豪雨に負けずvol.1〜広島放浪編〜 11.8/20

この日は、予定外の広島放浪編となりました。
本来は、面白い情報をいただいた広島北部の山地を中心に
あたりをウロウロするという予定でしたが
当日はご存知のとおり、全国的に猛烈な荒れ模様。
「天気悪くても晴れ間が少しあれば」という計画は夢幻と消えて
あえなく泣きながらの敗送となったわけですが、
それでもそのままじゃ悔しいと、前から気になっていた場所を
何箇所か回ると、予想外の成果がいくつもついてきて小躍りする、
ずぶぬれの中でもそんな幸せなそんな不思議な1日でした(笑

<1>広島県各地

  
というわけで、まずはやってきたのはウワサを聞いていたとある山系。
しかし、予報は「曇り」の時間帯のはずなのに、到着するとかなり強烈な雨と、
あまりにも濃い霧にしばしタジタジ。こ、これじゃあなぁ。
それでも悔し紛れに歩くと、ノギラン(左)やら、シュロソウ(右)やらが見つかります。

  
ヤマジノホトトギス(左)もあちこちにぱらぱらと咲き始めていました。
草地の中を歩くと、カキランの実(右)も発見。うん、いい感じの場所だねぇ。

  
完全に濡れ細っていましたが、フシグロセンノウ(左)もありましたし、
2株だけでしたが、久々のオオナンバンギセル(右)にも遭遇。

  
小雨になったのを見計らってワレモコウ(左)のあるあたりを歩きますが、
相当肌寒くて、昆虫なんぞ動くわけもない気温。こりゃダメだな。
そう思ったのですが、ふと気づくと、草むらの中で休憩中のゴマシジミ(右)と
目があってビックリ。おうおう、まさかこの条件で逢えるとはなぁ。

  
喜んでバシバシ撮りますが、さすがにこの状況じゃ開翅とか無理難題。
間違って止まってる草を揺らしたときでも、フワッと飛ぶ場合もあるものの、
微動だにしない場合も多いくらいなんです。とほほのほ。

  
それでは、ということで飛翔写真で翅表をと狙いますが、結果はコチラ(左)。あはは。
結構長時間狙ったんですが、ほとんど画面にすら入りませんでした。嗚呼、腕不足。
諦めてさらに周辺を探すと、カワラナデシコ(右)なんか咲いてたりします。

  
フワッと飛び出したジャノメチョウ(左)にびっくりさせられたり、ママコナの大群落(右)に
見惚れたりしましたが、かなり粘れども晴れ間どころか雨の切れ間もないので
最後には諦めて移動することに。最後は濃霧+豪雨でしたから、これじゃあなぁ。

  
どうも山のほうはずっと天気が悪いままのようなので、思い切って下界に移動し、
前から狙いをつけていた溜池を久しぶりに歩くと、咲き始めのサワシロギク(左)があったり
すっかり実になっていましたが、カキランの群落(右)があったりします。

  
羽化不全のヒメアカネ(左)にも遭遇。これでも元気に飛んでました。
薄暗い木影では、オオアオイトトンボ(右)なんかもけっこうたくさん御登場。

  
んで!
予想とは少しずれた場所でしたが、なんと嬉しいことに憧れの
ベニオグラコウホネに出会えたんです。今まで空振り続きだったからうれしいなぁ♪

  
うまいこと撮れませんでしたが、結構群生している場所(左)もありました。
手を伸ばして花のアップ(右)を無理やり撮ると、赤い花柱がキレイですね〜♪

  
あたりでは、和製スイレンであるヒツジグサ(左)もかわいらしく咲いてました。
近くの池では、アオイトトンボ(右)がブンブン飛んでいる場所も発見。

  
んで、ここでもベニオグラコウホネ(左)に結構な数逢えたんです。なんとも
形の花芽(右)も見れたりして、ちょっと大興奮。大雨のせいか池の水深が上がってる
ようで、胴長を忘れたこともあってあまりアップでは取れずに悔しかったのですが(笑
しかし、今までの空振りは、おそらく探す時期が早すぎたからっぽいですね。

  
さて、調子に乗ってやってきたのは、ヒメオトギリ(左)が群生するいい感じの湿地。
うろうろすると、オオイトトンボ(右)が何匹も飛び交って嬉しくなります。

  
見ごたえがあったのは、ミゾカクシの大群落。うん、ここまでのスケールは珍しいかも。
普通種ですけど、これだけ集まるとなかなか壮観ですよね。

  
しかし、結構ウロウロしましたが、風のうわさに聞いていたような珍品系の湿生植物は
さっぱり見つからず、オニスゲ(左)がパラパラあった程度。おかしいなぁと
思いながら諦めて移動しようとすると、なんかえらい細身のマイマイ類(右)に遭遇します。

  
しかし、移動しているうちに、周辺の植物を保護している区域を発見!
おおっと思いながらのぞきこむと、ヤシャゼンマイの芽生え(左)やら、たっぷりと
実をつけたカザグルマ(右)やらがあって、ちょっと目を白黒。

  
んで!
そこに、あったんです。あこがれ続けたヤチシャジンが。
盗掘防止のごっつい鉄条網の向こうでしたが、もうマジ感涙!

  
もちろん自生ではないわけですが、自分で自生株を見つけ出せる可能性は
ものすごく低そうですから、千載一遇のチャンスということでもう影が薄くなるくらい撮影♪

  
いやぁ、しかしかわいらしい花ですよねぇ。現在では広島のごく一部にしか
自生が確認されていないという幻の花。いつかは自生状態でも撮影したいものだ、と
考えながらバシバシ撮りましたが、その後も周辺をしつこく回るも
再び勢いを増した豪雨に、どうにもならずギブアップ。涙ぬれての撤退としたのでした。

というわけで、豪雨続きでクタビれた1日でしたが、
それでも隙間時間でチョコチョコと面白出会いがあった日でもありました。
本来の予想では、もう少し天気はマシなはずだったので
虫方面あれこれトライアルの予定だったのですが、
結果的にはさっさと花方面に転戦してまず成功だったかな。
途中から、明らかに虫がどうこうって状態じゃない気温でしたし。
いつも思いますが、広島は北部の山地も、中央の湿地帯もいい環境が
ものすごく多くて、全国でもここだけみたいのがたくさん残ってて
まだまだ挑戦したいことだらけですよね。まだ道のりは長いなぁ。
ちなみに今回の週末は本来は中国山地のあれこれ探求がサブテーマでしたが
予報をにらんでいると翌日はさらに天気が悪化しそうだったので
さっさと諦めて、再度の大移動としたのでした。ここんとこ天気運ナイよなぁ(^^;


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