戦跡見物旅@〜霧のお山で〜 10.8/21

この日は、ホンキで発作的な大突撃をしてきました。
狙いは…もうある程度公開されていますし、過去話なのでOKかと思いますが、
南九州で話題沸騰だったというタッパンルリシジミ。
でも、実はこの話、旬だったのは8月上旬らしく、ようやく私の手元に
情報が届いた時点ですでに時遅しな感がぬぐえない状況。
でも!憧れのタッパンなんだから!
…やっぱ、行かずにはいられないよなぁ(^^;
もはや、”数%でも可能性があるならば”というような甘い考えではなく
「この場所だったらしい」というその現場を、この目で見なきゃ
そんな気持ちがどうしても抑えきれなくて
金曜夜は帰宅が遅かったのに、そのまま徹夜で走って行っちゃいました。
大好きな俳優の出ていた映画のロケ地を見に行く、そんな感覚でしょうか。
しかも現地に到着してみると、さらに厳しい現実が待っていたのでした(笑

<1>南九州某所

  
というわけで、かなりヘロヘロになりながら到着したるはとある山。
しかし、天気予報的には「ド真夏日なので熱中症対策を!」と叫んでいたのに、
現地に着くと豪雨なんです。ちょっと待てこのパターン多いぞ!
というわけで、山頂は真っ白な霧に包まれていて、しばらくフテ寝しても
まったく変わりません。こりゃぁダメだ。
でも、いつまで寝ててもしょうがないので歩いてみると、クサアジサイ(右)を発見。

  
ノリウツギ(左)はあちこちにいい感じの花がたくさんあって、晴れていたらここに…などと
妄想が膨らみますが、考えると寂しくなるのでやめておくことに(笑
林床には、タイミンガサ(右)もたくさんあって、なかなか見ごたえがあります。

  
少し小降りになった瞬間に、ようやく蝶が登場。といってもヒメウラナミジャノメ(左)。
ボタンヅル(右)なんかも満開なので、少し叩いてみますが何も出てきやしません。

  
実にいい雰囲気のヤマノイモ(左)も咲いていました。これまたお見事。
道端では、ぽろりとヘリグロツユムシ(右)も御登場いただけます。

  
その後は小雨になれど、山頂は真っ白なまま。しょうがないので山を下ると、
クロコノマチョウ(左)やら、ホソバセセリ(右)やらが姿を現します。

  
うろうろすると、カラスアゲハの集団吸水を発見。そこそこの数だったので
ワクワクしながら近づきますが、シジミ類は全く混じっておらず。

  
妙に敏感で苦労しましたが、カラスアゲハにはなんとか接近できたので
ドアップでも数枚だけ撮影成功。やっぱりきれいだねぇ。

  
決行驚いたのは、ふと道端になんかまっ黄色の実があるなぁと
思ってのぞきこんだら、目の前でパカッと割れてキチョウが出てきたこと。
羽化直前の蛹だったというわけですが、その瞬間を野外で見たのはお初です。

  
ほほぅ、と思いながら周辺を見ると、そこのハギにはやたらめったら
大量の蛹がついていることを発見。これ、すごい密度でしょ?
タイワンキチョウじゃあるまいし、って感じですよねぇ。

  
よく見ると、その中には、もうすぐ羽化なのかな、という黄色い蛹(左)も。
しばらく蛹をバシバシ撮ってから振り返ると、すでにすっかり翅の伸びた
キチョウ(右)がいて、少し驚いたのでした。展開早すぎ!

  
さらにビックリしたのは、虫カビにやられたらしく、節々から白い菌を
のぞかせている巨大なナナフシ(左)。これはアマミナナフシなのかなぁ?
近くにはコエビガラスズメの幼虫(右)も鎮座していました。

  
さらにうろうろすると、ちょっとボロのクロアゲハ(左)に続いて、再び
カラスアゲハの集団吸水(右)を発見。近づく前に逃げられたけど。

  
アオスジアゲハ(左)も熱心に水を吸っていました。暑くなんかないだろうにね。
道端にはフワフワとミヤマカワトンボ(右)もご登場。

  
ようやく道端でシジミチョウの姿を見つけて、メッチャクチャドキドキしながら
駆け寄ってみると、それはヤマトシジミ(左)だったりしました。ルリ系ですらない…
その後、木蔭で休憩中のクロアゲハ(右)なんぞ撮ってから
少しは霧が上がったんじゃないかなぁというコトで、再び山を登ることに。

  
道中、道端にはイワタバコ(左)がパラパラと咲いていたり、なにげに
お会いするのは初めてのモミジコウモリ(右)があって感激したりもします。

  
これもちょっと印象的だったのは、ハガクレツリフネ。
だいぶ色の白っぽい株ばかりでしたが、こちらもあちこちで見れました。

  
さて、山頂付近ではミヤマアカネ(左)が御登場。でも空模様は少しはマシになった
ものの、霧はひたすらかかりっぱなし。なんでやねん。
あたりには怪しい雰囲気のクサコアカソ(右)がありましたが、これ実じゃないから
虫こぶなんですよね。ちょっとあまりにも遠慮がない気がするんですが…

  
なんかえらく煤けたセスジツユムシ(左)にも逢えましたし、真っ白な霧の中、
寒そうにフラフラと飛ぶミヤマサナエ(右)も発見。ささやかな成果は続くんですがねぇ…

  
その後もかなりの時間粘ったのですが、ルリシジミ類どころか、蝶影ゼロ。
日が傾き始めると肌寒くまでなってきたので諦めて山を再び降りると、
道中でかわいらしいオトギリソウ?(左)やら、イシガケチョウ(右)に逢えました。  

  
ついでだからと立ち寄ったのは、近くの環境がよさそうな海岸。ハマボウ(左)が一面に
咲き誇っていたので感激しつつ見ていると、クマバチ(右)も御登場。

  
ネコノシタ(左)が咲いていたり、睡眠中のオオモンツチバチ(右)がいたりもしましたが、
歩いている途中でにわかに暗くなったと思ったら、とんでもない大豪雨来襲。
広い砂浜のど真ん中なので、隠れる場所とてなく、
カメラをかばいながら全身ずぶ濡れになりつつ、車まで全力ダッシュするハメに…
さすがに全力使い切ってそのまましばしバタンキュ〜、でした(ToT)

  
しばらくしてすでに暗くなった海辺をもう一度歩いてみると、あちこちに
スナガニが登場して、ちょっと嬉しくなったり。う〜ん、ささやかな成果じゃなぁ…

というわけで、なんとも言えん寂しい一日でした。
いや、条件バッチリでも残り個体を見れる確率なんて宝くじ並みなのに
そもそも何にも見れないなんてヒドすぎます。
山頂でたくさんのヤクルリをドキドキしながら1つずつ見ていく、
なんてシーンを夢想していたのにぃ!
ま、発作的に行動してもいいことないよ、という証しみたいな感じですかね。
本来ならば同じ場所で粘るのが頭がいいことは
わかっていたし、翌日の天気予報は晴れマークだったんですが、
そもそも天気予報が全く信用がならんわけで、2日連続同じ場所で雨じゃぁ
どうしようもない、ということで、今年某氏が撮影に成功されたという谷に転戦する
ことにして、この日は寝不足の目をこすりつつ、フラフラになりながら
移動したのでした。さて結果はどうなるか、乞うご期待?


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