プラスマイナスゼロ?〜帳尻の合った一日〜06.10/21

この日は、最近教えて頂いた面白そうな情報を一気に駆け巡ってしまえというあまりにも安易な
発想のもと、そのくせ無計画に、なんだかヒョロヒョロ動いた1日でした。
2箇所巡った蝶の産地では、いずれも同じく蝶の撮影狙いの面白い方々に出会って情報交換ができ、
「ここにいらっしゃるなら○○の方が近くて条件がいいじゃないですか」と教えて頂いたり、さらに
2箇所とも何故か蝶屋兼鳥屋さんから噂の珍鳥情報を聞いたり、結構充実した前半戦でしたが、
最後のポイントでは、狙いのトンボは総空振りだわ、道には迷うわ、挙句の果てに池にハマって
ヒザ下からずぶ濡れになったまま日も沈んだ演習場をベソかきながら歩き続ける羽目になりました。
つまりは、プラスマイナスゼロってことですかね。世の中よくできとる。

<1>伊丹空港裏手

  
最初に来たのは、伊丹空港裏の草地。狙いはシルビアシジミ。もちろんもっと近い産地もあるん
ですが、食草転換したという噂の場所だと聞いていたので一度見てみようということで…
歩き始めると、見事に紅葉したヒメミソハギ(左)やら、マメアサガオ(右)やらを発見。

  
何故かハナゾノツクバネウツギ(左)もポツポツと咲いていました。そして、ウロウロしていると、
ノビタキ(右)が2羽飛び交っていたので、しばし撮影に挑戦。デジスコじゃないと遠いなぁ…

さて、草地をうろつきますが、時間も早いので蝶影は全くナシ。しかしやがて、草むらに明らかに
玄人風の歩き方&眼つきの方を発見。ピンと来て声をお掛けすると、やはり蝶狙いで、
それもなんと「ノゾピー蝶観察・撮影の部屋」のノゾピーさんではありませぬか!! ちょいとビックリ。
大変ご親切な方で、さっそく玄人の手ほどき付のラッキーな条件でシルビア探索を始めたのでした。

  
二人して朝露の残る草地をうろつくと、ようやくシルビアシジミを発見。しかし極小個体。
しかも熟睡中で、羽の上に小蝿が乗っても気付かない(左)んですよ(笑
しばらく粘ると目覚めたので、思いついてドアップ(右)で撮影。うん、カワイイ。
でも、なかなか開翅しないのでセッカチ2人は別個体を探してウロウロ。

  
歩き回るほどに、ノゾピーさんが次々と♀を発見し、大喜びで開翅を撮影。
しかし、ノゾピーさんお望みの「青い♀」には到底及ばない黒っぽい個体ばかりでした。

  
やがて、♂も出現し、メチャクチャ濃いブルーを見せ付けてくれました。
密かにシルビアの開翅シーンは始めての私は超大興奮しながら撮影。

  
えらく色鮮やかな雰囲気のベニシジミ(左)も見つけたのえイソイソと撮影。やっぱり
春秋に見るベニシジミはすっごくキレイですよね。そうしてると、薄青色の個体が飛んで
「これが青♀か!」と興奮しましたが、よく見るとスレスレのツバメシジミ(右)でした。

  
草地では、チャバネセセリの♂がメチャクチャしつこく求愛しているのを目撃。
求愛する、逃げる、追っかける、求愛する、逃げる、追っかける…面白いのでしばらく
カメラで追ってると、10回ほど繰り返した後、突然交尾が成立。ほほぉ、執念勝ちですな。

  
また全開に開翅しているシルビアの♂(左)を発見して撮影していると、ノゾピーさんが
「この♀はまぁまぁ青いですよ」と教えてくれたので、憧れの青♀(右)も撮影に成功。
キレイだなと感激しましたが、ノゾピーさん曰く、本当に青いのはこんなモンじゃないそうで。

  
その後、さらにうろうろしていると、ネナシカズラ(左)の大群落を発見。
花のアップ(右)を見ると、わりと面白いかっこうしてるでしょ?

  
そのあたりでもシルビアシジミ(左)は結構いました。ノゾピーさん曰く
メチャクチャ多くてこれは最盛期ですね、とのこと。ラッキ〜☆
暖かい日で、ヒメアカタテハ(右)、キタテハなども舞っていました。

  
シルビアがよく吸蜜するというアレチハナガサ(左)なんかを見ていると、ノビタキ(右)が
再度出現。しばしノゾピーさんと二人で追いかけたましたが、警戒心が強くてギブアップ。
昨日情報の流れた某珍鳥が今日は出ていないという話なので、大阪城公園に行きますと
スゴく情報通なことをおっしゃるノゾピーさんと別れて、次の目的地へと向かったのでした。

<2>神戸市北区某所

  
お次にやってきたのは神戸北区の某所。目的はクロツバメシジミです。ええ、こちらも
近場に別に産地はあるんですが、一度神戸の産地ってのを見てみたかったので…
「空飛ぶ生き物たち」のIさんから教えていただいたポイントに行くと、同じくクロツを
見に来たという方とお会いし、一緒に岩場でキョロキョロ。
すると、さっそく岩場の上の方に飛び交う影を発見…しかたないので、よじ登りました(笑
するとツメレンゲはもう大満開に咲き乱れていてちょっとばかり感激。

  
んで、足がすくみつつ、なんとかみつけたのはこちらの♀。
わりと新鮮な個体なんですが、チョロチョロ飛ぶので撮影しにくいことったら…

  
ツメレンゲの上の開翅(左)を狙いましたが、どうにもこうにも中途半端。
あきらめて岩場を下りると、もう一人、同じくクロツを見に来た方がいらっしゃって、卵殻(右)の
ついているツメレンゲを教えていただきました。この葉肉の中に幼虫がいるんだそうで…

  
近くにはえらく立派なツメレンゲ(左)があるのですが、クロツの姿は全くナシ。しかたないので
悔し紛れに、ツメレンゲの花のドアップ(右)を撮影したりして時間をつぶしたりしつつ、
蝶談儀、そして野鳥談義に花を咲かせているうちに、いつの間にやら話のほうにすっかり
夢中になってしまい、予定外に長時間粘って続けてしまいました。
おかげでメチャクチャ楽しかったです。ありがとうございました。

  
やがて、ようやく♂(左)が一匹だけ、崖下まで下りてきてくれたのですが、これが申し訳ない
けど溜息がでそうなボロ…いや、もちろん嬉しかったんですが、開翅(右)なんか、
翅縁がもうグラデーション状態。その後しばらく粘ったものの、他の個体は全然姿を
表さないので、あきらめて最後の目的地へと移動したのでした。


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