西風を求めて〜但馬微風編〜06.6/24

前々から、密かに意気込んでいた目標がありました。『今年こそはゼフを撮るぞ』。
かつては関東の低地がフィールドだったので、平地産ゼフ以外はあまりにも高嶺の花。
そう思って手を出さなかったのですが、どうやら頑張れば撮れそうだとようやく判ってきたので
以前より鼻息も荒く期待していたわけです。というわけで、超初心者なので、まずは有名な
三川山に突撃と決め、なるべく早い時間に山頂に、となんと朝5時半には登山を開始する
という気合の入れ方で、憧れの西風の妖精に会いに向かったのでした。

<1> 三川山周辺

  
さて、登ろうと思うと、すぐに面白い発見があるのは世の常。どこからどう見ても
カールした葉っぱが転がっているだけにしか見えないムラサキシャチホコ(左)や、
ギンモンスズメモドキ(右)などを次々とGET。幸先がよさそうです。

  
歩きはじめると、アサツキ(左)が咲いていたり、オオイタドリ(右)があったりと、
薄暗い中にも発見が続くので、そのたびに撮影休止。歩みは遅々としてはかどりません。

  
そこら中に咲いているヤマアジサイ(左)を撮影していると、足元に不穏な影。
大慌てで落ち葉を掻き退けると、小さなイモリ(右)でした。なにしてんだ、こんな場所で。

  
面白かったのは、トチノキの大きな葉っぱのグルグル巻き状態(左)をたくさん見つけたこと。
一つホドいてみたら、中身は蛾の幼虫(右)でした。パワーあるなぁ、お前。

  
意外なほど色鮮やかなホシシリアゲ(左)も発見。そのあたりで沢沿いをみると、
サルナシ(右)が見事に咲いていました。ちょっと高かったので、デジスコで撮影。

  
本当に色鮮やかなイカリモンガ(左)も飛んでいました。山を登るにつれ、
ヤマボウシ(右)の満開の株がたくさん出てきて、嬉しい限り。

  
ツルアジサイ(左)と、イワガラミ(右)。同じような雰囲気のツル性アジサイ類ですが、
けっこうそこここに咲いていたので、じっくり見比べることが出来ました。
そうこうしているうちに、天気予報を裏切って、キレイに晴れてきたので大喜び。

  
このあたりから、ヒメキマダラヒカゲ(左)がやたら目に付くようになりました。
そして、小さな沢沿いで、仰天の花を発見!!! 天下の珍品、タジマタムラソウ(右)です。
この株、下山時に見ると散ってしまっていたので、本当のラストチャンスだった一枚ですね。
#左はヒメキマダラモドキになっていたので書き直しました。そんな蝶いないヨ(^^;

  
そして、すぐ近くでさらなる仰天が発生。そりゃ、これは驚くでしょ!?
心臓が止まるほど驚いた、ショウキランの大群落です。何株あったでしょうか。至福の瞬間。
喜びのあまり一人ダンスを踊っていると、トラックの運ちゃんが不思議そうに通り過ぎました。

  
アクシバ(左)はそこここに大満開に咲いていました。そして、上の方では
まだヤブデマリ(右)がけっこう花を残していました。

そうこうするうちに、山頂に到着。と、そこで蝶屋さんの知人2人と遭遇。
さっそく彼らに混じってあこがれのゼフを狙います。聞くと、朝一はフジミドリシジミが近場に
止まっていたとのことで見事な写真を見せて頂き、期待が一層深まりますが…

  
というわけで、そのあたりで飛び交っていたアイノミドリシジミ(左)と、ラッキーな瞬間、
ウラクロシジミの飛翔写真(右)。「例年より1週間遅く来たんですが、まだ早い様子。とにかく少ない。
いつもならこのあたりにいくらでもいるんですけどね」というのが、皆様のご意見。はぁ。

  
アイノミドリシジミの開翅(左)も、葉上に止まるウラクロシジミ(右)も、見つかるのですが
数が少ない&遠い。例年は数が多いので、あふれたやつが道端にもいるそうなのですが…

  
それでは、と前々から期待していた新兵器を始動。そう、デジスコです(笑
四苦八苦して、なんとか撮影できたウラクロシジミ(左)と、アイノミドリシジミ(右)。
さすがにアップで撮影できますが、よく見ると粒子が粗くてイマイチ。ムムム。

  
Kさんが他のポイントに行くというので同行すると、途中でアサギマダラ(左)が止まっていたり、
コケイラン(右)が咲き残っていたりと、面白い発見が続きますが、肝心のゼフは、遠くを
飛んでいたアイノとウラクロが1匹ずつ。う〜ん。

  
ヒオドシチョウ(左)がテリを張っていたり、テングチョウ(右)が無数に飛び交って
いたりするのですが、結局成果もないまま、アイノの活動時間帯も終了。
Kさんと別れ、しばらく粘りましたが、全く成果なし。長網の採集者の方々も成果は
少ないようでしたが、さすがにカメラよりは網の方が遠くまで届くので、この日見た
フジミドリは全部三角紙の中。聞いた話では、ほかにジョウザン、エゾ、メスアカも
出ていたそうなんですが……溜息をつきながらの下山となりました。


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