さよならMINI・発作的ツアー   
さよならMINI・発作的ツアー 

慣れ親しんだ我がおんぼろ愛車こと MINI君。
素敵なオンボロ度に各方面から警告が出ていた頃に車検となり、できの悪い子ほどかわいい
ワタクシとしてはムリヤリ車検を通そうとも思ったのですが、諸般の事情で新車に乗り換える
こととなりまして、MINI君とはついにお別れとなってしまうことになりました。

それでは、最後にブッ壊れるまで乗り回してやろう。
そんな発作的な思いつきで始まった企画なのでした。

10月08日

出発直前、ワタシは姫路で呑んでました。ちょうど会社の歓送迎会があったので。
その途中で、台風が直撃するという確実な情報と、当初の目的地であった北関東の某所が
宿として使えないことが発覚。ステキなスタートとなりました。
歓送迎会も終わり、一眠りして酔いを覚ましての出発。

  

一路、高速をひたはしりますが、呑み疲れのせいか大津インターで撃沈。車中泊とあいなりました。

10月09日

  

夜明けとともに目覚め、高速を再度走りますがだんだん雨足が強くなります。
右は途中で立ち寄ったインターでのステキなタイル。

  

雨足の強さが伝わるでしょうか。
そして、ミニもその気になれば 120Kmくらいでたんだぞという証拠写真。
危ないことすんなって? ハイ、ごめんなさい。

  

豊川あたりで激烈な事故渋滞に巻き込まれます。
かわいいMINIはあっという間にオーバーヒート寸前。

  

さらに雨が激烈になってきたので浜名湖のインターチェンジで休憩。
そこでみつけたアオスジアゲハの蛹。強風のため落ちかけています。

  

雨風がかなり激しくなり、浜名湖も茶色くにごっていました。

  

浜名湖インターで見つけたぬいぐるみ(オイオイ2チャンのぱくりだろ?)。
愚劣なイベント、愛・地球博(里山を大規模に切り開いて開催される"環境"万博デス^^;)のノボリが
強風にの中寂しそうに揺られていました。

  

しばらくインターで台風情報を聞いてましたが、完全に直撃らしいので関東までの旅はギブアップ。
さっそく「まっぷる」を買い込んだりして、前向きに浜名湖周辺の散策と目先を変えてみました。

  

高速を降りたトタン、目がくらむくらいものすごい雨が降ってきました…ムリしなくてよかった(笑)

  

当然野外での生き物探しはNG。
悔しいのでるるぶで見つけた浜名湖水族館「ウォット」に突撃。結構面白いところでした。

  

この水族館のウリは地元浜名湖の生き物だけをあつめていることと、
上の巨大なアールのある水槽、それとこのタッチ水槽です。ここから手を入れれるんですよ〜。

  

水族館の魚を少し紹介(デジカメでの撮影は難しかった…)。
右は不思議な格好のマツカサウオ。左は優雅に泳ぐハナミノカサゴ。

  

鮮やかなササザミヤッコの幼魚(左)と、ワタクシお気に入りのアミモンガラ(右)。

  

磯でも見られるかわいいソラスズメダイ(左)とオヤビッチャ(右)。

   

日本料理でご存知ハモ(右)と、現実感のない存在、イザリウオ(左)。 

  

2Fの展示室には身近な生物の展示があってワタクシは大興奮。
憧れの巨体ノコギリガザミ(右)と、ふしぎな目玉のメナガガザミ(左)。

  

磯でよく見るシマイサキ(右)と、ウルトラマンな配色のギマ(左)。

  

こちらも憧れの異型のカニたち。右はメガネカラッパ。左はヒシガニ。やっぱり信じられない形だな〜

  

数時間楽しみまくって外に出ると、なんと台風一過で晴れておりました。ビックリ。

  

夕暮れも近いので寝床を探してさまよいながら、地図で見つけた「中島田砂丘」へ。
現地で看板を見ると「日本三大砂丘」の一つ(あとはどこだ?)で、夏にはアカウミガメが産卵に来るそうです。
そこで見つけた立派な砂のオブジェ。何がすごいって5つあった中で、台風にもかかわらず1つだけ無傷(笑)

  

台風一過で日本海のような荒波。
と、そこにただならぬものを発見。あこがれの海浜性バッタ、ヤマトマダラバッタです。本気でビックリ。

  

驚いている間に、夕日は力いっぱい自己主張しながら沈んでいってしまいました。

  

あっという間に暮れなずむ砂丘。「明日はバッタ探しのリベンジだな」と方向性の決まった瞬間でした。

  

夕暮れの波をみつめたあとで、近所のコンビニで晩飯と寝酒調達。店で見つけたかわいいネコ。
砂丘近くの駐車場は7時に閉門するのですが、よくみるとバーが思い切り折られているので
中に進入して、車の中で晩飯&一杯呑んで、さっそく寝てしまい……
…と思いきや、こんなポイントだから、ひっきりなしにヤンキー車とカップル車が登場。
なかなか熟睡させていただけませんでした。チクショい。

10月10日

  

目覚めると6時過ぎ。結構気持ちのよい青空が広がっていますが、当然寝不足です(笑)

  

駐車場に泊まる我が愛車 兼 愛宿と、これでも閉門中のはずのゲート。

  

砂丘に繰り出すと、壮大な光景が広がっています。

  

台風の影響が残ってまだまだ波の高い、サーファーの喜びそうな海。
しかし三大砂丘というだけあって広くて結構気持ちよいところです。

  

砂と風の残した芸術はいたるところに見ることができました。

  

探すほどに登場しましたヤマトマダラバッタ。
どのくらい珍品かというと、関東圏では房総先端、地元兵庫でも淡路の南端以外では全滅状態なくらい。

  

砂浜特有の昆虫はほかにも見れました。
左はハサミも立派なオオハサミムシ。右は砂に巣穴を彫るオサムシモドキ。
でも、ドキドキしながら期待をしていた海浜性ハンミョウ類には出会えませんでした。

  

ハマニガナのステキな花も咲いていました。
右は地元NPOの運営する「サンクチュアリ ネイチャセンター」。観察マップとか売ってました。

  

駐車場の近くでみつけたカニたち。
左は必死の威嚇中のハマガニ。左は小網代でおなじみアカテガニ。

  

砂丘を堪能した後で、豊橋市まで移動して「葦毛湿原」へ行きました。
湿生植物が豊富なことで有名な湿地です。

  

ちょっと地味ですが一面に広がるシラタマホシクサがこの時期の名物。ちなみに東海特産種です。
ワタシ以外にも、写真目的の人を結構見かけました。

  

食虫植物もけっこうあります。左はかわいいミミカキグサ。
右はトウカイコモウセンゴケ(花は終わっていました)。

  

サワギキョウの鮮やかな紫の花(左)と、イワショウブのかわいい花(右)

  

うつむいて咲くキセルアザミ(左)。湿地に咲くのかわいいアザミです。
湿地の中でただならぬものを見つけました。超貴重種のコタヌキモ(右)です。
驚きつつ、帰ってから調べると、どうやら誰かが持ち込んだものらしいとか。

  

そのあとでフラフラしてから、MINIにムリさせつつ、ちかくにある「石巻山」の山頂へ。
到着して見るとショボいけど自然関連の展示もありました。

  

さっそく山道をのぼりはじめると、憧れのオオケマイマイ(左)がたくさんいました。
殻の縁に毛の生えた不思議なカタツムリです。ヤマアカガエル(右)も結構見かけました。

  

途中で見つけたコツゲと、山頂近くにあったクモノスシダ。
地味ですが、石灰岩地帯にしか見られない、憧れの貴重な植物なんです。

  

山頂は切り立った石崖でした。遠くの景色まで見渡せてなかなかよいカンジでしたが、
なんせずっ〜と絶え間なく強風が吹きつづけているのがすごかった(笑)。

  

石灰岩地帯には珍しい植物も見られて大興奮してしまいました。
右はキリンソウ。残念ながらもう花は終わって実になってました。

  

左は山頂咲き誇っていたカワミドリ(だと思う)。右はクサボタンの白花

  

イワシモツケのつぼみ(左)と狂い咲きしていたコマユミ(?)の目立たない花。

  

本当に切り立った崖の上でひたすら強風にさらされるのは案外怖かったのですが、さらに
雷の音までしたので大慌てで退散。下山すると雲の隙間から一瞬だけ夕陽が見えました。

その後、道に散々まよいながら3時間ほどかけて、名古屋の我が愚妹のところへ。
宿代として名古屋名物「ひつまぶし」をおごったあとで、2日ぶりの人らしい寝床を確保。
垂直落下の勢いで熟睡しました。

10月11日

  

7時ごろ目覚めて、さっそく愚妹(左)と朝食。
親切な妹が用意してくれたおにぎりにステキなデコレーションをほどこしてみたりとか。

  

8時過ぎに出発しようとすると、妹のアパートの1Fには蛹になる真っ最中のアオスジアゲハ(左)と
寄生蜂にやられたナガサキアゲハの蛹(右)があったのでちょっとビックリ。
しばし撮影したあとで、一路、岐阜にある溜池へ。

  

こちらが本を見て狙いをつけていた岐阜県可児市の溜池。
右は池の縁で可憐に咲き誇っていたホソバノヤマハハコの花。

  

ノリウツギの勢いのある花(左)と、池の縁で見つけたアオイトトンボの交尾(右)

  

池の縁には小さな湿地ができていて、食虫植物もありました。
左はホザキノミミカキグサ、右はモウセンゴケの葉っぱ。

  

この池にきた目的はある珍種のトンボ探しだったのですが、しばらく探してもなかなか見つかりません。
んで、よく見ると池の縁に釣り人の姿。水中をよく見ると、けっこうたくさんのブラックバス。
こいつはダメかな、とあきらめて移動しようとした瞬間…
すぐ横を黒い影が横切ってすべるように池の上に踊り出ました。

  

「いたっ!!」。 目的の超貴重種「マダラナニワトンボ」です。
敏感でなかなか近づかせてくれませんでしたが、ようやく数カット撮影に成功しました。

  

成熟しても赤くならずに黒くなるアカトンボなんです。
オスを数匹見たあとでフラフラ飛んでいるメスも1匹見つけました。

  

なんとか目的をはたしたので、そのあとはちかくにある「みたけの森」へ遊びに行きました。

  

こちらも良好な湿地が残っている場所です。
池にはジュンサイ(左)が浮かび、池縁にはキセルアザミが群れ咲いています。

  

湿地にはイヌノヒゲ(左)やスイラン(右)などたくさんの植物に出会えました。

  

この湿地のノリウツギは淡いピンクに色づいてきれいでした(左)。
近くの林では薬用で有名なセンブリも見つけましたが、ざんねんながら花はまだ咲いてませんでした(右)。

  

我が愛車MINIの農地でのイメージショットと、みたけの森近くの駐車場でのラストカット。
みたけの森を出ると夕陽が沈み始めましたので、慌てて高速に乗り、家路をめざしました。
ふらふら休憩をしつつ、5時間かけて兵庫の我が家にたどり着きました。

  

長旅お疲れ様。そして今まで本当にありがとう。
感謝の気持ちを込めながら、最後にMINI君の姿を数カット撮影しました。

翌日、新車が届き、彼は引き取られていってしまいました。
今もどこかで元気にやっているでしょうか。


いやはや、それにしても実りある旅でした
そして、さようならMINI君。本当にお世話になりました