そんなこんなで見学も終わると、ついにやることが全くなくなり、船室に戻って
寝こけたりしているうちに、いつのまにやら旅の終焉も近くなります。
甲板に上がってみると、千葉最南端の風景が見え、やがて神奈川側の景色も目に入り、
あわてて海を見ると、すでに小笠原の青い海とは絶望的に違う色合いが広がっています。
そして、待つほどにやがてビル街の風景が目に入ってきます。
帰ってきちまった。
自分でも驚くほどのショックが背中を走り、脳髄をぶっ叩いて、どこかはるか上空へ
飛び去りました。
南の島で、全速力でいろんなものを追いかけていた時間は、あとほんのわずかで幕を引き、
船を下りたそこには、いろんなものに縛られっぱなしの自分が、愛想笑いしながら
待っている。
甲板の手すりに寄りかかりながら、ぐんぐん近づく町並みと、茶色い海原と、
空中を覆い尽くす雲をみていると、どこかしらの力が抜け、デジカメを
取り出す元気もないまま、かなり長い間ボ〜ッとしてしまいました。
やがて、ゆっくりと、船は岸に近づき、到着の知らせがアナウンスされます。
船室から出ていく人々の足取りが、少し重たげに感じたのは気のせいでしょうか。
降り立った東京は、一面の曇り空。肌寒い中を、日常生活方面へ戻るために、駅へ急ぎました。
しかし、実に充実した旅でした。
やがて思い出という樽の中で熟成して、光り輝く記憶に昇華していくと思います。
果たせなかった約束は多いけど、つかの間ながら弾けるような元気を南の島からもらった。
やっぱり、小笠原というのは素晴らしい場所なんですね。
一つだけわかるのは、それでもやっぱり、リベンジが必要だということ。
やはり3泊4日というのは、少しばっかり短すぎます。次回は、2航海、10泊11日でぜひ
チャレンジしたいものですね。
次回、この報告を見て、幹事を名乗り出るのは、誰でしょうか?
|