久しぶりの谷で〜小網代懐古旅〜12.1/20

この日は、もう何年ぶりか分からないくらい久しぶりの、小網代の谷探索。
Eさんにご案内いただきながら、古巣を懐かしみ、その変化を味わい、それと同時に
Eさんが最近ハマっている怪しい所業を体験させていただくという
なんかとってもワクワク感満載のスケジュール。
干潟の小動物は大好きなんだけど、探し方も識別方法も分からず、
手を出し損ねていた身としては、実にありがたいチャンス♪
ということで、メチャクチャ期待しながら訪れた久しぶりの森と干潟は
驚くくらい雰囲気が変わっていて月日の経過を感じたり、
干潟の生きもの探しでは、予想外に楽しすぎる世界を体験できたり、
予想以上の貴重品連続技に目を白黒させたり、という充実した1日でした(笑
#なお、小網代の森は現在オープンに向けて整備中で原則立入禁止ですのでご注意ください。
#今回は昔お世話になっていた団体の調査に参加させていただく形で来訪しています。

<1>小網代湾周辺

  
というわけで、ウキウキしながら久しぶりの小網代の谷へ。途中の水路では、
かわいヒラテテナガエビ(左)がいたり、大きな倒木の中には、キセルガイ類の死骸(右)
がたくさんみつかったり、初手から興奮。実は森の中の変貌っぷりにも
そうとうド肝を抜かれたのですが(どこを歩いているのか分からなかったくらい)、
こちらはまだ公開前ですから、皆様のお楽しみにおいておくことにしましょう(^-^)

  
さてさて、さっそく干潟を歩くと、カワザンショウガイ類(左)を発見。クリイロカワザンショウ?
かなり冷え込んだからか、石の裏のイシマキガイ(右)は表面が白く凍り付いています。

  
そんな中に小さな貝(左)を発見。えっと、ウスコミミガイでしたっけ?
あたりには、小さなエダにびっしり張り付いたフジツボ類(右)も見つかります。

  
ごそごそ探ると、タコノマクラ(左)の殻も発見。やっぱ面白い造形やねぇ。
あたりの板切れをひっくりかえすと、巨大なトビムシ類(右)が大量に出現して目を白黒。 

  
こんな場所で越冬してるのね、と驚いたのは、コアシダカグモ(左)。
フタバカクガニ(右)なんかもゴソゴソと登場してくれたりしました。

  
その後、しばらく魚を狙いつつ川沿いに遡っていきますが、潮が悪いのかさっぱり捕れず。
淡水域に入ると、ネグロセンブリ(左)やら、ヌマエビ(右)やらが次々と捕れます。

  
ヤマトクロスジヘビトンボ(左)も転がりできました。大いに笑ったのは、
スガイの空殻に潜り込んでいたキリウジガガンボの幼虫(右)。なにかと思いましたぜ。

  
んで、われわれはあっけなく諦めていたのですが、粘り強く頑張っていたYさんは
ミミズハゼ(左)や、チチブ(右)をGETして、腕の違いを見せつけてくれたのでした。さすが!

  
さて、潮が引き始めたので干潟を歩くと、お約束どおり大量のホソウミニナ(左)。
Eさんがウミニナ(右)も拾い上げて教えてくれました。殻口の白い部分が識別点だそうで。

  
面白かったのは、ホソウミニナの中に巨大な個体(左)がいたので、これはなにもん?と
思っていたら、吸虫に寄生されて異常成長した個体なんだとか。へぇぇ。
よくよくみると、ホソウミニナの殻上に、ツボミガイ(右)もいくつか発見。

  
うろうろすると、潮溜まりの中にタテジマイソギンチャク(左)も発見。
ひとまわり小さなイソギンチャク類(右)もいましたが、こちらはお名前判明せず(^^;

  
いよいよ干潟にアタック、ということで移動していると、林の一角が怪しい白さ(左)に
なっているのを発見。これ、カワウの群れがねぐらにしちゃって、糞で白いんだそうで(^^;
さて、ここでEさんがふるい2枚重ね(右)で、干潟表面の泥を丹念にチェックしていきます。

  
当然ながらすぐに登場したのは、いくつものアサリ(左)。普通種ながらやっぱキレイやね。
干潟のスカベンジャー、アラムシロ(右)もごろごろと出てきます。

  
なんか独特な感じのエビジャコ(左)も何匹も撮れました。不思議な格好のナツメガイ(右)も
転がり出てきましたが、なんちゅうか、うまいこと名前つけるモンですねぇ。 

  
カニモリガイ(左)もいくつも捕れました。アップで見るときれいな模様だねぇ。
ウロコガイ類?(右)も登場しましたが、イマイチお名前に自信なし。Eさんあってる?

  
不思議なゴカイ類、チロリ(左)も捕れましたが、うまいこと撮れずに残念。
Yさんがミナミテナガエビ(右)をGETされたので、識別点を教えてもらったりとか。 

  
んで、今回は、あれこれとレアモノも捕れたので、ここらへんはしばらく限定での紹介を(笑
まず、ここらでは大珍品、ユウシオガイ(左)と、極小サイズのキヌタレガイ(右)。

  
んで、なんといっても絶妙な造形に感動したのは、こちらのヒガタヨコイトカケギリ。
実物は数ミリの極小サイズですが、どうですか、この繊細なる美しさは! 

  
これも名前の通り米粒サイズのコメツブガイ(左)も何匹か捕れましたし、
こちらもかなりのレアモノ、コヤスツララ(右)も何匹かGET。  

  
少し深いあたりからは、クチキレイガイも捕れました。ちょっと他の貝も混じっていますが。
しかし、極小サイズながら、どうですかこの魅惑的な雰囲気。いやはや、素晴らしい♪

  
そして、それに混じって見つかったのは、こちらも貴重品のエバラクチキレ(左)。 
ついでなので、クチキレガイとエバラクチキレの比較写真(右)なんぞ1枚。下がエバラね。

  
こちらも一応レアモノ、極小サイズのノミニナ(右)なんかも見つかったりします。
これまた繊細ですばらしい造形のホソイトカケギリ(右)も見れました。

  
Eさんが興奮されていたのは、殻のない貝、キセワタガイ(左)。正確には体内にあるそうで。
実に面白い巣を作るウミイサゴムシ(左)も登場したり、最後までビックリな出逢い満載♪
干潟からの帰り道も、あれこれ実に魅惑的な話をたっぷりお聞きして、
近いうちにマル秘プロジェクトで再び干潟を再訪することを固く誓っての〆となったのでした☆

ということで、かなり濃密な1日でした。
いやはや、なにげない干潟の中に、あんなにあれこれ出会いがあるとは。
そして、それがまさかここまで魅惑的だとは。むむ、予想外。
というわけで、まんまとEさんのワナにはまり、しばらくは干潟方面も挑戦を
重ねねばならぬな、と深く決意する次第なのでした。
問題は、ふるいを買って、冬の干潟でひとりせっせと砂をふるい、
ピンセットで微小貝をつまみあげて、にんまりしてると、警察呼ばれかねないこと(笑
まぁ、そうでなくてもふるいを買う、ということは、その時点で、なにかしら
引き返せない怪しい世界にズボッと足を踏み込むことになりそうだし…
というわけで、そこはちょっと躊躇中ですが、いずれにせよ、地元近隣には
非常に豊かな生物相の残る干潟もいくつかあるし、近日中に挑戦予定です
こうなると、九州方面の大規模干潟も挑戦したくなってくるし、
今回訪れた小網代の方も季節と時間帯を変えて再訪しなきゃいけないし、
嗚呼、またビョ〜キが一歩深まって、どつぼっていく音がするわぁ(^^;


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