秋吉台遠征 〜幻のチョウに出会いに〜05.07/16

今回の三連休は信州遠征を企んでいたのですが、ド真中の日に法事が入ってしまい、
遠征できなくなった悔しさを紛らわしに、チョットした所用ができたのをこれ幸いと
山口まで遠征して、ついでにあこがれの秋吉台を来訪しました。
久しぶりに前日から電車で移動し、駅のベンチで野宿して始発のバスで秋吉台に到着。
この無計画&寝不足があとで深刻な結果になるとはこの時点では思いもしないのでした…

 <1> 秋吉台高原 AM編

  
というわけでやってきました秋吉台。
こんな感じのカルスト地形が一面に広がっていて本当に爽快な感じ。
この時点ではかなり雲が多くて、天候がかなり不安なスタートでした。

  
さっそく、色鮮やかなカセンソウ(左)や、スズサイコ(右)などステキな植物に出会えました。
そもそも秋吉台に来ようと思ったのは、ネットで見つけた「秋吉台の植物」という書籍のおかげ。
あまりにステキな花の連発に驚き、「いやまてこんなのは著者がウン十年かけて探したんだから、
そうそう見れないはず、冷静に、冷静に」といいながら気付くと時刻表を繰っていた自分がいました。

  
うろつくと、ダイミョウセセリ(左)や、キリギリス(右)などにもたくさん会えました。
ちなみにこの個体だと「ニシキリギリス」という種類になるんですね。最近知りました。

  
草地全体にメチャクチャたくさんみられたのはジャノメチョウ(左)。1視界に3匹くらいいる感じ。
んで、こいつは羽化不全の♀(写真上)に執拗に求愛中の♂(写真下)です。
目玉模様のステキなハグルマトモエ(左)にも出会えました。

  
しばらく歩くと前方にオレンジ色のチョウ。さては!!と追いかけると、
目的の某種ではなく、クモガタヒョウモン(左)でした。でもなにげに私は初撮影。
近くのシオデにはルリタテハの幼虫(右)もみれました。

  
ニガイチゴの色鮮やかな実(左)も数箇所でみました。
多かったのは可憐なコオニユリ(右)。シャッターを切ったらナミアゲハが一緒に写ってました。

  
草地をじっくり探すと面白い出会いはまだまだ続きます。
なぜかからからに乾燥した場所にあったカキラン(左)。おいおい湿地性の植物じゃなかった?
そして割と珍品のサンヨウシャジン(右)も見ることが出来ました。

  
こちらも以外にたくさん見れたのは、白い花の帰化植物、ノラニンジン(左)。
そしてしばらく歩くと、またオレンジ色の影。
今度こそ、と思うと今度はなんとツマグロヒョウモンでした。この日は多数見かけました。

さらに歩くと、またツマグロヒョウモンの多い一角にぶつかりました。
まぎらわしいなぁ、と思いながら見ているとフイに遠方をちょっと色の違う個体が飛びました。
これはもしかしたら、そう思った瞬間、私はカバンを放り投げて猛ダッシュしていました。


いた〜〜っ!!!

憧れのチョウ、日本で一番減少して一番絶滅の恐れがあるといわれている
オオウラギンヒョウモンです。もちろん初撮影。
この場所は割と小面積でしたが、多数の舞を見ることが出来て本当に感激しました。

  
というわけでご紹介しましょう。
まずは♂の裏面(左)と翅表(右)。♂は小型で、わりとスレてる個体が多いようでした。

  
続いて、♀の翅表(左)と、翅裏(左)。
メスは大型で、新鮮な個体が多いようでしたが、警戒心も強くて撮影は難儀しました。

てなわけで、数十枚を撮影して本当に大満足。
本来は本州から四国・九州にかけて広く棲息していた本種は、草地環境の減少などにより、
現在九州の数箇所を除くと、この場所でのみ棲息が確認されるまでに激減しました。
ぜひこのステキなチョウを構成まで残していけるように、密採集の中止と、
保護活動へのご理解とご協力を、この場でお願いしたいと思います。


ちょうどその頃から天候が回復し、一面の青空が気持ちよかったのですが、
それがどういう結末になるかは続編でお届けいたします。


次へ⇒

topへ⇒