再・BoninなGWC〜唐突な大幸運〜 11.5/2
  
<2>小笠原・母島 続き

  
さて、さらに周辺をうろうろすると、なんか面白そうなキノコ(左)も発見。カワラタケ系
でしょうが、この手の名前なんて調べてもよくわからないんだろうなぁ。付近の
倒木には、小さなオガサワラシシラン(右)もパラパラと生えていました。

  
おおっ!と思ったのは本土じゃ大貴重品、マツバラン(右)。胞子葉なかったけど。
キンモウイノデ(右)もパラパラと見つかったりしてなかなか楽しめます。

  
ムニンシダ?(左)も見つかりました。この手はややこしいので自信はないけどたぶん…
気になったのは、近くの倒木を蹴っ飛ばしたら中から出てきた大きなカミキリムシ幼虫(右)。
シロスジカミキリくらいのサイズがあったのですが、小笠原ってそんな大型種いたっけ?

  
さらに場所を変えてうろうろすると、いい感じに咲き誇っているムニンテイカカズラを発見。
霧の中の薄暗いトコロでは撮影は非常に難儀でしたが、やっぱりかわいいですよね。

  
近くでは、オカヤドカリ類にも逢えました。ムラサキ〜ではないのは確実ながら、この手は
図鑑がなくてよくわからんのですが、捕まえたときに結構大きな音でグウグウないたので
おそらくはナキオカヤドカリってやつだと思うんです。ええ根拠ナイですけど。

  
面白いあたりでは、ムラサキオモトの群落(左)もありました。結構びっくりしたのは、よくよく
見ると、奇天烈な形の花(右)をつけていたこと。え〜、キミはこんな花つけるんだ〜。

  
その後も特に成果がないので、朝っぱらのポイントの周りを探索範囲を広げてグルグルと
しつこくうろつくことにすると、大満開のシマギョクシンカ(左)を発見。こりゃ見事。
あたりにはこれも小笠原名物、セイロンベンケイソウ(右)も面白い花をつけています。
しかし、やっぱりここでも成果は期待できない雰囲気。もう宿帰ってフテ寝しよっかな〜


などと思っていると、ふいに近くの梢の上にチラチラと舞う影が!
一気に興奮してキュッと心臓が痛くなり、呼吸困難に陥りながらそいつを睨むと、
ツイと止まったその姿は、おおおぉ!オガサワラシジミじゃないですかぁ!

さっぱり予想していなかった出会いにメチャクチャ大興奮しましたが、
でも結構距離がある。こういう場合には必殺デジスコだ!しまった下に置いてきた!
ということで転がるように走り出すことになりましたが、興奮のあまり足がもつれて
実際二度ほど転びつつ、猛ダッシュでデジスコ抱えて戻ってきたスピードは、
もしかしたらカール・ルイスに勝てるんじゃないかという勢いだったと思います(笑

  
なかばパニックになりつつ大急ぎで組み立てて、なんとかアップ撮影も成功☆
いやぁ、ダメだと思い込んでいたから、本気で大興奮!
嬉しさのあまり本気で泣きました。いやぁ、ここまでの道のりは長かった〜

  
嬉しいことにこの個体はその場所でテリを張っているようで、チョコチョコと飛んでは
葉の先端に止まる(左)ので、嬉しさのあまり相当メチャクチャな枚数を撮ってみたり。
しかも、しばらくバシバシと撮影していたら、すっと薄日が差してきたかと思うと…
なんとV字開翅(右)まで見せてくれたじゃないですか!も、もう感涙しまくり。

  
その後も粘って、もうワンチャンスのV字開翅(左)もなんとかおさえることに成功。
気に入った場所は限られているようで、このヤロードの葉上には
何度も飛来しましたが、まぁしかし、裏面のブルーメタリックが美しすぎる!!

  
でもデジスコばかりじゃなく手近でも撮りたいなぁと思っていると、ふいに彼は
ツイと飛んで、少し離れたセンダングサで吸蜜(右)を見せてくれました。
感激するもすごく敏感でチョコチョコ飛んじゃったのですが、そんな中で一度だけ
比較的近くの葉上に止まった(右)ので、デジスコじゃなくFZ100でも撮影成功。

  
その後は彼はしばらく再び梢でのテリ張り方面に頑張られていたので、
またぞろデジスコで遊ばせていただいたのですが、また何の拍子かツイと飛んだかと思うと、
結構手近なセンダングサで吸蜜(左)をご披露いただいたんです!
心臓バクバクになりながら、そっと近づいてドアップ撮影にも何とか成功!
その後、数秒だけ手近な葉の上(右)にとまってもくれたあとで、ツイと上空に飛び去ったきり
戻ってこず、やがてあたりを濃密な霧が覆いはじめましたが、これだけ撮れりゃ大満足!
その場にペタンと座り込み、なんどもデジカメのモニターを眺めなおしたりしつつ
なかば呆然としながら、この可憐な蝶のことや、前回の総空振りな旅のこと、
そして学生時代の小笠原旅のことまで、頭の中をグルグルといろんなことが巡って、
なんとも不可思議にのんびりとした時間をしばらく過ごしたのでした。
いやはや、なんせ、大願成就!神様ありがとうございました!

  
欲深きワタシは、それではもう1つのターゲット、ということで海岸の草地をうろついて
みることに。すると、なんか面白い風情のテリハハマボウの落花(左)を発見。
あと結構びっくりしたのは、海岸で見つけたアツバクコ(右)。大東島以来の出会いですが
あとで調べるとここと大東島だけの共通種なんですね。なんか面白い分布だなぁ。

  
さて、海岸を何箇所か巡ると、コバナムラサキムカシヨモギ(左)があったり、かわいい花芽を
つけているアカテツ(右)があったり、ささやかな出会いが結構続きます。

  
かわいらしいサイズのオカヤドカリも数匹発見。左はムラサキオカヤドカリだろうけど、
右は……ただのオカヤドカリってやつかなぁ。この手のわかる図鑑ってないモンですかねぇ。

  
大きな海産の貝の殻に入ったオカヤドカリ類(左)も発見。こいつはかなり内陸部で見つけ
たんですがアフリカマイマイが出現する前は、成長するとこうやって海岸の大物を見つける
という幸運が必要だったんですよね。そう考えると面白いもんだ。
そんなこと思いながら、草地をウロウロすれども、出てくるのはひたすら
ウスオビクチバ(右)ばかり。う〜ん、そうそう簡単にはいかんわなぁ。

  
面白かったのは、ものすごく久しぶりに会ったマルバシマザクラ(左)。
しばらく探すと、けっこう花盛りの株(右)も1つだけ見つけることができました。

  
港に戻ると、浅瀬を泳ぐシマハギ(左)を発見。う〜ん、さすがにピント合わないなぁ。
ボラ類(右)も泳いでましたが、こんな南海だと種類が多すぎるもんで特定不能(^^;

  
一日中霧だったからか、あちこちでウスカワマイマイ(左)は元気に活動中でした。
港でササゴイ(右)がいるのを教えてもらい、FZ100+テレコンでSS1/10秒に挑戦して
みるも、やはり手持ちではムリがあってこんな程度、というオチでした(笑

というわけで、大願成就な最良の1日となりました。
思い起こせば最初に小笠原に来訪したのは94年ですから…わぁ、だいぶ昔になるなぁ。
それから数年、学生ならではの気楽な旅で、母島にも何度も足を伸ばしていますが
一度も見ることなかった憧れでマボロシなるものとの出会い。
願い続ければかなう、というのか、単にしつこかったというべきか(笑
面白かったのは、あれだけバシバシ撮ったのに、なんか現実感がなかなか沸かなくて
さっきのホンマかな?という感覚がしばらく抜けなかったこと。
それでも、同宿の人々に「良かったですね!」と、ものすごく褒めていただいてから、
さらに宿で一人祝杯をあげながら画面を何度も何度もながめてるうちに
ようやくひしひしと実感が沸いてきて、思わず酒をおもいっきりがぶ呑みしちゃい、
この日は夜の探索に行く前に倒れこむように寝ていたのでした。万歳。


次⇒

topへ⇒