中国地方御案内@〜濃密過ぎる日〜 09.6/20
この日は、これまた不思議な一日でした。
関東から遠路はるばるやってきた「相模国之自然スケッチ」の一寸野虫さんと、
「Faunas & Floras」の真神ゆさんをご案内しに、
「野道を行けば」のTODさん&Ashさんと一緒にあちこち歩き回るという企画なのです。
地元でもない場所のご案内班に混ぜていただいたのは、今回ご案内する
フィールドに何度もご一緒させていただいていたという理由なのですが、
役不足を心配していたところが、今回のヒキの強すぎるメンバー勢揃いの
おかげで、予想以上に楽しさ満点、ギュッと濃密な一日となったのでした。
案内している側のハズのこちらが大興奮&小躍りという場面が多かったという
スゴイ状況でしたが、ディープな蛾屋さん勢ぞろいということもあって
早朝から深夜まで力一杯走り回れた、本当に楽しき一日でした。
<1>新見市周辺 |
この日の早朝は、待ち合わせまでは時間があるということで新見のゼフに挑戦。
まだユウスゲ(左)もいい感じに咲き誇っている薄暗い中、気合を入れて長竿を振り回すと
さっそくヒロオビミドリシジミ(右)なんかが登場してくれます。
さらにうろうろすると、ウスイロオナガシジミ(左)やら、ウラジロミドリシジミ(右)
やらも登場。どれもこれも新鮮な個体ばかりで嬉しくなりますが、
この頃にはずぶ濡れの下草でズボンがグッショリ。雨合羽が必要だったなぁ…
そんなこと思いながらさらにバシバシとやってみると、すとんと目の前に落ちてきたのは
おっしゃ!クロミドリシジミじゃないですか!
いままでロクに撮れてなかったので今回の一番の目標だったのですが
初手からそれがクリアできちゃったもんで、一人で林の中で雄叫び&ガッツポーズ♪
少しずつ日が差してくる中、クロミドリ君は何度もチョコチョコ飛びましたが、
あまり遠くには飛ばないので、大喜びでバシバシと撮影しまくり。
このまま開翅も見れるかなぁと期待しましたが、何度目かに飛んだ後で
ヤブの中にすっかり潜りやがって、その期待は幻に消えたのでした。
さらにうろつくと、これまたご立派なシロスジカミキリ(左)も発見。
顔のアップ(右)を撮ってみると……うん、これはあまりいい人相じゃネェな。
あたりには、イチヤクソウ(左)もいくつも咲いていました。
そして、交尾中のヒメリンゴカミキリ(右)にも遭遇。初手から楽しい日じゃ。
#ヘリゴロリンゴカミキリだそうです。Mikiさんありがとうございます!
さて、さらに気合を入れて歩くと、ヒロオビミドリシジミ(左)、ウラジロミドリシジミ(右)
ともに次々登場。今年は個体数が多いようで嬉しくなりますね。
ウスイロオナガシジミ(左)も登場しましたが、この個体はツイと飛んだと、
寝ぼけたんだかこんな姿(右)を御披露に。翅表が見れたのはうれしいけど、
こんなポーズはさすがにどうかと思うですが。シャッキリしてください(笑
当然ながら、ミズイロオナガシジミ(左)も何度も登場しました。小さくて可愛らしい
ゴイシシジミ(右)も登場したり、本当に蝶影の濃い場所です。
さらに粘ると、ウラジロミドリシジミの♀(左)と♂(右)が同時に降りてきたりという
一幕もありました。日も差してきたのでそろそろ御開帳もと期待しますが、
ヒロオビの御開帳を一瞬見れるもカメラを向ける前に飛び去りやがって、
ウラジロは全て開翅する前に梢に消えました。愛想のないヤツラじゃな。
さらに粘ると、再びクロミドリシジミ(左)がいい場所に下りてくれて大興奮。
近くに咲いていたヤマタツナミソウ(右)なんかも嬉しい辺りでしたが、ここでタイムアップ。
初手から大いなる満足感に包まれながら、集合地点へ急ぎます。
<2>広島県各所 |
さて、TODさん&Ashさん、一寸野虫さん、真神ゆさんと合流して、さっそく向かったのは
ヒョウモンモドキの生息地。歩き始めるとさっそく♀が登場してくれて、
関東組のお二人と一緒に、ウハウハ言いながらバシバシと撮影♪
近くでは、アリノトウグサ(左)もいい感じで咲き始めていました。
そして、真ピンクのツマグロイナゴモドキ幼虫(右)も発見♪
その後、TODさん&Ashさんご推薦の別の生息地に移動してみることに。
ついてまず仰天したのは、ヒョウモンモドキの個体数がかなり多くて、
1花に4匹も飛来している姿(左)も見れたんです。
保護の成果があがっているということでしょうから嬉しい限りですね。
この可憐な蝶があちこちの湿地で多数舞う、そんな嬉しい光景が復活するといいなぁ。
そんなこと思っていると、生き残りの♂(右)も見ることができました。
驚いたのは、黒化型というんでしょうか、かなり濃い色の個体もけっこう
混じっていたんです。こうなるとえらく雰囲気が違いますね。
何度も会っているはずの蝶ですが、また新たな発見がたくさんあって楽しい時間でした。
#改めてお願いを。ヒョウモンモドキは全国でもこの地区のみに生き残っており
#間違いなく一番危機的な状況にある蝶です。今年も密猟者が数回見つかって
#いるそうですが、この可憐な蝶がいつまでも舞うことができるよう、蝶屋の皆様
#のご理解とご協力をお願いいたします。なお、すでにこの蝶の採集は法的にも
#規制されていますので、改めてご承知おきください。***********
何度か求愛行動(左)も見れましたが、メチャクチャにシャッターを押したら1枚だけ
画面に入ってました。もっとも動きが速いのでブレブレですが…
さて、この場所はトンボ類も多くて楽しい湿地です。というわけで、一番元気に
かつ我が物顔に飛び交っていたヨツボシトンボ(右)からご紹介。
小さな小さなハッチョウトンボも多数飛んでいて、♂(左)、♀(右)ともに見ることが
できました。この季節、比較的出会いの多いトンボではありますが
何度見ても撮りたくなる色合いとデザインですよね。本当に可憐なトンボだなぁ。
いい環境の湿地ということで、モートンイトトンボ(左)もやたらと多数いましたし、
オオイトトンボ(右)もいたり、なかなか濃密な時間を過ごすことができました。