜岡山横断〜08.4/19

この日は、突発的かつ発作的に岡山を横断してまいりました。
本来はここで九州遠征を企んでおり、同行者と各種打ち合わせも終え、各種図鑑を睨んでは
妄想をたくらましくし、阿蘇の山裾で花と蝶と鳥をおっかけてウハウハ笑っている自分を
想像してはニヤついていたのですが、直前に先方の都合で急遽キャンセルに。
ぽっかり空いた週末、あわてて天気予報を睨むとどうもこの日は天気が悪い。
これでは蝶は期待できそうにないので、花にしよう。
そうだ、それならばこの時期にいってみたかった場所がいくつかあるぞ…
そう思ってリストアップするうちに、いつの間にか岡山を東から西へ駆け抜ける案に成長し、
結局夜明けから日暮れまで走り回ってきた、そんなどうしようもない次第。
結局全力疾走なのね、と自分で自分を笑ってみたりした、そんな日でした(笑

<1>岡山県自然保護センター

  
最初に来たのは、岡山自然保護センター。いくつか見たい花があったので…
まだ薄暗いうちから歩き始めると、ケクロモジ(左)とか、タムシバ(右)とかが咲いていました。

  
なぜかわからないのですが、この施設ではタンチョウ(左)の繁殖が試みられて
おり、放し飼いもされています。飼育施設をのぞくと抱卵中の個体(右)も見れてビックリ。
でも、なんでこの場所でタンチョウなんだろ?なんか由来があるのかな?

  
さて、湿地方面へ行くと、初手からミツガシワ(左)の群落がド肝をぬいてくれました。
周辺にはリュウキンカ(右)もたくさんあって、これまたなんともいい雰囲気。

  
驚いたのは、一角で保護されていたサクラソウ。岡山にも産地があったんですね〜。
嬉しくてバシバシ撮りましたが、私のデジカメは赤紫系の再現に弱いのでデキはイマイチ…

  
ハリガネスゲでしょうか、オモシロそうなスゲ類(左)もアチコチに咲いていました。
そして、嬉しかったのは久しぶりのサワオグルマ(右)。まだまだ咲き始め風でしたけど。

しかし、目的の花はなかなか見つからずにウロウロしていると、まだ早い時間だというのに
センターの中に人影。8時前なのに開いてるの?そう思ってドアの方に近づくと、
中から職員さんがすっ飛んできて鍵を開けてくれました。訪ねると本来は9時からだそうで、
恐縮しながら中に入り、いろいろお話を聞いていると、「あ、その花ならすぐそこですよ」

  
というわけで、ようやく憧れの花に会えました。キビヒトリシズカです。
花の葯が細長いので、想像以上に繊細な雰囲気に感激!
今までなかなか出会えず、ちょっと怪しい雰囲気のヒトリシズカを見ては悩んでましたが、
ようやく現物を見れてイメージが固まりました。強烈に長い葯と、艶消しの葉、ですね。

  
花をドアップ(左)で見てみると、なんとも妖艶な姿です。
近くにはヒトリシズカ(右)もありましたが、結構雰囲気が違うもんですね〜。

  
大満足して車へ戻ろうとすると、途中の林に怪しい影。
えらく新鮮なオオミズアオです。こんな時期からいるんですね〜。
て、よくみると触角の色からすると、もしかして憧れのオナガミズアオかな?
この2種類は図鑑をひっくり返しても私には区別がつかないんですよね〜(^^;

  
近くには小さなヒメハギ(左)も咲いていましたし、ナラガシワ(右)の地味な花も見れました。
マヒワ・オオルリ・キビタキ・センダイムシクイ・ヤブサメなどもいたんですが、
いずれもシャッターチャンスは皆無。すごい曇り空なので空抜けだと黒い影だし…

  
湿地の近くには、驚くほど満開のニワトコ(左)があって、ちょっとホレボレしました。
かわいいヒメアメンボ(右)がいたので、ドアップで撮影して〆、次の目的地へ一気に移動します。

<2>新見市周辺

  
ここで一気に岡山を横断し、到着したのは新見市某所。道端にイヌカキネガラシ(左)
なんぞみつけつつ、山裾に到着すると、さっそくジュウニヒトエ(右)のお出迎え。

  
結構驚いたのは、メチャクチャ大満開に咲き誇りまくっていたチョウジガマズミ。
大珍品なんですが、このあたりでは結構な数見ることができました。

  
さらに、早くも1株だけ咲いていたイワシモツケ(左)があったり、
チトセカズラ?という雰囲気の葉(右)があちこちにたくさんあったりしました。

  
ヒメウラジロ(左)はほとんどがもうボロボロの株ばかりでしたが、よくみると、
少しだけ新しい葉(右)も出てきていました。楽しみ楽しみ。

  
まだ花は咲いていませんでしたが、ヒメウツギ(左)も見つかりました。
そして、この日2つめの"吉備"のつく花、キビシロタンポポ(右)もあちこちに確認。

  
シュンラン(左)なんかはあちこちにありました。そして、ちょっと気になったのは、
崖端にあった薄ピンクの花(右)。これって、野生化したモモとかなのかな?

  
さて、実はこの場所での目的は、こちらも"吉備"の名前のつくキビノクロウメモドキ。
どうやら花期には早すぎたようですが、よくよく探すと、ポツポツと地味で小さな
花が数花だけ咲いていました。しかし、これじゃ満開でも大して目立たないかも(^^;

  
よくよく見ると、なにかの食跡(左)があるので必死こいて探しましたが、
例のモノの幼虫は見つからず、残念無念。そうそう簡単ではないですね。
近くには、まだつぼみですが、これでもかというくらいいい雰囲気のメギ(右)もありました。

  
今回結構驚いたのは、あちこちで超満開状態になっていたこちらの樹。
これがなんと大珍品、イワシデじゃないですか!
まるで優先種かのようにそこら中にありました。来てみてよかったな〜♪


次へ⇒

topへ⇒