リーフバグ探索A〜玄人御案内編〜 10.6/6
  
<2>長野県某所 続き

  
さらに粘ると、葉裏で幼虫を守っているヒメツノカメムシ(左)にであったり、
こっそり隠れているアトジロサビカミキリ(右)を見つけたりします。

  
そうこうするうちに、ようやくハラグロオオテントウが数匹見つかりましたが、
成虫ばかりで狙いの幼虫は見つからなかったあたりがちと残念。
その後、地元の玄人S氏と昼飯をご一緒し、どうしようもなくディープかつ超面白い虫談義を
たっぷりの標本と一緒にご披露いただいてほとほと感嘆するという素敵な時間も頂戴しました。
標本を前に目を輝かしながら熱く虫を語るS氏を見て
「あれが正真正銘の虫屋ですね。やはりわれわれは”虫好き”ですね」
などとしみじみ言い合ってみたり。いやぁ勉強になりました。

  
さてその後、さらにもう1箇所おもしろそうな雑木林をうろうろすると、
タツナミソウ(左)があったり、小さな小さなアケビの実(右)があったりします。

  
イボタノキ(左)はかなり大満開でしたが、イボタガ幼虫は見つからず。
面白い雰囲気のシャクガ系幼虫(右)は見つかったんですけどねぇ。

  
ここでもホソミオツネントンボ(左)がフワフワとご登場しました。
林縁にはアオクチブトカメムシの幼虫(右)もこっそり隠れています。

  
畑のふちの斜面にはポツポツとハンミョウの巣穴がありましたが、しばらく探すと
集合住宅(左)も発見。こりゃなかなかお見事で。
じっと粘ると、巣穴から顔を出したハンミョウの幼虫(右)も見れました。

  
さらにうろちょろと葉上やら葉裏やらをみてまわりますが、あまり成果なし。
ガサミグモ(左)やら、チュウガタコガネグモ(右)なんかには逢えましたが。

  
エノキの葉上では、テングチョウの幼虫にも遭遇。
終齢に近い個体(左)から、まだ小さい個体(右)まで幅があったのがチョイ不思議でしたが。

  
なんどみても面白い格好のヒモワタカイガラムシ(左)も見つかりました。
見ていると、ヒモの上になぜかテントウムシ系の幼虫(右)が乗っかっていて
なおかつヒモがぼろぼろになっているという光景にも出会いましたが、
これって食ってるんですかね?蝋物質なハズだけど美味いんすかね?

  
大満開のヌルデ(左)やらスイカズラ(右)やらがあったりもしますが、
中途半端な時期なのか花も若干少ない気がしました。

  
ご立派な感じのヒメヤママユ幼虫(左)も発見。う〜〜ん、いい色。
ちょっと古いクスサンの古巣(右)なんかも見つかります。

  
少々盛りの過ぎたミヤマナルコユリ(左)なんぞ見ていると、安田氏が
アカシジミ(右)を発見され、もうゼフの季節なのねと驚くことに。
信州だともっと時期が遅いんだと思い込んでいましたが、そうでもないんですね。

  
なんか面白そうな羽化殻(左)もありました。アワフキムシ系かな?
あたりでは、ポツポツとコバノガマズミ(右)も咲いていてくれます。

  
面白かったのは、ボタンヅルの葉上にあった虫こぶ(左)。
粉を吹いたバナナという風情の物体でしたが、正体はいったい何者で?
近くには極小サイズながら面白い雰囲気のアカマキバサシガメ(右)もいました。

  
ゴマフリドクガでいいのかな?派手なドクガ幼虫(左)も隠れていました。
近くでは、小さなハエが愛を語らって(右)いたのでついでにバシバシ撮ってみたり。

  
葉上でなんかアリが2本の棒を運んでいる(左)のも発見。何だろう?としばし
早見ましたが、葉裏(右)をみて納得。いわゆるバラバラ殺人事件で、
被害者は直翅類。とういことは葉表の棒はこいつ脚だったのか(^^;

  
こちらも愛を語らい中のクロナガタマムシ(左)も発見。ふと頭上を見上げると、
クスサンの幼虫(右)がやたら集まっていてビックリという一幕もありました。
うまく撮れてませんが、この樹に10匹近く集まっていたんですよ。

  
さらにうろうろすると、のんびりしているオオヘリカメムシ(左)や、やはり近くで見ると
迫力のあるクスサン幼虫(右)なんかも見れましたが、やはり全体に虫影も薄く、
「これは!」というような出会いもあまりないというのが正直なところ。
環境的には絶対めちゃくちゃ面白そうな場所でしたから、
やはり今年は季節の不順から、ハズレ年になっているというのが正解みたいですね。

  
ふと樹の幹に喧嘩中?のトゲアリ(左)を発見。近くにはギッチリと樹の幹に
かぶりついている個体(右)もいて、なにしてんの?と聞いてみたくなりました。

  
最後に林縁でフモトミズナラ(左)を教えていただいてちょっとビックリ。
知らなきゃ変なミズナラだなですんでしまっていましたが、こんなものがあるんですね。
感心していると、葉上にルリチュウレンジ(右)がいましたが、ここらでタイムアップ。
「う〜ん、やっぱり今年はハズれ年みたいですねぇ」
などと言いつつ、アレコレ語りながら、帰路に着いたのでした。

というわけで、のんびり楽しき一日でした。
こんな探索に一日お付き合いいただきました安田さん、そしてアレコレ仲介して
今回の場を実現にこぎつけてくれたEさん、本当にありがとうございましたm(_ _)m
残念ながらハズレ年の話の通り、大当たり連続というわけには
いきませんでしたが、じっくりとあれこれ面白い話を聞かせていただきながらの
長時間の散策、本当に勉強になりました。
憧れのタケウチトゲアワフキとの、微妙に納得行かない出会いも面白かったし、
S氏の熱い虫屋魂ときれいな標本の数々も印象的で
本当に中身の濃過ぎる一日。遠征した甲斐があったというものです。
また、この2日間で、のんびり雑木林の雑昆虫を探しながら歩くことの楽しさを
久しぶりに深く実感しました。また家の近所でもアレコレ挑戦したいし
季節を変え、場所を変えて、信州でも再挑戦したいなぁと今から密かに企んでます。
あ、あと最後に1つオススメを。
安田氏の著書はどれもこれも必見の価値がありますが、最近出版された
イモムシハンドブック」は本当に面白いです。ぜひぜひお手元に1冊どうぞ!
実際にフィールドに出ている人であれば、こんだけの種類のビチッとした写真が
バッチリ揃っているということに驚愕・感嘆・唖然とすること間違いなしですゾ☆


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