落しモノめくり〜酷暑の牧地で〜 10.9/4

この日は、前々からタクラんでいたマル秘企画発動。
草原で、牛さんの落しモノをめくってツノツノな虫を狙うという、
これだけでわかる人には通じる企画です。
まぁ、平たく言えば糞虫探しというわけでですので、
その手の映像のダメな方はどうぞここらで退散を(^^;
狙うは前々からステキすぎるウワサを聞いていたとある牧地。
さすがにココントコの酷暑の中、真昼間に挑戦したら
間違いなく熱中症で天に召されることになるので
早朝も日の出直後くらいからの挑戦と気合を入れて挑みましたが
散々苦労したものの、なんとか憧れのあの虫に遭遇!
しかし、その後は全く何の成果もない寂しい一日となったのでした(笑

<1>島根県某所

  
というわけで、冗談でもなんでもなく、見事に広がる朝焼けを眺めながら
牧地を歩き始め、せっせと棒切れで牛の落としモノをひっくり返していくことに。
初手からオオセンチコガネ(左)がいてオオッと思いましたが、
その後はなんかハネカクシ類(右)がパラパラ見つかる程度。むむっ?

  
しかし、数十個もひっくり返していくと、どの新鮮さの落としモノがよいのか
というのがおぼろげにわかってきます。そして、そんなピッタリな状態の物件には
裏側に大量の穴が開いていて、カドマルエンマコガネがわんさかと。
しかしこれが、一瞬たりとてじっとせず、ひたすら歩き回るので撮影は超難儀…
しかし、その後もかなり広い範囲を歩き回り、相当数の落としモノを
ひっくり返しますが、さらに小型のマグソコガネ系は出るものの、肝心要の
「ツノツノな虫」は出てきません。やはりそう甘くはなかったか。
半ば諦めつつ、黙々と見つける端からひっくり返していったところ…


うわっ!出た〜〜〜!
ようやくご登場です。憧れのダイコクコガネ様!しかも小型だけど♂だし!

  
大喜びでバシバシと撮影しますが、やはりこの顔つき、
そしてこのツノ!なんともたまりません。もうウットリです。
(ちなみに、ちょっとゴミを落としてから写真を撮ればよかった
かもと気付いたのは、帰宅してからでした。たはは、反省。)

  
つつくとしばらくはじっとフリーズしているのですが、やおら動き出すと勢いよく
潜っていくのがちょっと印象的でした。ツノはジャマじゃない?とか思ってましたが、
よく見ると顔の先端がシャベル状になっていて、潜りやすい形なんですね。

  
嬉しすぎたので、もう2枚ばかり。突進し始めると本当に重機風でいいなぁ。
んで、調子に乗ってその後もしばらく探すも追加はナシ。
というか、その頃にはすでに背中をジリジリと焼き続ける日差しに根負けして
逃げ出すように退却したというのも大きな理由ですが。寝不足だったし。

  
牧地の中には、ツマグロキチョウもかなりの数が飛んでいました。
しかし、暑すぎるからか、ほとんどの個体が完全ノンストップ。
かろうじて地面に降りた個体を撮影できたものの、こんな程度。
いやはや、まだ8時前だったんですが、ホンキでメチャクチャ暑いんですもの!

  
そのまま撤収するのも悔しいので周辺をうろつくと、ガンクビソウ(左)があったり、
まだまだ大満開のスズサイコ(右)が見つかったりもします。

  
草地の中には、オナガササキリ(左)もありました。ものすごい大量の
閉鎖花をつけた、キッコウハグマ(右)もあって嬉しくなります。

  
樹液には、ちょっとボロのサトキマダラヒカゲ(左)もいましたし、
コガタスズメバチ(右)も何匹か集まってたりしました。

  
開けたところの池には、ルリボシヤンマがブンブンとテリ張っていていい感じ。
懲りずに置きピンでぶん回してみましたが、数百枚シャッター切って
こんなのが数枚だけ。まだまだ腕がたりんなぁ(^^;

  
近くには、なんかおもしろげなアザミ類(左)もありました。お名前は…??
メッチャ足元に下りてきたヤマガラ(右)にビックリさせられる一幕も。
これ、テレコンついてないんですよね。ド至近距離ってやつです。

  
お次の場所に移動する最中に、なんか面白そうな場所があったので
立ち寄ることに。すると、あちこちに面白げなマンネングサ類(左)が大群生し、
実の跡(右)も見つかりました。見慣れない種類だなぁと数枚撮っておいたんですが、
後で調べるとこれが大珍品、オオメノマンネングサと判明してビックリ。
しまった、もうちょっとマジメに撮影しておくんだった(^^;

  
あたりには、イワヒバ(左)がゴソッと群生している壮観な場所も発見。
そして、ビックラ仰天、イワギリソウ(右)まであるじゃないですか!

  
少し高い場所でしたが、実によさげなセッコク(左)も発見。来年は初夏に来なきゃ!
そう思いつつ引き上げると、最後にヤナギイノコヅチ(右)も大群落も見つかったのでした。

  
さて、お次に目標としていたのはとある水生昆虫。
昨年は空振りしたけど、今年はまだ時期も早いしバッチリだろう!と
鼻息も荒くやってきたんですが、これが情けないことに近くまで行ったら
場所がわからなくなってしまって、かなりの時間右往左往したあげく辿り着けない
などというもののミゴトなオチに。まさかのオチに唖然呆然…
さすらう間に、カンタン(左)とか、アオモンイトトンボ(右)には逢えましたが。

  
とうとう諦めて最後にやってきたのは、毎年来る水田地帯。
さすがに飛来アカネには早いよなぁ、などと思いながら歩くと、なぜか至近距離で
ホバリングしてくれるコフキトンボ(左)はいましたが、アカネ類は
アキアカネすらいないという大失策。ミズワラビ(右)なんかは嬉しい出会いでしたが。

  
なぜか水路には、ナマズの死骸(右)がいくつも浮いていて、最近農薬でも
撒いたのかなぁという雰囲気。はるか遠くにセイタカシギ(右)も見つかったりしましたが。
その後、諦めきれずに先ほどの溜池のあたりまで戻って、
地形と地図をにらみつつ、ああでもないこうでもないと、悩みまくったのですが、
地図を睨みつけたまま歩いていたら、うっかり足を踏み外して
そのままドボンと小川に転落するというどうにもならないステキなオチが発生(-_-;
しかも図書館で借りてきた地図だったのに完全水浸し、
着替えもないのに腰から下は完全ずぶ濡れ、腕とかはキズまみれ。
ほうほうの体で車まで戻り、日が暮れるまでず〜〜っとフテ寝してすごしたのでした(笑

  
夜になってから、これまた目星をつけていた河畔に行ってみることに。
すると、初手からヒメコオロギ(左)やら、オオシマトビケラ(右)やらが見つかりました。

  
頭でっかちのオオゴモクムシ(左)がいたり、クツワムシ(右)が
賑やかに登場したりと、そこそこ面白い出会いはありましたが、ここでも狙いの
某大珍品的水生昆虫は登場せず、涙ぬれての〆となったのでした。

というわけで、初手はよかったのですが後はイマイチな日でした。
まぁ、この日もトんでもない酷暑で、空中に生卵を放り投げたら、落ちてくるまでに
ゆで卵になるんじゃないかと思うくらいのスゴい日差しでしたから
しょうがない部分もありますが、溜池の場所を失念したのは恥ずかしいミス(^^;
今回は気合を入れて、お魚キラーまで用意して行ったのに〜!
それでもまぁ、朝一番のダイコクコガネがステキすぎたから
全て許して差し上げることにしましょう。いやはや、ホンキで感涙でした。
時期的には少し遅かったみたいだし、また超大型♂を探しに再挑戦したいな♪
島根方面の珍品は、まだまだ狙い損ねているものがものすごく多数。
また秋深まる頃には、今年こそはなんとかマンシュウアカネを見つけるべく、
ムダを覚悟で何度も足を伸ばさなきゃいけませんし、
しばらくは通う回数が増えそうですねぇ。
幸か不幸か、図書館の本は新品を買って弁償することになったので、
ちょっとクシャッた地図を相棒に、ってコトになりますね(笑


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