自宅で一休みした後で、自転車でよろよろと栗栖川本流へ。
ひさしぶりの栗栖川は、変わりなく雄大な流れを刻んでいる。まずは右岸に沿っていくと、
川辺の小さな調整池の近くで、未熟なモノサシトンボ♂を確認。田んぼのあぜには
クララやカワラマツバがそれぞれ異色な花を誇らしげに揺らしていた。
しばらくうろうろとしてみたが、サナエトンボの姿は全くない。よくみると上流の方で
護岸工事があったのか、コンクリートのアクがけっこう流れており、変わらないような風景の
中にもひっそりとした変化があるのかもしれない。
川の中には相変わらずオイカワやカワムツの姿が目立つ。長靴を忘れたので、川辺を歩ける
場所を探すうちに、今年の正月にオオカワトンボのやごを捕まえたあたりに差しかかった。
もしかしてと思ってさっそく川辺に。と、いた。こげ茶色の翅も凛々しい、オオカワトンボの
♂だ。よく見ると周辺に薄茶色の翅のメスも飛んでいる。宮内で見たニシカワトンボと比べ、
やはり体格ががっしりして見える。混棲地ではニシカワトンボが透明翅、オオカワトンボが
有色翅というパターンは栗栖川でも健在のようだ。
しばし感激しながら見ていると、黒い翅のトンボが視界を横切った。「もうハグロトンボ
が出ているのか、早いな」と気にもとめなかったが、すぐ目の前に止まった姿をよく見ると、
翅に白い点がある。アオハダトンボだ!!
清流に棲み、兵庫県のレッドデータブックでも絶滅危惧種とされている希少種。さらに、
私の知っている限りでは揖保川水系からは記録されていないハズ。しかし、目をこすって
改めて見ても、ハグロトンボより色っぽい緑光沢の入った翅は間違いようもない。
あわてて周りを探すと5〜6匹は見つかった。
このあたりはやごを集中的に調べた場所だが、まさかアオハダトンボがいるとは思って
いなかったので、すべてハグロトンボとして記録したのだろう。意外な発見というのは以外に身近に
あるものである。
この日は空模様が怪しくなったので、それ以上は探索せずにがさがさ団を終了した。
結局サナエトンボは旧芝田橋周辺では見れず。タイミングの問題だろうか。
地元初記録かと、意気揚揚と撮影したアオハダトンボの写真データは、fujitsuの例のリコール騒ぎに
なったHDDの中で、ある日突然帰らぬものとなった。来シーズンも健在を祈りたい。
○確認した主な生物○
アオハダトンボ・オオカワトンボ・モノサシトンボ
ジャコウアゲハ幼虫・コミスジ・ラミーカミキリ
クララ・カワラマツバ、オドリコソウなどなど
HDD破損によりデータがトんでおり、あいまいな記憶に基づく部分があります
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