雨オトコ君臨@〜ハチ高原に雷雨召喚〜07.5/19

この日は、ウスイロヒョウモンモドキの保全活動の一環で、久しぶりのハチ高原へ。
「去年みたいに雨雲を連れて行かないように、テルテル坊主でも作っておきますよ」
メールに書いたそんな軽口が、悲劇を呼ぶなんて思いもしませんでした。直前、ぐんぐんと
あがっていく降水確率にイヤな気分になりつつ、一路但馬へ向かったのですが、朝一は晴れ間も
あったものの予報は「曇り」なのに、現地についた頃には豪雨に。嗚呼、も、申し訳ありません…
「まぁ、予定通りという感じですね」とお褒めの言葉を頂きつつ、作業に取り掛かったわけ
ですが、生息地まで移動すると、氷雨+横殴りの風+一面の濃霧というナイスな3点セットに
進化して、どうにもこうにも作業は不可能な状況になりました。Yさん曰く、「多分、ここ一帯が
Kさんの鬼門になっているんですね」。というわけで、別ポイントにいって作業をしてみたりとか
皆々様方にえらく苦労をおかけした一日となりました。もう笑うしかないくらいの徹底さですね。
久しぶりの雨オトコっぷりに本気で泣けました…こりゃ今年もゼフの季節とか幸先不安だなぁ…

<1>三川山周辺

  
最初にやってきたのは三川山の近くの池。早朝からジャケツイバラ(左)やら、エゴノキ(右)やら
見つかりますが、雲も厚くトンボは空振り。でも、移動していると、さ〜っと
日が差してきたので、なんか花でも咲いていないかと三川山に行ってみることに急遽変更!

  
到着すると、タニウツギ(左)やら、ヤブデマリ(右)やらが咲いていましたが、
なんか再度分厚い雲が出てきてイヤになります。早く晴れないかなぁ。この時点では
この後で大雨が降るなんて予想もしていない雨オトコ約一匹なのでした。

  
ツユムシ類の幼虫(左)も見つかりました。えらく細身だけどキミはなにものかね?
近くにはフキバッタ類の幼虫(右)もいたので、ドアップ撮影に挑戦。

  
クマイチゴ(左)が咲いていたので、それならばと探してみると、やはり予想通りに、
シロオビナカボソタマムシ(右)を発見。でも、暗い&風があって、ドアップ撮影は超難航…

  
ヤブキリの幼虫(左)もたくさんいました。そして、暗い崖地には、
ちょうど葉を伸ばし始めたばかりという雰囲気のクジャクシダ(右)も多数。

  
満開のフジ(左)なんぞ見ながらうろつくと、道端にクチベニマイマイ(右)がたくさん
いることに気付きます。ありゃ、なんか不穏な雰囲気だなぁ。
そう思っていると、突然ポツポツと小雨が舞い始めました。むむっ、こりゃマズそうだ。

  
道端のツタウルシ(左)なんぞ見ているうちに、いきなりザァ〜っとかなりの大雨に。
大慌てで木影に避難すると、そこにはキンモンガ(右)も雨宿り中でした。

  
沢沿いのトチノキ(左)が咲いているのを確認しつつ、とりあえず大慌てで車へ
走りますが、かなり先まで歩いていたので、到着する頃には全身ずぶ濡れ(ToT)。
ようやく一息ついていると、すぐ近くにヒロヘリアオイラガ(右)を見つけました。

  
雨は一向に止まないので、傘を買いにコンビニによると、なんか魅惑的なガが
たくさんあつまっていました。ちょうどしばらくだけ小雨になったので、そのあたりで適当な
葉っぱにつかまらせて、プチ・撮影会を勝手に開始。
まずは、優美なフトオビホソバスズメ(左)と、樹皮そっくりのギンシャチホコ(右)

  
キドクガ(左)もいました。止まっている時は木片そっくりだったけど、
撮影しようとしたら翅を広げてしまった愛想ナシは、ナカスジシャチホコ(右)。
う〜ん、久しぶりにガの名前を図鑑で調べたら、大変だなぁ。修行が足りないゾ。

<2>ハチ高原周辺


さて、はち高原に近づくにつれ、雨は勢いを増していきます。
集合地点に到着すると、はっきりと豪雨で、もう下を向きながら笑うしかありません。
他のメンバーも「まぁお約束ですし」「覚悟してましたから」などと慰めて(?)くれる始末。
それでも、と生息地に向かったら、ものすごい霧なんです。視界は10mくらい?

    
霧の中でも、メゲずに保護看板(左)を建てていきます。あっという間に全身ずぶ濡れ。
さらに私は杭打ちを担当したのですが、"なかなか芯に当たっていない"ということで
ここでもあまりお役に立たない状態が続きます。シクシク。
そんな霧の中にも、ビックリな発見は舞っていました。かなり株数も多く、
そこら中で見られた、アケボノスミレ(右)です。昨年は気付かなかったなぁ〜。

  
杭を立てつつ、ついでに目を配ると、ホコバスミレ?(左)や、サクラスミレ(右)も
見つかりました。しかし、霧は一向にやまず、調査用の標識の設置は急遽取り止めに…
すいません、なんか、キョ〜レツなもん背負ってきちゃいまして(ToT)

  
他の生息地にも看板を立てて回っていると、濡れ細っていましたが、タチシオデ(左)が
あったり、草地の中にはカナビキソウ(右)があったりとささやかな発見も続きます。

  
そこここに咲き誇っていたのはレンゲツツジ(左)。そして、今年もオキナグサ(右)を
見ることが出来ましたが、何もかもが濡れ細っています。
作業も予定を大幅に変えてなんとかある程度片付いたものの、本来ならば
しなくてもいいはずの苦労を、ワタクシが背負ってきたという妙な罪悪感が…
えと、もはや、お詫びの言葉すらありません(^^;


気を取り直して、宿に戻っての夕食。この日のゴチソウはすごかった!
シシなべ!カニなべ!但馬牛のタタキ!各種山菜!
あまりもの豪華さに酒もすすみ、各種話に花が咲き、ステキで濃密な時間をすごせました(^^)

というわけで、いつのまにか再び背中に背負ったオンブオバケが、他人様にも十分に影響を
及ぼすことを実証した一日になりました。いやぁ、もう申し訳なくてたまらん気分が一杯で…
それにしてもここまでひたすらに徹底しなくてもいいと思うんですが、どうッスか神様?
まぁ、一応予定していた活動の大部分はなんとか終わらせることができましたし、ちょっと
だけカケヤの使い方も学びましたし、個人的には隙間隙間に面白い成果も少しだけあったし、
よかったということにしましょうか。なによりも最後の豪華な宴と、おいしいお酒と、
蝶と蝶屋業界の濃密な話は本当に楽しかったです。あんまり戦力にならないし、時折とんでも
ないナニモノかを連れて行くワタクシですが、今後ともどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m


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