<2>南大東島周辺 続き |
さて、そうこうするうちに再度雨がぱらついてきたので、
半ば諦めつつ、貯水タンクを眺めると、ハラボソトンボの羽化殻(左)やら、
ヒメトンボ&タイリクショウジョウトンボの羽化殻(右)やらがみつかります。
よくよくみると、その中になんかあやしげな羽化殻を発見。
O氏がつまみあげて一言、「これ、ウミアカッぽくない!?」
おおっ、ということで地面に置いて撮影しようとしたんですが、次の瞬間、
いきなり突風が吹いて羽化殻は吹っ飛ばされてどこかに消えてしまいました。
……これがあとで図鑑で調べると、ウミアカトンボ羽化殻で間違いないようですね。
なんともかんとももったいないことをしてしまったようで(ToT)
タンクの中をのぞくと、ハラボソトンボ(左)やら、ヒメトンボ(右)やらの幼虫も
やたらめったら泳ぎ回っているのが分かります。
今回は前回の教訓に基づいて網を持参していたので、必死こいて捕獲に
いそしみますが、ウミアカトンボらしきヤゴは全然捕れず。
そのかわり、別の場所でも、ちょいと破損していましたが、
ウミアカトンボの羽化殻を発見!やっぱりタンクから発生しているんですね。
過去に発生の確認されているのは、人家の井戸や雨水タンクなど
らしんですが、今はどれも干上がってしまっていて確認できている場所はない、
という話でしたから、もしかしたら貴重な発見なのかも(^-^)。
さらに調子に乗ってウロウロすると、古井戸の中で愛を語らっている
ヒキガエル類(左)を発見。これ、あとで見直すとオオヒキガエルですねぇ。
小さな小さなヌマガエルの子ども(右)もみつかりました。
後で調べると、この島はサキシマヌマでなく普通のヌマになるんですね。ビックリ。
しかし、その後も数箇所タンクを見るも、面白そうなヤゴは追加できず。
それでは、ということで池方面を攻めてみようとすると、道中で
何度もダイトウメジロ(左)の大群にであったり、すこし羽がボロボロですが、
電柱の上でこっち睨んでいるハヤブサ(右)に出会ったりします。
クログワイかな?おもしろげな花を咲かせる抽水植物(左)の生える池縁を
歩きますが、ここは先ほど以上に攻めどころなし。
ほとんどが網入れられない深さだし、浅い場所では本当に何一つ成果がないんです。
しかも、このあたりの土は粘土質で、歩くと靴裏に分厚くねばりつき、
それが歩くほどに層をなして、トンでもない状態(右)に。
これ、説明するまでもないと思いますが、歩くのしんどいんですよ(^^;
ふと池の縁にあやしげなアメンボ類も見つけました。
数はやたらと多く、幼虫(左)、短翅型の成虫(右)ともかなりの数がいましたが
こいつもアマミアメンボあたりでいいのかなぁ?
この日も、ナイルティラピアはかなりの数が泳いでました。
この資源量は、名産品とかいって民宿で料理を出したら有効活用できそうな
気がしますが、いかがなもんでしょう?
そういえばこいつも固有亜種、ダイトウカイツブリ(右)も見れましたが、
噂の白いカイツブリは今回は見れず。
んで、そうこうするうちに、かなりの強雨になってきたんです。こりゃダメだ。
ということで、昼過ぎから一度宿に戻ってフテ寝することに。
いや、私もO氏も少々の雨では引き上げない性質ですので、これは相当な珍事態です。
だって、相当な豪雨だったんですもん。ただでさえ期待薄なのにこの仕打ち…
神様、なんか我々は罰のあたるようなことをしちゃったんですかね(ToT)
そうやって3時間ちかくフテ寝したでしょうか、ようやく雨が小雨に
なったので、ダメもとでもう一戦しますか、ということでうろつき始めると、ふいに
ぐるり木立に囲まれた、いかにもな感じの貯水タンクを発見。
これ、なんかすごく怪しそうじゃない?っていいつつ網を入れると…
おおっ!なんか怪しいヤゴがでた!明らかにオオメ系です!
それも一網ごとに1〜2匹取れるくらいに数が多いんです。おっしゃ!
んで、帰宅後わくわくしながら調べると、こいつは期待通り、コフキオオメトンボの
ヤゴなのでした。最後の最後にラッキー引いたなぁ♪
ということは成虫も見れるのかな、といっていると、すぐさま付近の木立の
あちこちに羽化殻(左)があることを発見。これは新しそうだぞ。
とかいっていると、なんと今から羽化したいんですが、という雰囲気のヤゴ(右)まで
見つかって、O氏ともども大興奮。こりゃ夜見にこなきゃですねぇ♪
その後、さらに探索の範囲を広げて海辺をうろつくと、ウスジロイソマツ(左)を
また多数確認。面白かったのは、そこら辺のハマゴウ(右)は
すべて葉っぱ等々落ちて枯れ木状態。こうやって台風を乗り切るのね。
浜辺には、ハギカズラ(左)らしき葉っぱも発見。ここらにもあるのね。
さらにしつこくうろつくと、カクレイワガニ(左)にも遭遇しました。
さらにウロウロすると、いくつか貯水タンクを発見。
網を入れてみると、ウスバキトンボ(左)ばかりのタンクや、やたらめったら
大量のハネビロトンボ(右)のいるタンクなど、それぞれに特性があることが
わかってきます。回りの環境なんかによるものでしょうけど、おもしろいなぁ。
さて、そのうち日暮れ時になったので、懲りずに神社の池に再挑戦。
しかし、この日は前回以上にトンボはほっとんど飛ばず、
そのかわりに何匹ものダイトウオオコウモリがご登場!
というわけで、喜び勇んで撮影しようとしますが、私の機材じゃこの暗さは
どうにもこうにもなりゃしない、ということで粒子荒々、ピンぼけブレブレの
情けない写真が数枚撮れただけ。ま、雰囲気が伝われば…
その後、晩飯としゃれ込んだのですが、街中に戻ると、
そこら中の飯屋が全部閉まってるんです。
なんじゃなんじゃ、と思うと、この日はなんかの祭りらしくって、全部出店に
切り替わっているとか。しかし明らかに宴な場に部外者は入りづらく、
そういえばバイキングやっている店があると聞いていたな
ということで、散々探してみると、それがまた近くのホテルとかではなく
そば屋さんのオカズ自由盛り定食風のもので二度ビックリ。
いやはや、この島はつくづく予想外の出来事が多すぎます(笑
さて、その後当然のように夜探索へ。
昼間ウミアカトンボの多かった草地へ行き、「寝てる個体がいないかな」などと
冗談で歩いてみると、なんと次々に枝先で寝ている個体を発見!
え、そのまま寝てるんですか。それもまたスゴイ話やなぁ。
あたりでは、オガサワラクビキリギスになるんだと思うんですが、
幼虫(左)、成虫(右)ともに見ることができました。
なんだかあやしげなマイマイ類(左)も発見。
その後もウロウロすると、ウミアカトンボ(右)はポロポロと睡眠中の個体を
見ることができました。やっぱり全部未熟でしたけどね。
自販機の前には、大量のタイワンツチイナゴ(左)がいて、時折思い立ったように
飛び込んでくるので、突っ立ってるとまるで狙撃受けた状態に(^^;
でも、あとはウスヒラタゴキブリ(右)がいたくらいでたいした成果なし。
そして、ワクワクしながらコフキオオメトンボのヤゴのいたタンクまでいってみると、
これが明らかに今から羽化しますよ、って感じのヤゴが、
タンクの縁にべたべたと何匹も上がりかけていたんです!
「わっ!どうしよ!…雨上がりだから羽化は遅いよな。今から寝て……
3時起きとかで見に来るか。やるっきゃないよなぁ!」
ということで、その後は探索を切り上げ、速攻宿に戻り爆睡したのでした(笑
というわけで、またぞろ涙々の一日でした。
ってか、ただでさえ期待薄な状況で、嵐のごときどしゃ降り&大風というのは
実際問題いかがなモンかと。いや、マジで。
私もO氏も相当に諦めの悪い方ですから、少々の悪天だと
なんやかんや言いながら野外で粘るんですが
それがすっかり諦めて昼寝してたってんだから状況がわかるでしょ?
はっきり言ってお手上げ状態だったんです。
飯時なんかはお互いに入手していた情報を並べて検証しつつ、
「でもこれは、こと今となっては”本来ここにいた”というだけの情報だよね」
と何度も溜息をついていたんですから…
こうなっては、とりあえず羽化狙いだ!ということでこの日はオリオンビール1本
呑んで9時ごろに即効寝たわけですが、なんとこんな日に限って
夜中に花火が上がり始めて安眠妨害されたりという素敵な展開のオマケつき(^^;
さて泣いても笑っても最終日、最後に神は微笑むのか、乞うご期待で(笑