この日は、なぜかここんとこ恒例となっている、御盆の立山登山第一日目。
今回のスタート地点は黒部ダム、というわけで昨年の最終日コースの逆向きになるわけですが、
昨年歩いたときに「ここは登りたくないなぁ」と思った急坂を登るわけで、日頃の運動不足を
真摯に反省しつつ、なんとかこの高低差をマケてくれないかと神に祈る、そんな一日。
あとで地図で見ると、この日の移動距離は約15.5km、高低差はちょうど1000m。アハハ。
そんな思いをしてまでこのルートを選んだのは、単純に友人のいる小屋まで行くための
長野側からの唯一のコースだったこともありますが、昨年だいぶ楽しい思いをしたからでもあった
わけで、胸いっぱいの期待をふくらませながら歩きましたが、結果としてはスゴ過ぎる陽射しの中、
蝶影は少なかったけど、意外なビックチャンスにも遭遇できた一日でした☆
<1>黒部ダム→五色ヶ原 |
目覚めるとまだ周辺は暗いまま。でもこの日泊まった場所は山小屋?にしては朝食が遅いので
ゆっくりとスタートを切ることにして、山でのお約束どおり3杯飯かっくらっていざスタート。
歩き始めてすぐに、向こうの山頂から鋭い夏の日差しが差し込んできました。
川辺には、ヤマホタルブクロ(右)がちょこっといい雰囲気で咲いていたりします。
鮮やかな赤い実をつけたミヤマシキミ(左)がありました。見た目と違って有毒ですので
手を出さないようにご注意を…。木影にはノギラン(右)が清楚に咲いていたりします。
沢沿いの石の上に小さな蛹(左)を発見!形はタテハ類ですが…もしかして
コヒオドシとかだったらいいなぁ。近くではクロヒカゲ(右)が飛び交ってました。
タケシマラン(左)も鮮やかな実をつけてましたが、いい場所にはなくて
うまく撮影できずに残念。沢沿いにはミソガワソウ(右)も咲いていました。
さらにうろつくと、クガイソウ(左)やオオカニコウモリ(右)やらと、次々と面白い花が
出現します。そのたびに足を止めて撮影するので、なかなか距離が稼げません(^^;
びっくりしたのはこちら。はじめてみるコイチヨウランです。
ひょろひょろ長く伸びているので、上手く撮影できませんでしたが、アップ(右)
でみると、なんともいい雰囲気ですよね。チョイ感激!
近くにはタマガワホトトギス(左)も数株だけ見つかりましたし、クロクモソウ(右)も
あったりと、奥深い場所まで来たんだなという実感がヒシヒシと沸いてきます。
ツバメオモト(左)も青い実をたっぷりとつけていました。アップ(右)でみると、
本当に色鮮やか。宝石なんかホンキでメじゃないっすよね。
しかし、このあたりからかなり強い日差しが差し込んできて、一気に気温が上昇(−−;
こりゃ道中ツラいなぁと観念しましたが、ヘバってるのは私だけではありませんでした。
というわけで、道端で見つけたくたびれきった植物シリーズ、カメバヒキオコシ(左)と
クガイソウ(右)。ずっと暑かったしね、雨降らないしタマんないよね。
逆光で魅惑的な雰囲気をかもしているヒメキマダラヒカゲ(左)なんかみてると、足元に
怪しい影。これがよくみるとフジミドリシジミ(右)なので大興奮しましたが、
ちょろちょろ飛ぶし、逆光だと真っ黒だしでしばらくの間、かなり四苦八苦。
それでもなんとか静止(左)を数枚撮れたと思ったら、別の個体が出現。こちらはなんと
惜しげもなく開翅(右)を披露してくれました。ちょっと右上が欠けちゃいましたが…
すぐヤブの中に消えましたが、これもやっぱり暑すぎてオーバーヒートだったのかな?
種類は分かりませんが、小さな実をつけたランの仲間(左)も発見。チドリ系かな?
水辺にはキンコウカ(右)も、色鮮やかに咲いていたりしました。
驚いたのはこんな場所でもみつかったキアゲハの前蛹(左)。まぁ、高山の山頂飛んでるしね。
さらに登ると、暑さにヘバってる風のヤマキマダラヒカゲ(右)にも会えました。
うれしかったのは、山道を横切るタゴガエルに会えたこと。こいつらは山ではよく見るの
ですが、なかなかきっちり撮影させてくれないんですよね。ま、暑さでへばってたのかな?
そうこうするうちに、沢沿いを青い影が舞い始めました。オオゴマシジミです。
これを期待してこのコースを取ったといっても過言ではないわけですが、さすがに
ものすごい直射日光で、開翅が期待できないどころか、なかなか止まりすらしねぇ状態。
かなり粘りに粘って、♀(左)、♂(右)ともになんとか数枚だけ撮影成功。
粘っていると、産卵(左)も見れました。昨年産卵を見たのはクロバナヒキオコシでしたが、
今年産んでいたのはカメバヒキオコシ(右)。面白いのは、昨年は同じ場所では花芽状態
だったのに、今年はかなり開花しているんですよね。季節は早いの?遅いの?
よくよく見ると、沢の奥のほうに白花のカメバヒキオコシ(左)も2株だけ発見。
近くにはイワアカバナ(右)なんかも一群落だけ咲いていました。