力仕事の合間〜昆虫館復旧作業〜 09.8/23

この日は、力仕事にいそしんできた一日でした。
実はニュースでも話題の、兵庫西部の大水害、あのトンでもない天災で
我らが佐用町昆虫館も、予想すらしない大被害にあったのですが、
その復旧作業に遅まきながらお手伝いに言ったような次第です。
話には聞いていたものの、現地で実際に見ると
その凄まじい被害状況に唖然呆然。
それでも、集まったみんなで力を合わせると予想以上の成果があって、
人力ってスゴいもんなんだなぁとつくづく実感してみたり、
ちょいとばかり「ドカタ・ハイ」を経験したりといった楽しき一日でした♪

<1>佐用町昆虫館周辺

  
というわけで、少し早めに到着すると、昆虫館まわりは大量の土砂で埋め尽くされていて、
すでに聞いていたことではありながらも、けっこうショッキング。
これでも連日の作業でかなり状況は改善しているということでしたし、最初はこの土砂に
水浸し状態がプラスされていたわけですから、どんな状態だったものか
想像すらつきません。自然の脅威って本当にコワいものですねぇ……

  
さらに瑠璃時あたりをうろうろすると、こちらも川がえらいことになっていて、
アチコチ橋が落ちたり、建物の土台がえぐられていたり、スゴイ状態です。
このあたりの川自体は非常に小規模なものなので洪水なんて想像もしなかったのですが
どうも今回は奥の谷で大規模な山崩れ→土石流となったようなんですよね。

  
せっかくだからと周辺をウロウロすると、スズムシバナの群落を発見。
すでに盛りは過ぎていましたが、かわいらしい花を堪能することができました。

  
キジョラン(左)もポツポツと花を付けはじめていましたし、
かわいらしいサワオトギリ(右)も咲いていたり、大災害の後でも
たくましい自然の営みを見て、少し勇気付けられたり。

  
クサアジサイ(左)も、数株だけ咲いていました。
ハリママムシグサの多産した谷にも行ってみましたが、こちらもけっこう大規模に崩れて
いて、探し回ってようやく1株だけ葉(右)を発見。う〜ん、これはちょい心配かも…

  
いい感じで大満開になっているカエデドコロ(左)もありました。
なんか独特な雰囲気のシダ類(右)にも逢えましたが、こちらは正体調査中。
このあたりはシダが豊富で有名なんで、一度じっくり勉強しなきゃですね。

  
さてさて、その後、さっそく作業開始。
この日はなんと総勢50名近い方々が集まって、非常に賑やかに作業はスタートしました。
私は最初は、泥で埋め尽くされてちまった網室を掘り出す作業に従事しましたが、
これがどこから来たんだ、と驚くほどの大量の泥にヘキエキ。
そんな土砂に半分埋まりつつ、それでも頑張って咲いているナツエビネ(左)やら、
立派な実をつけているムサシアブミ(右)なんかにビックリしたりもしました。

  
泥まみれ汗まみれになりつつみんなで奮闘して作業も一段落。
一休みしながらウロウロすると、ノシラン(左)が咲き始めていたり、いい感じに咲いている
ナツエビネ(右)がもう1株あったり、こんな中でもささやかな出会いが続きます。

  
今回、有志の手で救出されたのが、こちらの大貴重品、ハリマイノデ。
1m近い土砂の下に埋もれてしまっていましたが、奇跡的に無事に掘り起こされました。
こいつは、サカゲイノデ×サイゴクイノデの雑種ですが、現在自然下では
ほとんど確認されていないという珍品です。無事でよかったなぁ!

  
同じくこの地域を代表するルリデライヌワラビ(左)も無事が確認されました。
なんか面白そうなアザミ類(右)もありましたが、こちらは名称不詳。調べなきゃ。

  
その後もスコップ片手に汗まみれで奮闘してみましたが、
休憩時間には館の周りをまたぞろウロウロ。すると、白花のスズムシバナ(左)や、
ちょうどいい感じに咲いているサネカズラ(右)やらを発見。

  
ジャコウアゲハの幼虫もいましたが、よくみるととまっているのは
ヤマノイモのつるでした。餌のウマノスズクサが流されてしまって、そこから
命からがら逃げてきたのか、それともなんとなくお散歩中なのか?

  
ウロウロしていると、先ほど掘り返した池の中のシダに怪しい影。
よく見ると、チョウセンベッコウヒラタシデムシ(左)と、クロシデムシ(右)なのでした。
池の中の鯉が埋まって死んじゃっていたのを食べていたようですが、
思いがけず安住の地を掘り起こされて焦っていたのでしょう。スンマセンなぁ。

その後は、被災した瑠璃時の売店の復旧作業にも従事。
建物の中を埋め尽くしていた土砂が、人海戦術で掘りまくり、一輪車で運びまくると
予想外に短時間ですっかり掘り起こされたのには感激至極♪
んで、エッホエッホとスコップで力一杯ジャリを放りまくるのはしんどかったんですが、
途中からものすごく楽しくなっちまって、作業が完了した頃には
まだモノ足りないから、もう一山もってこ〜〜い、ってな気分に♪
ランナーズ・ハイじゃなくて「ドカタ・ハイ」という感じでしょうかね(笑

  
無事に作業も終了し、予想以上の進展に驚きつつ、それでもまだまだ
完全復旧へは長〜い道程があるなぁと、思い悩みつつ帰路へ。
ふと夕陽の差し込む草地に立ち寄ると、こんな時期なのにまだ花盛りの
スズサイコ(左)があったり、ゴイシシジミ(右)がいたりと
最後にささやかな幸せなオマケをGETして、大満足の〆となったのでした。

というわけで、汗まみれになりましたが、楽しき一日でした。
とりあえず今回痛感したのは2つ。
まず、「人力ってスゴイ」。
最初は、こりゃユンボでもなきゃしょうがねぇや、と思ってましたが、
ワッセワッセとスコップを振るうと、見る見るうちに土砂が減っていくのは
本当に純粋に感激モノでした。すごいモンだ。
遠くは滋賀県からもお越ししいただいて、この日の復旧作業をお手伝いいただいた皆様、
あらためてこの場を借りて、再度御礼を申し上げますm(_ _)m。
そして、もう1つ痛感したのは、昆虫館周辺の自然の豊かさ。
だって、休憩時間になにげなく撮影したやつだけで、結局1日掲載分の
ネタが集まってしまったんですから面白い限りです。
(サボって撮ってたんじゃないので誤解のなきよう…)
やはり、こんな素敵な場所にある、素晴らしい施設、なんとかして
運営再開まで頑張りたいものです(>_<)。
ちなみに、まだまだ、復旧のためにお手伝いいただける作業はテンコモリ。
このHPをご覧の方で、それなら手伝いに行ってみようかな、
などという奇特な方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひこちらまでご連絡ください♪


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