黒部渓谷への旅 〜1日目:水平歩道編〜05.08/14

さてさて、今年のお盆は、昨年と同様に、友人の働く山小屋へ。
昨年は黒部五郎の小屋まで行き、たくさんの高山植物と会えたのでワクワクしながら
調べてみると、今回の場所はなんだか妙に難所らしいので、ちょっとドキドキしながらのスタート。
前日は富山駅で野宿し、そこから宇奈月温泉経由の旅路となりました。
ちなみに、内輪向けですが昨年の山行日記はこちら(単一ページなので重いです)。

 @ 欅平〜阿曽原小屋 <前編> 

  
まずは宇奈月温泉から、名物トロッコ列車(左)にのって欅平まで。
到着してみると優美な風景の広がるところでした。

  
早速、駅の周辺を散策するとハクサンオミナエシ(左)がたくさん咲いていました。
近くにはヤマヤブキリ(右)も多数いて、にぎやかに鳴き交わしています。

  
ゴマナ?(左)や、盛りは過ぎていましたがクサボタン(右)などの
かわいい花も見ることができました。

  
岩場には所々にクジャクシダ(左)が着生しており、近くではハリギリ?らしい大木(右)も
花咲いていました。…ハリギリの花期って秋じゃなかったっかしらん?

  
わりとかわいいカメムシの類(左)を発見。ミヤマトゲカメムシ?でしたっけ?
近くにはオニルリソウ(右)まで数株咲いていました。

  
さらに懲りずにうろつくと、密かに初撮影のスジグロチャバネセセリ(左)を発見して感激。
近くには不思議な雰囲気のキノコ(右)もみつけました。ベニナギナタタケとかでしょうか。

と、ここで早速事件発生。歩いていると、見るからに魅力的な感じの甲虫が落ちていたので、
慌てて駆け寄ろうとすると、近くを歩いていた3歳くらいの男の子がむんずとつかんで、「パパァ」と
叫びながら持ち去ってしまいました。満面の笑みの彼の彼の手に握られていたのは、紛れもなく
立派なミヤマダイコクコガネ。逃がした獲物は大きく、旅の道中を暗示するような幕開けでした。

  
そうこうしてると完全に登山口(左)を行き過ぎていたので舞い戻って山にチャレンジ。
しかしまぁ、最初の登りのキツいこと!!!
今回は友人への土産もあって、割と大荷物だったこともあり、途中で、
もうゴメンナサイと言って帰ろうかしらん、と何度か思ったりました。
ちなみに今回の荷物はこんな感じ(右)。下のサブザックはひもと安全ピンで留めてます(笑
山に登る時も普段と同じ装備なので、純粋な山人には時に怒られます。タハハ。

  
さてさて、大汗かいて登っていくと、道端に花がポツポツ現われはじめました。
まずは、不思議な雰囲気のツクバネソウ(左)と、清楚なシロバナハナニガナ(右)。

  
かわいいミヤマママコナ(左)もたくさん咲いていましたし、
酸っぱくて美味しいスノキ?の実(右)もみつけることが出来ました。

  
やがて登りが一段落し、水平な道がしばらく続くようになります。
イヌブナの実(左)がたくさんなっているあたりで、意外な花を発見。
オオアキギリ(右)です。憧れの花だったので大感激しました。

  
ちょっとしめったところにはズダヤクシュ(左)があったり、カニコウモリ(右)の
わりとかっこいい花が咲いていたりします。

  
そうこうしているうちに、有名な”水平歩道”に到着しました。
のっけからこんな雰囲気で、ちょっと汗が引いたりして(笑
おおよそ1mちょっとの道幅で、右は壁、左は数百メートルの奈落という道がひたすら続きます。

  
対岸から見るとこんな感じです。本当に、水平に、ひたすらつけられた道なんです。
右の写真では登山者が歩いているのもおわかりになるでしょうか。
実際歩いてみると、落ちたら死ぬんでしょうけど、割ときちんと整備されているので足元が
危ないようなことはめったにありません。ただ、ドジな私は3度ほど落ちそうになりました。
実は今回は私の後輩が一人参加する予定だったのですが、水平歩道の写真を見せたら
「お腹が痛くなった」ということでキャンセルされちゃいました。うん、まぁ、気持ちはわかる(笑

  
その奈落の下は、と言うとこんな感じのステキな渓谷で、時々雪渓(左)も姿を見せます。
歩いていると、突然目の前の壁にキベリタテハが止まって、ドキドキしながらシャッターを切ると
その瞬間に電池が切れ、同時にキベリタテハが飛び去るという惨事が発生し、その時は
瞬時、真横のステキな渓谷に身を投げようかと思いました。

  
切り立った地形なので、そこここに小さな沢が流れていますが、ミゾホオズキ(左)と
イワアカバナ(右)が咲いていて逆にビックリ。後で調べると標高は結構低い場所なんですね。

  
それでも、ミヤマトウキ(左)らしき花や、ソバナ(右)なども咲き誇っていて、
山に来たんだな、と言う感じは盛り上がってきます。

  
さらに行くと、崖にへばりつくように咲いているオオコメツツジ(左)や、
タケシマランの赤い実(右)などにも出会うことが出来ました。

まだまだ先の長〜い山の道程の続きは後編で…


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