突然ぽっかりと暇になった週末。
そうだ、どこか南に旅しよう。南の島へ行きたいなぁ。
というわけで、一路、淡路島へ。いや、南の島には間違いないでしょ?
出発は土曜の昼前。
本当は朝一でスタートを切りたかったのですが、ガキは休日には部屋を片付けるもんだ
と主張する一派が突然出現して、異文化コミニュケーションに手間取りまして……
気疲れしながらのスタートとなりました。
2月5日 |
というわけで、一路「明石港」へ。
自宅から約1時間の近場にして、「南の島」への港です。
もちろん明石大橋を渡ればすぐなんですが、旅気分を満喫するためにフェリーをチョイス。
ちなみに、「たこフェリー」とはイカすでしょ?
というわけで乗り場に着くと、約1時間待ちとのこと。
整理券を貰って、明石の町で腹ごしらえとしゃれ込みました。
明石はさすが水産物の町。街角の露天風の魚屋のイキのいいこと。
ピチピチはねてるヒラメやカワハギにもう夢中。
買って帰って、水槽で飼おうかなァとかいろいろ考えていると…
「あぁ〜〜〜っ!!」
魚に夢中で時間を忘れていた私は、乗船予定の船に見事おいてかれてしまいました。
しかたないのでさらに待つこと40分。次の船でようやく旅路の男に。
まぁ、いいデザインの船になったからいいか。
車ごと乗り込めるシステムで、2050円はまぁ悪くはないかな。
なかなか嬉しかったのは、この船、明石大橋の真下を通るんです。
おかげでおなかの裏側のドアップを撮影できました。
てなわけで、やっぱかっこいいですよねぇ。
空が晴れてればもっとステキだったんですけど。
んで、じつは航路はたったの10分。
あっという間に淡路島北端に到着。
車で船を出ると、駐車場もなくそのまんま普通に道に出てしまいました。
とりあえず、なにも考えずに南へ南へ。
途中で出会った、大船の仏像のパクリみたいななにかアヤしい巨大な像
(撮影できなかったけど横には自由の女神も)と、海で見かけたウミアイサの群れ
巨大なイメージのわりには、一時間もひた走ると南端にあっけなく到着。
風車の回る風景はなかなかオツで、ちょっと三浦半島を思い出す風情。
なにげに時間を食ってしまったのですでに夕陽が傾きつつ……
山道でみかけたステキすぎる廃屋。今晩の宿にしようかとも思いましたが、
何か出そうな雰囲気もあるので一応却下。
右はそこいらに咲き誇っていたナルトサワギク?と思われる帰化植物
やがて山道にあるゲートを勝手にあけて進入。
すると、地図上、車でアクセスできそうな淡路島南端の峠に到着しました。
右はその峠にて。ちょっと車のパンフレット風でよくないですか?
しばらく、沈み行く夕陽を眺めながら持参したギターをつまびきましたが、
これが海風が強くて想像以上に寒くて、ほどなくギブアップ。
トコトコ7キロほど来た道を戻り、コンビニで晩飯と酒を買い込んで車中泊としゃれ込みました
10月24日 |
朝起きてみると、南の島のクセに予想外の冷え込み方で体がガチガチ。
風の強い海っペリで寝てはだめなんですねぇ。
ちなみに、右が昨晩の私の豪華ホテル。
のそのそ起きだしてみると、海のほんのすぐ向こうに四国の町並み。
よい感じのオンボロ漁船も行き交う海をみつつ、とりあえず次の目的地へ。
途中で見かけた、地質マニアがよだれたらしそうな縞々のガケ。
目的地は、特に意味はないんですが、さらに離島へ、ということで
近くの沼島へ。目的は常緑樹林の草花たち。
切符売場があまりに寂れていて驚きましたが、定期船もまるで漁船風なので
どちらも見つけるまで時間がかかってしまいました。
というわけで、懲りずにもう一度船旅の男へ。
今度は車は乗れないので単身突撃、といってもこちらも航路は10分。
ぐるり数時間で歩ける小さな島に到着です。
さっそく港でステキなものを発見!!
だだようナマコのようなこいつはウリクラゲ。これがいくらでも漂ってました。
右の写真でわかるでしょうか、体の筋のような突起の部分にスゥッと光が走るんですよ。
さらに港を歩いていると、漁の網から捨てられたらしき遺物たち。
甲羅のステキなヘイケガニも捨てられていました。
山道を歩くと、さすがは南の島。けっこう花が咲いています。
左は地味なヤマアイ、右は少し派手なシマカンギク。
早くもタチツボスミレ(左)も咲いていましたし、常緑樹の林の中には
ヤブツバキ(右)のきれいな花も目に付きました。
さすが南の島とびっくりすることもしばしば。
ヤクシソウ(左)とアキノタムラソウ(右)。
年をまたいで、秋の花がまだ残っているんですねぇ。
人家の軒先でみかけたアロエの鮮やかな花(左)と、
こちらもびっくり、もう咲いていたモチツツジ(?)の花
島の灯台で一休みしたあと、目的の希少なスゲ類を探しに、林の中へ。
と、あっという間に密林のようなところに迷い込んでしまいました。
しばらくどうにか頑張っていたのですが、にっちもさっちも行かなくなり、
仕方ないので、上着を脱いで腰に巻き、気合を入れ、笹ヤブの中を15分ほどひたすら
ヤブこぎし続けるというステキな結末になりました。
どうにかでてきたところは、港の前にあるこんなヤブまみれの砂防ダム。
ヤブこぎで体力も完全に消耗したし、さぁて帰るかと思ったら…
「あぁ〜〜〜〜〜っ!!!」
腰に巻いていたはずの上着がないんです。
ヤブの中でどこかに引っ掛けたのでしょうか。
なんせ、車のキーはあのポケットの中…
あわてて引き返しましたが、ごらんのとおりの光景。
どこを通ってきたんだか、わかろうはずもなく右往左往。
でも、このままでは帰れない…
あきらめ切れずに山の中を3往復。
一回1時間くらいかけて探すのですが、まったく通ったはずのポイントにたどり着きません。
ひたすらヤブをこぐので、手足は傷まみれ・血まみれ。
体力はとっくに限界を越え、つるに足をとられると、抵抗できずに斜面を落ちていく有様。
完全にへたり込んで、見つからんモンはしょうがないとギブアップ。
船で淡路に戻ったとしても電車もない場所ですが、島の人に頼み込んで
夜行バスで帰るルートを調べてもらって、ようやく一安心できました。
でも、次の船までの間あと1時間あるので、最後にもう一度だけと山に戻り、
今までは通ったはずの道を行っても見つからなかったのだからと、
山の裏手から、メチャクチャあてずっぽうに、その実本心では
完全にあきらめながらヤブこぎしていくと…
「んっ!?」
「あぁ〜〜っ!!」
あったんです。目の前に。
もはや完全に期待もしてなかったのに。
奇跡だ!! ハレルヤ!! 神様ありがとう!!!
ホクホク顔で、それでも疲れ切った体を引きずるようにして
港へ戻ると、夕陽がきらびやかに沈んでいくところでした。
船で淡路島に戻ったのがすでに6時。南北横断して、淡路北端から
本土に戻ると、すでに9時過ぎになっておりました。
鮮やかにライトアップされた明石大橋を見つつ、
フラフラになりながらようやく、旅路の終了です。
…なにがなんだかよくわからない結末でしたが、
まぁまぁ楽しい旅でした。
次は荷物に注意しつつ、道に迷わないように気をつけつつ、
再度、沼島の常緑樹林にリベンジをかけたいと思います(笑)。