早春花御案内〜帝釈峡再訪〜 10.4/10
  
<2>帝釈峡周辺 続き

  
満足して駐車場まで戻る道中、イブキスミレに混じって、ようやくタチツボスミレ(左)を発見。
これが有難く見えちゃうのだから面白いものですな(笑
かわいらしいヒトリシズカ(右)も数株だけパラパラと咲いていました。

  
面白かったのは、行きに見落としていたらしきヒナスミレ(左)を見ていると、
葉裏が紫色の株(右)があったこと。雑種か?と思いましたが、
M氏がその場で専門家に電話して確認(!)したところ、日当たりのいい場所では
極稀に葉裏が紫色になる株もあるんだそうです。知らなかったナァ〜。

  
今回面白かったのは、あちこちでみつかったクモノスシダ(左)。
はずかしながら、こいつが何のためにこんなにヒョロヒョロと長い葉を伸ばしているのか
今まで理解していませんでしたが、今回よく見ると、葉の先が岩場にくっついた場所から
子株(右)が育ってきているのを何箇所か見つけてビックリ仰天。
葉をランナー代わりにして増えていくということですよね。
こんな面白い生活史をしているシダがあるなんて、まだまだ奥が深いナァ…

  
なんともかわいらしいイカリモンガ(左)も飛び回っていました。
戻る途中にもタカオスミレ(右)が1株だけありましたが、後でコレが妙に葉が丸いことに
気付いて騒いで見たり。結局、これもタカオの範疇みたいですけど。

  
その後、面白い情報を拾ったので、少し離れた区画へ。
うろつくと、キバナアマナ(左)があったり、シロバナネコノメ(右)があったりしますが
狙いの物体は早々簡単には見つからない雰囲気。むむむ。

  
しかし、ナメラダイモンジソウの葉(左)なんぞ眺めつつ、半ば諦めながらうろうろすると、
先を行くM氏より「あった!」の一言。
慌てて駆け寄ると、そこには怪しい物体(右)が鎮座していらっしゃいました。
黒くてヒョウタン型の葉をしたスミレ類。
そう、天下の大珍品、アソキクバスミレとの感涙の出会いの瞬間だったのです!

  
まさかここで合えるなんて思ってもいなかったので本気で大興奮しましたが、
見つかったのはごく狭い範囲に数株だけで、ほとんどは葉(左)だけしかない株。
辛うじて花芽のついた株(右)もありましたが、この日は花は見つかりませんでした。
う〜〜ん、これはまたの機会で再挑戦しなきゃですね♪

  
その後、少し離れた場所に行くと、崖上で大満開になっているヤマトレンギョウ(左)が
あったり、こちらも花盛りのヤマウグイスカグラ(右)が見つかったりします。

  
ヤブサンザシ(左)もけっこういい感じに咲いていましたし、こちらはまだ
咲き始めな感じでしたが、バイカイカリソウ(右)も発見♪

  
かわいらしいヒトリシズカ(左)も咲き始めていましたし、けっこうご立派な
ケスハマソウ(右)もみつかったり、ステキな出会いは続きます。

  
トリガタハンショウヅル(左)はまだ固いつぼみでした。道端には
ジュウニヒトエ(右)もありましたが、これも関西では比較的レアモノですよと
教えていただいてちょいビックリ。関東じゃ普通にあるものだったのに。

  
林の中では、一面に咲き誇るカタクリ(左)が見事でした。こいつは壮観。
よく見ると、そのなかにえらく風変わりな株(右)も発見。
しかし、例年だとこの場所はこんなにカタクリはないですから、やっぱり
今年は例年よりも季節はだいぶ遅いみたいですね。

  
うろうろすると、この場所でもパラパラとヒメスミレ(左)を発見。
タカハシテンナンショウ(右)も何箇所かで見ることが出来ました。

  
さらに、なかなかイイ雰囲気のヤマルリソウ(左)をみたり、この手は何度みても
よくわからない、ヒメヘビイチゴ?(右)があったり、ささやかな出会いは続きます。

  
そうこうするうちに、落ち葉の中にケヤマウツボを発見!
これがちょうど花盛りというイイタイミングだったので、喜んでバシバシと
撮影し撒くりました。いやしかし、何度見てもけったいな花やなぁ。

  
しかし、その後も目的のネコノメソウ類は発見できず、諦めて戻っていくと、
途中の民家にベニバナナンザンスミレ(左)が植えてあるのを発見。お初にお目にかかります。
見事なピンク色のケスハマソウ(右)が植えてあるところもありました。
なんか、色付はすぐ掘られるから白いのしか残っていないんだという噂がありましたが
こういうのを見ていると、本当にそうなんだろうなぁという気になりますね。

  
ふと湖を見ると、のんびりとコブハクチョウ(左)が泳いでいてちょいとビックリしたり。
その後、最後に別の場所を訪ねると、ここでも大満開のケスハマソウ(右)に遭遇♪

  
この場所にもヒナスミレ(左)はありました。あと、ヒカゲスミレ類(右)も
ありましたが、これも葉の色は薄いけど若干黒っぽいのでタカオスミレの範疇かな?
といったあたりでこの非の花狙いトライアルは終了。
一泊してさらなる探究を行うというM氏と別れ、しばし仮眠をとることに(笑

  
んで、夜も深まった頃、春蛾狙いでうろうろしてみますが、これが意外なほど
虫影が薄いんです。まだ寒いのかなぁ。かなり探し回って、見つかったのは
アトジロナミシャク?(左)や、セスジナミシャク(右)ってあたり。

  
その後もしばらく粘るも、ウスバシロエダシャク?(左)と、
よく見ると派手だけどミニサイズのエダシャク類(右)がいたくらいで目ぼしい成果なし。
う〜ん、これなら地元に戻った方が成果があるのかもナァ…
と思ったあたりから次編の深夜・早朝トライアルに繋がっていったのでした(笑

というわけで、なんとも盛りだくさんな一日でした。
お誘いいただいたMさん、本当にありがとうございましたm(_ _)m
いやはやしかし、帝釈峡は底力がすご過ぎるということを再確認。
「歩いてるだけでこんなに次々珍品が出る場所はないですよ」
と、M氏にも太鼓判を押されましたが、本当にそうですよねぇ。
なんといっても、珍品なはずのイブキスミレが雑草のように見れましたし(笑
そして、やはり圧巻は憧れのアソキクバスミレですね。
まさかここの個体群に会えるなんて思ってなくて本当に仰天でした。
あんな地味なものを見落とさなかったM氏は本当にスゴイです♪
帝釈峡の夏の花はなんやかんやで挑戦し損ねているし、
また次回こそはアソキクバスミレの花も見たいし、
なによりも謎ネコノメソウ再発見の大きな宿題も背負ってしまったし(笑)、
また今後も季節も変えつつ、何度も通いつめなきゃいかんですな☆


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