SW前哨戦@〜荒天の薩摩にて〜 09.9/12
  
<2>鹿児島県南部

  
さて、沢沿いをグングン歩くと、不思議な出会いも続きます。
まずは、テントウムシ風味の怪しい甲虫(左)。近づくと跳んで消えたので、多分
トビハムシ系だと思いますが、えらく派手ったらしいですよねぇ。
近くの葉上には、黒くてえらくシックな模様のガガンボ(右)も見つかりました。

  
沢沿いを歩くと、けっこうあちこちにオオタニワタリ(左)があります。貴重品だよな。
立派なリュウビンタイ(右)もそこら中にあって、南国を強く実感します。

  
ふと、沢沿いに面白げなラン(左)も発見。花が咲いていないのでよくわかりませんが、
シュスラン系に見えるので……カゲロウランあたりでしょうか?
すっかり実になったコクラン(右)はあちこちにありましたが、こちらはわかりやすくていいね。

  
お次の沢では、下ろうとすると砂防ダムに遭遇。取水口を覗き込むと、なんとかなりそうな
サイズ&水量なので潜り抜けたのですが、出口の落差部(左)がかなりの水深になっており、
慎重に近くの石に飛び移らないと水浸しになるのは確実、と思いつつ、
目標を見定め、コンクリの壁に手をついて、優雅に飛び移ろう……とした瞬間に手に激痛!
そのまま、バランスを崩してそのまま水の中にバッシャ〜〜ン
両足ずぶ濡れになりつつ、それでも機材に水がかぶらなくて良かったと安堵して
壁を睨むと、立派なケムシ(右)が鎮座していました。こいつが犯人か。
後で調べると、南方系の珍蛾、ルリモンホソバの幼虫らしいのですが、せめて
こんな出逢いではなく、おとなしくてキレイな成虫との出会いが良かったなぁ…

  
少し高い場所でしたが、ネキトンボ(左)がテリを張っていたりもしました。
近くには、今回も面白げな花をつけた樹(右)を発見。名前、よくわかんないんですよねぇ。

  
さて、ずぶ濡れなのでとりあえず撤収して、近くの水田地帯をウロウロすると、
アメリカミズキンバイ(左)やら、ヒロハスズメノトウガラシ(右)やらを発見。

  
ホシクサ(左)もかなり咲いていて驚いていると、ふわふわとタテハモドキ(右)も登場。
相変わらず警戒心が強くて、アップで撮れたのはこの1カットだけでしたが…
悔しかったのは、この頃からかなりの強風が吹き始めていたのですが、
そんな中、いきなり登場したカバマダラ。うぉっ!と思うも、目の前を一瞬で横切って
どこかにブッ飛ばされていったんです。オイオイ、マジかよ…
その後、どうにもスジグロカバマダラらしきものも目撃しましたが、
こちらも一瞬でした。こんなに風が恨めしいと思ったことはなかったね、マジで。

  
気を取り直してうろうろすると、小さな小さなクロヒバリモドキも発見。
成虫(左)、幼虫(右)ともいたのでドアップ撮影に挑戦してみました。
ちなみに、現地ではキアシヒバリモドキと思っていたのであまり真面目に撮影して
いなかったのですが、クロヒバリモドキはお初です。もっと撮っときゃよかったなぁ…

  
こちらも南方系、ヒメクダマキモドキ(左)も見つかりました。
イシガケチョウ(右)もいくらでも飛んでいるのですが、警戒心も強いし、
風にあおられるし、でまともに撮れたのは数枚だけ。

  
ちょとした草地では、お約束のクロマダラソテツシジミもご登場。
今年は関西でも再登場+関東進出らしいですが、このあたりでもどこにでも大量発生中。
なお、悔しいのその2は、何度か見かけた、明らかに翅表が強烈にメタリックブルーな
シジミチョウ。今年発生中という噂のルリウラナミシジミだとおもうんですが、
こちらも風に吹っ飛ばされていくばかり。もう涙チョチョ切れ状態です。

  
道端に、えらくご立派なカラスウリ類も発見。昼だというのに花開いてるし。
こいつが噂のオオカラスウリか、と思ってましたが、あとでよくよく調べると
これも普通のキカラスウリなんですね。南国だからデカくなったのか?

  
小さな池では、ギンヤンマ(左)が産卵していたりもしました。
オオシオカラトンボ(右)にドキッとさせられたりもしますが、狙いのトンボは出解せず。

  
久しぶりに出会うウスベニニガナ(左)なんぞに感心していると、めちゃくちゃに食い荒らされた
ソテツ(右)を発見。うわぁ、ここまですごすぎるとさすがに同情しちまうぞ…

  
というわけで近づいてみると、あちこちに交尾個体(左)を発見。羽化のピークなのかな?
笑っちゃうことに、ソテツの実の近くには、4組の交尾個体(右)がいたりしました。
これからまだ食い散らかす気ですか。もう許してやったらどうかしらん。

  
さて、さらに別の沢に行くと、これまたオオシオカラトンボ(左)が登場してドキドキ。
でも、結局よく似た珍品の方は姿を表さずでした。むむむぅ。
沢を登っていくと、ハンミョウ(右)は何度もご登場いただくんですが、キミじゃなぁ…

  
沢を登っていくと、いきなりクチキコオロギ(左)もご登場。
近くには、南下も面白そうな葉(右)もありました。これは普通のホトトギスかなぁ?

  
そんなこと考えつつ、汗だくで登っていくと、いきなり登場したのは
なんと珍品、トラノオスズカケじゃないですか!
大感激しつつバシバシと撮影しまくりました。
ちなみに、図鑑だと花色は薄紫色とありますが、ここのはほぼ白色。
白花品であればさらに珍品なのかもな?

  
その後ウロウロすると、崖に止まっているモンキアゲハ(左)なんぞも見れましたが、
それ以上は成果ないままタイムアップ。引き返すと、何を考えているのか
葉っぱを掴んで歩いているベンケイガニ(右)に会いました。おい、それ食うンか?

  
その後、思い切ってフェリーに乗って薩摩半島まで移動。
しかし、到着と同時に、目も当てられないほどの大豪雨が襲来(ToT)!
ようやく止んだので、目星をつけていたカワラケツメイ群落(左)を見にいくと、これがまた
バッサリと刈り取られていて一部が残っているだけで唖然呆然。
久しぶりのサンカククチバ(右)が嬉しかったくらいで、その後も全く成果なく、
近くの池に転戦するもトンボは皆無。ようやく夕刻にアメイロトンボ♂が飛ぶも
距離があって撮影も捕獲も失敗……というどうしようもないオチになったのでした。

というわけで、スタートは良かったのですが、その後は
なんだか中途半端な成果の一日でした。
特にトンボ方面は大空振り。
薩摩半島までの移動にいたっては、ほとんど無駄足でしたからね(^^;
まぁ、何も考えずに特攻したんですから、こんなこともあります(笑
ちなみに、この夜はかなり苦悩に満ちた晩となりまして、
まず前日が半徹で走ってきたのでメチャクチャ眠いんわけですが、夜になって
完全にハラ壊しまして、何度も飛び起きてはコンビニに走るハメに。
昼間にカバンの中からアンドーナツが出現して「あれ?朝買ったっけ?」と思いながら
食べたんですが、よくよく考えたら、あれは1週間前にかったヤツだなぁ…
などと嘆いていたりすると、次にくらったのはお久しぶりの警察の職務質問(笑
「はぁ、車中泊ですか、暴走族もいるから気をつけてくださいね」
などと言われつつ、寝不足のまま、苦悩の夜はふけていったのでした (>_<)


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