秋晴れの但馬で〜ハチ高原作業日〜07.11/3

この日は、久しぶりに但馬に突撃し、見事な秋晴れのハチ高原で
ウスイロヒョウモンモドキの会の活動に参加してきました。
内容としては、調査用のポールの補修や、オミナエシの種の確保など
だったのですが、かなり丈の高くなった草地の中の作業に結構四苦八苦。
それでも、秋晴れのとっても気持ちのよい陽気と見事な景色に、
なんだか心満たされるような気分になりながら働いた一日でした。
密かに狙っていた前後のトライはまったくの空振りでしたが、
意外な出会いもやっぱり会ったりして、但馬の、そしてハチ高原のオモシロさを
いろいろな意味で再発見する一日でした。

<1>京丹後市周辺

  
朝まず、早朝に起きて突撃したのは、いつもどおり京都北部の海岸沿いの湿地。
先月、スナアカネがいたというので期待していたのですが、これが早朝は天気予報を
大きく裏切って、一面の曇天でかなり寒く、トンボは活動しない雰囲気。
でも、かわいいヒメバチ類(左)を見たり、ヒメアザミ?(右)が咲き誇ってたりしました。

  
このあたりの水田地帯は、結構いい環境が残っています。どこにでもたくさんあるのが
貴重種のミズワラビ(左)。アブノメ(右)もポツポツと見ることができました。

  
スズメノトウガラシ(左)も少しだけ咲き残っていました。そして、キクモ(右)も、面白い雰囲気の
水中葉があちこちにありました。つまり、1年中水が抜けない田んぼなんですね。

  
なんか面白い雰囲気の小さなタデ類(左)もありました。君はナニモノ?
ものすごい群落になっているフタバムグラ(右)も発見。やっぱ環境はいいんですよね〜。

  
しばらく粘ると、ようやく晴れてきて、アキアカネ(左)なんかが活動をし始めましたが、
ちょうどその頃にはタイムアップで、ベソかきつつ車へ戻ることに。
すると、越冬に来たのでしょうか、秋型のツマグロキチョウ(左)がいたりしました。
素敵なオチに満悦しつつ、大急ぎでハチ高原へ向かいます。

<2>ハチ高原周辺

  
大幅に遅刻してハチ高原に着いてみると、ユウガギク(左)などがアチコチに咲き誇り、
一面のススキ(右)が、秋晴れの真っ青な空に映えてなんとも素敵です。
しかし、車はあれどもメンバーが全然見つかりません。草地をぐるりと歩き回っても人影皆無。
これがメチャクチャ草深い場所で活動されていたようで、合流するまでものすごい
時間がかかってしまいました。大遅刻ですいませんでしたm(_ _)m

  
調査用のポールの補修とかしてうろうろすると、ポツポツとセンブリ(左)が
咲いていました。時期的にはもう遅いのか、見を付け始めた株(右)も発見。

  
秋の草地のお約束、リンドウ(左)はあちこちに咲き誇ってました。
ウメバチソウ(右)もありましたが、すでに盛りは過ぎていたようで、数株程度。

  
キクバヤマボクチ(左)もまだ咲いてました。ようやく一仕事終わって昼飯にしてると、
すぐ近くにジムグリ(右)がにょろりと出てきて仰天。靴先を顔の前に持っていって
イタズラしたら、ガッ!と何度か攻撃されました。案外迫力ありましたよ〜。

  
さて、午後はオミナエシの実を集めようと頑張りますが、実の付いた枯れ穂(左)は
なかなかなく、まだ中途半端に花の残った状態(左)の下部も多数。なにより、密生した
草むらの中で枯れ穂を捜すのはなかなか難関でした。来年は花のうちにマークしとかなきゃ。

  
ようやく一段落して草地を戻ると、途中でアザミ類を発見。Kさんによると、このあたりに
あるアザミは、ヨシノアザミ、カガノアザミ、オハラメアザミの3種類で、
これはヨシノアザミだとのこと。む〜、アザミは難しいので避けてましたが、一度
じっくり勉強しときたいですね。いい図鑑があったら教えてください☆

  
すっかり実になったオオヒナノウスツボ(左)もありました。草地にはポツポツと
センボンヤリの実(右)もあって、綿毛をゆるりと秋風に揺らしています。
そうこうしているうちに、なんとか作業終了。
明日はどこまで足を伸ばそうか、なんて考えを巡らせていたんですが、
Oさんの「せっかく但馬まで来たんだし明日もなんか探すんでしょ?」という言葉に
ちょっとドキッ。そうだよな、まだまだ但馬も見たいものはいくらでもあるんだよな。
安易に遠出しすぎる自分を反省するとともに、明日の予定がいきなり決まった瞬間でした。

  
みなさんと別れて、別の草地へ向かうと、途中に見事に色づいたナナカマドの実(左)を発見。
草地では、なんかえらく不思議な雰囲気のコバネイナゴ(右)にも会えました。

  
湿地には、まだオタカラコウ(左)が咲き残っていました。そして、結構株数も多く
 残っていたのはミズタビラコ(右)。わりと息の長い花なんですね〜。

  
草地をうろつくと、すっかり花の終わったウメバチソウ(左)がやたらと多数。
でもしばらく探すと、まだ見事に咲いている株(右)も見つかりました。

  
草地をウロウロすると、アザミ類(左)を発見。先ほどの条件で考えると、これは
なにアザミになるんですか?……う〜ん、道のりは長く険しそうです。
周辺にはシラヤマギク(右)も多数。そういえば、野菊も難しいですよね。
ちょうど山渓からいい図鑑が出たことだし、こちらも頑張って勉強しようかなぁ。

  
そんなこと考えてると、ノコンギク(左)や、ヨメナ、ユウガギクなど次々見つかりました。
そして、晩秋を象徴するヤクシソウ(右)もアチコチに満開状態。高原の秋はもう終わりかけ
なんだなぁ、そう思いながらこの日の探索の〆としたのでした。

  
といっても、私がそのまま素直に寝るはずもなく、日が暮れてからはかなりの時間、
そろそろ活動を始めているであろう山地性サンショウウオ類を探してうろうろ。
結局、さすがに真っ暗な山の中をメクラメッポウ探しても成果はなし(^^;
そのかわり、ノウサギ(左)やニホンジカ(右)をはじめ、タヌキ・キツネ・アナグマ・
イタチ・ヒメネズミとさまざまな獣に出会えました。もちろん上の2枚以外は
車窓越しの一瞬の出会いで撮影できるはずもなかったのですが、
夜でも撮影できるような強力フラッシュがほしいなぁと思う今日この頃…

というわけで、草むらの中で汗かいてる時間が長かったのですが、楽しめた一日でした。
やはり但馬、そしてハチ高原周辺は面白いですね〜!
よく考えると、アチコチ出歩いている私ですが、毎年一番多く訪れるのはこの周辺。
ということはある意味、現在のメインフィールドと考えてもいいのかもしれません。
そのわりには、まだまだ見れていないもの、探求していないものが多すぎる(^^;
今後はゼフだけではなく、いろんなものを徹底探求して、たとえばノギクやアザミのような
ややこしいものでも、「この辺りにあるのは○○と○○ですよ」と言えるような、
そういった知識を蓄積していきたいと思います。とりあえずは、今年の冬中に、何度か
ゼフの採卵とか、サンショウウオとか、淡水魚とか、そんなの狙いに来てみよっと♪


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