そういえば、地元西播磨の早春の珍品たちにまだ会いに行ってないな、
ということで今回は船越山に再訪いたしました。
一般にはモンキーパークくらいしか知られていませんが、
通にはかなり有名な植物の宝庫なんです。
南光町船越山 |
というわけで、船越山に来ると最初に必ず訪れるのは
入り口にある兵庫県昆虫館。
虫の展示も魅力的ですが、なにより周辺に珍しい植物が
かなり植え込まれていて季節の花が楽しめるのが最大の魅力!!!
というわけで、まずは昆虫館の周りの植物から。
左は鮮やかなイワボタン。右は関西では珍品、レンプクソウ。
その他にもトキワイカリソウやキクザキイチゲなどなどの花を楽しめました。
存分に楽しんだ後で、船越山に突撃。
沢沿いにはサワハコベ(左)の白い花がポツポツと咲き、そこらじゅうに葉を伸ばしている
ヒメレンゲ(右)にも早くも1花だけ開いているものがありました。
しかし、さすが天下の名所。珍しいものが次々と見つかります。
左は沢沿いで結構見られたケクロモジ。岡山での時はよくわからなかったのですが、
今回は密生した毛の様子で私でもよくわかりました。
斜面沿いには台風の影響か倒木がたくさんありましたが、その中には一面にびっしり
ムギラン(右)のついているものも。花の時期が楽しみです。
その後も面白い発見は続きます。
左はカヤランのつぼみ。こちらも倒木から落ちてきたのでしょう。
右は本当の大珍品。播磨周辺にしかないハリママムシグサです。
まだまだ発見は続きます。
沢沿いの地面でふと見つけたキクガラクサの葉(左)。もう少ししたら白い可愛い花を
咲かせるはずです。右は山の中で1枝だけ花をつけていたエドヒガン(?)の白い花。
しばらく散策した後、道を外れて沢沿いに登りました。
岩がごろごろしている場所で、伏流水が流れているらしく湿度が高く、
面白い植物が目立ちます。
左はコタニワタリのかわいい芽生え。右は鮮やかなツルネコノメソウ。タチネコノメソウでした。
巨大な岩がごろごろ積み重なったような沢なので、地下に隙間が結構出来ています。
左の穴は割と大きくて、「コウモリがいたら面白れぇな」と思いつつ
もぐりこんでみたら本当にいました。不思議な面構えのキクガシラコウモリ(右)です。
岩にも面白い植物が結構着いています。
左は密生した褐色の毛が柔らかそうな雰囲気のその名もビロードシダ。
右は夏ごろに紫色の妖艶な花を咲かせるはずのイワタバコ。
と、さらにビックリなものを見つけました。
オチフジ(左)です。全国でも数箇所しかない大珍品。この山にあるとは聞いていましたが、
出会えるなんてラッキーと思いましたが、残念ながら花は咲いていませんでした。
走行するうちに沢のどん詰まりで行き場を失い、大汗かきながら急な斜面を登る羽目に。
フイリシハイスミレ(右)がそこら中に咲いていたのがせめてもの救いでした。
で、急斜面を登って、さらに急な斜面を下っていくと、やがて意外な場所へ。
そう、いつのまにかモンキーパーク(左)の裏側の山に迷い込んでいたんです。
そこら中をうろうろしているニホンザル(右)にドキドキ肝を冷やしながらゆっくり斜面を下りました。
モンキーパークを越えて船越山のメイン(?)の林道を歩きます。
ここでも発見は続きます。先ほどのハリママムシグサに続き、ナンゴクウラシマソウ(左)を発見。
残念ながら花はようやく咲き始め雰囲気でした。
周辺にはハリママムシグサによく似たムロウテンナンショウ(右)もたくさんありました。
沢沿いをゆっくり歩くと、オオルリやキビタキの声が響き、カワガラスが岩場を飛びます。
左は途中で見つけたヤマルリソウ。普通は青色の花ですが、なぜかこいつはきれいなピンク。
周辺にはチドリノキ(右)も地味な花を咲かせていました。
のどが渇いたので沢に降りて水を汲んでいると、突然ガサガサッという音。
振り向くと、アナグマが慌てて逃げていくところでした。
こんな真昼間に何をしていたのやら。
大慌てでカメラを向けたものの、当然間に合わず小さな後姿。
起動の遅いデジカメはこれだから…
そのあとしばらく歩きつづけると、途中の防砂ダムあたりでへたり込んじゃいました。
考えたらメシも食わず、6時間以上斜面を登ったり下ったり…体力は限界。
というわけですごすごと引き上げることに。
左は途中でみつけた可愛いシデムシの仲間(名前は調査中)。
#クロボシヒラタシデムシだそうです。Mikiさんありがとうございます!
右は瑠璃寺の境内にある、いつ見てもさわやかなアオネカズラ。
付近に唯一ある商店で菓子パンを買い込んで復活したあと、
しばらく近くのキャンプ場のまわりを歩いてみました。
こちらでも様々な植物を観察でき、ヤブサンザシ(左)や、フッキソウ(右)など
わりと希少な植物も見れました。
うん、よいとこじゃ。
次回はきちんと食料持って再挑戦ですな。
というわけで満足しきったあとで突如高速にのり、一路広島へ。
翌日の目的地帝釈峡付近の駐車場に今宵の宿を設け
(つまり車を駐めて寝袋を用意し)ました。
明日はさらなる珍品との出会いを期待です。