なちゅれ・小笠原旅行紀

9月16日
父島再訪・宮ノ浜で泳ぐ

母島丸に乗りこんで、いつものように一番上の甲板で海原を眺めていましたが、雲一つない快晴 のおかげか、一番上の甲板に出てくる物好きはほとんどおらず独占状態。 これはこのままイルカやらクジラやらを独占しちまえと四方八方に目を走らせていましたが、 いけどくらせど真っ青な海原。
ふと目が覚めると父島の二見港が見えてきていました。シマッタ、ネチマッタ。
無事父島に到着後、さっそく我らが宿場である「美空荘」へ。父島滞在組2人の本日の 動向は部屋にメモ書きを残してもらっているという手筈になっているのです。
と、部屋を空けると二人の顔。
「お〜。来たか。じゃ、飯でも食いにいくか」
なんとも素な対応に、一瞬湘南台の自宅に帰ったかのような気分になってしまいました。


母島丸より遠ざかり行く母島。すぐに夢の中へ

今回お世話になった見空荘。

さっそく「horizon dream」の逸品のパンを買いこんできて昼飯にした後、私が使う レンタルバイクを探し回ったりとしばし時間をロスしつつ、出発。
行き先は、島の北側にある「宮ノ浜」。母島ではまったく海に近づかなかったので 今度は泳ぐぞと、個人的な決意をメラメラ燃やしながら到着すると、浜は南国チックな雰囲気を 漂わせています。
松井さんは午前中に泳ぎ疲れたということで散策に回り、私と悟郎氏はさっそく 海中へ。と、けっこう水が冷たい。しかしあいかわらず海中にはたくさんの魚が 色とりどりに泳ぎ回っていて、何年かぶりのシュノーケル姿で潜ると、気分は かなり爽快。
しばらくガキのような勢いで、どこまでも魚を追っかけながら泳ぎつづけました。 しかしあいかわらず小笠原で会う魚の美しいこと。
私のデジカメには水中用のハウジングが市販されてないため、みなさんにその姿を お届けできないのがなんとも残念でたまりません。再訪する時にはかならず水中用の デジカメを入手してやるぅ〜〜!!!
後日図鑑と首っ引きでしらべてみると、ウメイロモドキ、アオヤガラ、ヘラヤガラ、 アケボノチョウチョウオ、ハタタテ、タテジマキンチャクダイ、オヤビッチャ、クギベラ、 ヤマブキベラ、アオブダイ、オビブダイ、etc、etc。大満足。
けっこうクタクタになるまで泳いでしまうと、すぐに日の傾く時間。松井さんは 夕日を見に一足先にウェザーステーションに向かい、我々もすぐに出る準備を開始しました。


宮ノ浜。エエとこです。

海から上がる悟郎氏。

浜辺に咲いていたモンパノキ。不思議な形の花

モンパノキにきたハチの仲間。ちょっと美麗種

しかしここでトラブル発生!!!
すっとんでウェザーステーションで夕日を見るぞと意気込んだ後発隊2人ですが、 出発しようとすると、なぜか私のスクーターのキーがない。 ポケットの中、着替えた場所、通った道、すべて探すけどどこにもない。ないったらない。
途方にくれた挙句に悟郎氏に頼んで、レンタルバイク屋さんに事情を説明しに行ってもらう ことにしました。 待っている間、さらに念には念を押して再捜索。その間にも空はどんどん紅を増していきます。
「あ〜、こりゃ弁償だなぁ。しょてからこれじゃぁ、やばいなぁ」
頭をガシガシかきながら、荷物を置いていた小屋の地面をガサガサ探るともなく掻き回していると、 その手に異物感。
そっと取り出してみると、間違いなく私のキーです。願いは天に通じた!!
しかし、悟郎氏がすでにレンタルバイク屋に行っています。大捜索隊が来る前にくいとめなくては いけないと、とりもなおさずスッ飛ばして店へ。
「すいません、先ほど鍵をなくしたかもと言いにきたやつがいると思うんですが……」
「あら、その人なら合鍵もって走っていったわよ」
マンガのように綺麗なすれ違い。仕方なく宮ノ浜に戻ってみても、悟郎氏の姿はなし。 ヤバイなぁと思いつつ、とりあえず松井さんに知らせようとウェザーステーションに向かいました。
急な坂を突っ走っていると、夕日が沈んだらしく、急に空がグンと青っぽくなるのがわかりました。 到着すると、ちょっとビックリするほどの人数が夕日を見ていました。4〜50人というとこ でしょうか。かつては、20人そこそこで見ていたと思うのですが、有名になったんだなぁ。 松井さんを見つけて声をかけると、なんとそばに悟郎氏もいました。なんでも宮ノ浜に戻ったら いなかったからここだろうと思ったとのこと。
「今きたんかぁ。今日は水平線に雲が全くなくて、沈んで行くのが最後の最後までくっきり 見えたぞ。すげぇキレイだった。もう二度と見れんね。ほらほら」
松井さん撮影のものスゲぇきれいな夕日をデジカメの液晶で見つつ、周りの見物人の満足そうな 顔を見ていると、もう悔しいったらありゃしない。千載一遇のチャンスを逃したようです。 余談ですが、ウェザーステーションの展望台、かつては屋根に登って夕日を眺めたものですが、 一部改築されたようで屋根には登れない構造になっていました。あぁ、あの屋根の上から見る 夕日こそ、本当に最高に気持ちよかったのに、残念。

とりあえずゆっくり宿に戻り、近くの「丸丈」で定食を食べて一段落。 ここの定食は、ハズレがないのでお勧めです。私たちは結局晩飯はすべて この店で食べちゃいました。
その後はしばしゆっくりしてから、星を見に出かけました。まずは松井さんの見つけた 夜明け山近くの展望台。高々と登る月が美しく、なんとも幻想的な雰囲気を醸し出して いましたが、そのせいで星の方はいま一つでした。
しばし露光やらシャッター速度やらを変えながら撮影に取り組んだ後で、こんどは再び ウェザーステーションへ。
こちらも当然月明かりのせいで満天の星とはいきませんが、月明かりが長く海原を照らし出す様子は、 本当に美しいものでした。
私の技術ではどうしても写真に残せなかったのが残念ですが、あれは視界一杯に広がってこそ 美しいものですから、所詮撮影しようというのが貧乏根性なのかもしれませんね。


薄く雲がかかった幻想的な月。現物は200倍ほどキレイです。

海原を走る月明かり。写真では切り取れない絶景

そのあと私と悟郎氏の2名は、赤灯台まで夜釣りに出かけました。
今回の宿は素泊まりなので調理器具がなく、目標は「刺身にできるヤツ」。
とりあえず港のコンクリートに腰掛けて、用意をします。とはいえ、小笠原で 使う仕掛けはいつも簡単なもの。売ってる状態のままの釣り糸の先に針をつけ、 途中に一応重り。そんだけ。餌は売っていたムロアジを適当に手でちぎって つけます。そんでもって座ってる足元にボチャン。
懐中電灯で照らしてみると、岸壁にいろんな魚影が見え隠れします。悟郎氏は なんとミノカサゴが逆さに泳いでいるのを発見しました。
肝心の釣りの方は、放り込んで、待つと言うほどの時間もたたないうちにグイグイっと あたり。引き上げてみると斑点を散らしたなかなか色っぽいハタの仲間。
どこからともなく人影が近づいてきて、
「釣れましたね。それ、どうします?いらなければ下さい。サメを釣るんで、生き餌に ちょうどいいんですよ」
刺身では食えないということで、彼らに献上。彼らは赤灯台の堤防の上から長い竿を 投げ始めました。
こちらは相変わらずしょぼい仕掛けをポチャン。するとグイグイッとあって、また同じ 魚。釣れるのはうれしいけど食べられないんじゃしょうがないと、ちょっと移動。 ボチャン。グイグイッ。今度は違う種類ですが、またハタの仲間です。
「兄貴ぃ、違うの釣ろうぜ、違うの」
またちょいと移動。とたんにパタッと食いが止みます。私がやって、悟郎氏がやって、 ウンともスンとも糸が動かない。しばし悠久の間が流れます。
すると突然、水底から何か黒い影。
「わぁ、あれなんだ?スゲぇ!!でっけぇスティングレーだ!!」
一時期熱帯魚にハマッていた悟郎氏が叫びます。悠々と姿をあらわした大きなエイは、 体長1mくらいあったでしょうか、丸っこい体をひらめかし、あっという間にまた 海底のほうへ沈んでいきました。
その後しばらく粘るも、ハタ類その1とその2が時々釣れるだけ。 変わりばえしない成果に飽き、「サッカーの試合が始まる」という悟郎氏の主張のもと、 宿屋に戻りました。
悟郎氏はその後夜半までTVをにらみつけてサッカーの試合を堪能し、私はいつのまにやら 泥のように寝こんでいました。


赤灯台の根元で釣ってみる悟郎氏

港にいたネッタイミノカサゴ。きれいっしょ?

釣れた魚その@、名前はわからんけどハタの仲間

釣れた魚そのA。こちらもハタの仲間




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