A 欅平〜阿曽原小屋 <後編> |
というわけで、前編に続きましてこんな感じの水平歩道をひたすら歩きます。
コースタイムで4時間ほどなので10キロ弱かな?
高所恐怖症の方や、心臓の弱い方にはオススメ致しませんが、自然好き、山好きの方には
一度歩いてみる事をオススメします。なんだか色々なことを感じ取れる道だと思います。
こんな感じで、山に来た感じがわっと盛り上がるような花にも出会えます。
いずれも本当に色鮮やかなカライトソウ(左)と、マツムシソウ(右)
奥に行くほどに、ミヤマママコナ(左)やハクサンオミナエシ(右)は群落が
多くなっていくように感じました。
かわいいヒロハツリバナの実(左)や、小さなランの仲間、ミヤマウズラ(右)
などにも出会うことが出来ました。
はやくもアキノキリンソウ(左)も1株だけ咲いていましたし、付近の岩場には
オオイワカガミらしき花後の個体(左)がたくさん見られました。
沢では一箇所だけ、ジャコウソウ(左)も咲いていました。
ちかくにはかわいいシダの仲間(左)もたくさんありましたが、名前は不明……
ちなみに昆虫の写真が少ないとお思いでしょうが、ずっと崖地なので実際に
昆虫に出会う機会が割と少ないコースなんです。でも、ミヤマフキバッタの仲間(左)や、
ササキリモドキの仲間(ヒトコブササキリモドキ?;右)などにも会えました。
あまりよい写真でなくて申し訳ありませんが、エゾハサミムシ(左)も発見。
近くにはこちらも名前のよくわからないイチゴの仲間が咲いていました。
ハクサンシャジンの白花(左)なんてものから、イケマ(右)の白い花まで
まだまだ面白い出会いは多数。
ちなみにこんな感じの沢がそこここに流れ込んでいます。
2箇所ほど沢の下のトンネルをくぐる場所もあるのですが、急いでいたので写真は割愛。
岩場を過ぎると、林の中のコースになりました。そこでも
ヤマブキショウマ(左)や、名前のわからない赤い実(右)などなどを発見。
さらにひたすら歩くと、樹々の隙間から、今晩お世話になる"阿曽原小屋"が見えてきました。
割と立派なつくりのこの小屋、雪崩を避けるために秋になると分解してしまう、プレハブ構造
らしいとの話を後にうかがってびっくり。そうは見えない頑丈な雰囲気なんですけどね。
最後の道程をひたすら急ぎますが、それでもツルリンドウ(左)や、
満開のタニウツギ(右)などを見つけて撮影するのでなかなかゴールに着きません。
小屋のすぐ近くでは、タマガワホトトギス(左)を発見して大興奮。
近くにはハナチダケサシらしき花(右)もありました。
といったあたりでようやく阿曽原小屋に到着。友人に再会し、土産を渡し、
宿泊手続きをしてまいりました。ここまで6時間。う〜ん、コースタイムよりかなり遅い…
荷物を置いて、さっそくちょっと奥にあるというダムの方へ。
道中、マンネングサ系の花(左)や、ヤマトキホコリ(右)等を発見。
1時間ほど歩くと、仙人ダムに到着。近くには職員の方の宿舎(左)があってビックリ。
後で話を聞くと、実は欅平から黒部ダムまでは地下トンネルで専用軌道が設置されており、
職員さんはその路線で登るとのこと(もちろん一般人は使用できません)。
余談ながら、そのトンネルの製作に関わる小説、『高熱隧道』を下山後読みましたが、
当時の常軌を逸した状況が巧みに描写されており名作です。一読をお奨めします。
ホソバキリンソウ(左)もありましたが、まだつぼみでした。
近くの小さな池ではタカネトンボ(右)を発見。しばらく撮影にチャンレジしましたがすでに暗くて…
山小屋に戻ると、予測どおりかなりの雨が降ってきちゃいました。
晩メシ後、相も変わらず元気一杯の友人と杯を傾けながら近況報告&四方山話に。
彼女は今年春まで、半年以上アフリカを旅しており、当時書き溜めたスケッチを
見せてもらって大感激。いや、お世辞抜きに傑作と思いました。いいモン見せてもらいました。
しかし話をしている間も激しい雨が屋根を叩き続けます。
さらに、友人に詳しく聞くと、一応ムリすればあと2日で山の反対側まで行けるけど、
途中で雨が激しくなったりすると保証できないのでオススメしないとのこと。
各方面の話を総合すると、あと1日あればいろんな場所にいけたのに、という結論でした。
う〜ん、割と幸先のよくないスタートになったような気がしつつ…